舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



オリエンタルランド 第59期 定時株主総会を振り返る

6月27日、東京ディズニーリゾートを運営する、株式会社オリエンタルランドの株主総会が、千葉県の幕張メッセで行われました。

 

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今回の総会では、経営陣から昨年度の事業報告、決算報告、会計監査報告が行われ、剰余金の処分(株主への配当金)、取締役10名の選任が決議されました。また、株主からの質疑応答も合わせて行われました。

 

今回の記事では株主からの主な質問と、それに対する経営陣の回答から、オリエンタルランドの今後の動きについて考えていきたいと思います。

 

昨年度の総会については、こちらをどうぞ。

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フードメニューの「改悪」

東京ディズニーリゾートのパーク内にあるレストランでは、最近になって、調理時間が短くて済むメニューが増えてきました。特にゲストの間で衝撃が走ったのが、東京ディズニーランドの「グランマ・サラのキッチン」と東京ディズニーシーの「ユカタン・ベースキャンプ・グリル」で、それぞれ販売が始まった「冷やしうどん」でしょう。

 

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グランマ・サラでは洋食、ユカタンではメキシコ料理をテーマにしたメニューが提供されてきました。また、それぞれのレストランにも、アトラクションと同様にバックグラウンドストーリー(公式設定)があり、ゲストは食事だけではなく、レストランの雰囲気を味わうことができたのです。

 

冷やしうどんの提供は、そのようなストーリーを無視するような行動だったことから、一部のゲストから批判の声が上がっていました。今回の質疑応答でも、株主から「テーマ性やストーリー性が無視されているのではないか」という意見が出ました。

 

これに対して、オリエンタルランドの経営陣からは「より多くのゲストに提供するため」「ストーリー性の重要性は理解しており、効率だけを求めているわけではない」という回答がありました。

 

東京ディズニーランドの開園30周年イベントが行われた2013年以降、ランド・シーの入園者数は年間3,000万人台で推移しています。単純計算で各パークに1,500万人以上のゲストが押し寄せており、アトラクションだけではなく、レストランの混雑も激しくなっています。

 

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増え続ける入園者数と混雑感については、こちらで詳しく解説しています。

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また、近年の若年層人口の減少により、働き手の不足は深刻化しています。東京ディズニーリゾートも例外ではなく、求人広告を積極的に出したり、首都圏以外の地方でも面接会を開催したりするなど、人員確保に取り組んでいます。


アトラクションキャストやショーキャストのように、華やかな現場は人気が高いです。その一方で、フードサービスキャストやカリナリーキャストなど、飲食部門は「大変」「地味」というイメージが強く、十分な人員が集まっていないのが現実なのです。

 

より少ない人員で、現場を運営する。より多くのゲストに、短時間で食事を提供する。使い捨ての紙容器や、セントラルキッチンでの事前調理済みメニュー、業者納入品の直接販売*1といった「フード改悪」からは、なんとか課題を解決しようとするオリエンタルランドの思いが感じられます。

 

「食事難民解消策」の一端が感じられる、TDS新レストランについては、こちらをどうぞ。

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これまでも、単品のアラカルトメニューが廃止され、コースメニューへの一本化が行われたり、メニュー数が絞られたりするといった、フードメニューの変更は行われてきました。今回の質疑応答では「フードメニューの変更は、人手不足が理由ではない」との回答もありました。ただ、これはあくまでも表向きの回答でしょう。今後も混雑と人手不足が続けば、さらなる改悪が行われる可能性は高いと思います。

 

東京五輪・パラリンピックが与える影響

いよいよ来年、2020年に東京でオリンピックとパラリンピックが開催されます。首都圏だけではなく、地方都市でもインバウンド(外国人観光客)をターゲットにしたホテルの建設が進み、競技会場や選手村も少しずつ形を現しています。

 

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新国立競技場(オリンピックスタジアム)

 

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晴海地区の選手村

 

株主からは、東京五輪がパークのオペレーションや業績に与える影響について、質問が上がりました。これに対して、経営陣からは「具体的な影響は分からないが、東京への来訪者が増えるのはプラスだと考えている」という回答がありました。

 

2020年といえば、東京ディズニーランドに映画『美女と野獣』をテーマにしたエリアや、ミニーマウスのグリーティング施設、映画『ベイマックス』をテーマにしたアトラクションが誕生します。また、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンも、大人気ゲームのキャラクターが登場する「スーパー・ニンテンドー・ワールド」のオープンを控えています。

 

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少しずつ姿を現している「モーリスのコテージ」ここはアトラクション「美女と野獣“魔法のものがたり”」のファストパス発券所になる。

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あくまでも推測ですが、五輪観戦で東京を訪れる地方ゲストや外国人観光客を考慮すると、ランドの新エリアは4月~5月頃のオープンになるでしょう。ただ、オリエンタルランドが「具体的な影響は分からない」と明言している以上、業績に与える影響は一時的だと考えていると思います。むしろ、現在課題になっている「混雑感の緩和」が一番の目標になっているのではないでしょうか。

 

東京ディズニーシーでも、パーク直結型の新ディズニーホテルと、新テーマポートの建設が進められています。滞在型リゾートへの成長、宿泊を伴うゲストの集客、入園者数と売り上げのさらなる増加も、目標に掲げているでしょう。

 

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オリエンタルランドから今後、さらなる開発計画が発表されるのか。香港や上海など、アジアのディズニーパークの動きも含めて、注目していく必要がありそうです。

 

充電ステーションの増設

2018年7月5日、東京ディズニーリゾート公式アプリがリリースされました。これまで海外パークでは公式アプリが提供されており、営業時間やアトラクションの待ち時間、ショーの公演時刻などを確認することができました。舞浜も、やっと海外に追いついたのです。

 

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東京ディズニーリゾートの公式アプリ 

 

また、今年の夏からは、公式アプリからデジタルファストパスも取れるようになる予定です。ショーの抽選やグッズ通販など、今後ますます公式アプリを活用する場面は増えていくでしょう。

 

今回の質疑応答では「スマートフォンの充電が気になるので、パーク内に充電ステーションが欲しい」という意見が出されました。これに対して、経営陣からは「ショップで販売しているバッテリーを購入してほしい」「貴重な意見として対応を検討する」という回答がありました。

 

公式アプリが導入されている、アメリカ・フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドには、ゲストが自由に充電できる場所が用意されています。また、新型のシャトルバスには、USB充電ができる差込口も用意される予定です。

 

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マジックキングダムにある映画『塔の上のラプンツェル』をテーマにしたエリア。トイレに加えて、充電ステーションも用意されている。

 

充電ステーションを設置すると、長時間場所を使うゲストがいたり、セキュリティ上の問題が発生したりする恐れがあります。しかし、花王が提供する「ハンドウォッシングエリア」のように、協賛企業の力を借りれば、導入は十分可能だと思います。このあたりについては、期待したいですね。

 

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シニアキャストの採用

日本は世界でも類を見ないスピードで、少子高齢化が進んでいます。2023年には日本の人口の2人に1人が50歳以上、2030年には3人に1人が65歳以上の高齢者になるという推計も出されています。

 

東京ディズニーリゾートでも、多くのシニアキャストが活躍しています。1983年の東京ディズニーランド開園当時から働く方もいれば、定年退職をきっかけに、アルバイトやパートとして採用された方も多くいます。どの方もエネルギッシュで、私もゲストの一人として、元気をもらうことがあります。

 

今回の総会では「フロリダのディズニーワールドで活躍する、高齢のキャストを見た。会社として雇用方針はどのようにしていくのか」という質問が出されました。

 

これに対して、経営陣からは「現在の雇用の上限は65歳。政府は定年を70歳まで引き上げる方針を示しているので、検討していきたい」「若年層の見本となる高齢のキャストもいる。ゲストの満足度につなげていきたい」という回答がありました。

 

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先ほども触れたとおり、若年層の働き手がどんどん減ってきています。オリエンタルランドも従来の価値観にこだわることなく、幅広い層からの採用を考えていくべきでしょう。シニア層だけではなく、留学生や在留資格をもつ外国人労働者の採用も、今後の課題になっていくと思われます。

 

パークチケットの使用済・未使用

東京ディズニーリゾートの入園ゲートは以前、チケットを挿入して、磁気ストライプを読み込ませる仕組みでした。使用済みのチケットには穴が開くため、未使用のものと区別することができました。しかし、2012年10月からは、チケットのバーコードを、読み取り部分にかざすタイプに切り替わっています。

 

2019年5月から東京ディズニーランドで運用が始まった、顔認証機能付きの入園ゲートでも、チケットのQRコードを読み取り部分にかざすようになっています。

 

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東京ディズニーランドの新型ゲート。年間パス用の顔認証カメラも搭載されている。

 

今回の質疑応答では「パークチケットに穴が開かないので、使用済みか未使用かが分かりづらい」という意見が出されました。これに対して、経営陣からは「入園時に時間がかからなくなり、利便性は向上した」「貴重なご意見として承る」という回答がありました。

 

同様の質問は、2015年の株主総会でも出されていました。バーコードを読み取るタイプに変えたのは、機械の保守点検コストを減らせるだけではなく、チケットの偽造対策や、転売抑止にもつながるからでしょう。ディズニーeチケットやコンビニチケットでも、スムーズに入園できるようになったのは、この新型ゲートが導入されたからでした。

 

以前、個人的にインフォメーションセンターに問い合わせたところ「電話などで使用済みか未使用かをお答えすることはできない」「入園ゲートでかざしていただく以外に、確認の方法はない」という返答でした。今後も同様の意見は出ると思われますが、変更されることはないでしょう。

 

今後の株式分割

オリエンタルランドは外国人投資家からも有望な投資先として評価されており、株価は好調に推移しています。ここ最近は13,000円台を維持しており、購入には130万円以上の自己資金が必要になっています。

 

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個人投資家向けの少額投資非課税制度(NISA)を利用すると、年間120万円まで、株式にかかる売却益と配当が非課税になります。しかし、オリエンタルランドの株式は、この枠を超えてしまうため、NISAの対象にはなりません。

 

このことについて、株主からは「NISAを使って多くの方が株を買えるように、株式分割をしてはどうか」という意見が出されました。これに対して、経営陣からは「分割は経営の安定性確保から、慎重に検討する必要がある」「株主数も増えるためコスト増につながる」という回答がありました。

 

NISA自体は、2023年までの暫定的な制度です。オリエンタルランドとしては、個人株主に長期的に保有してほしいと考えている一方で、これ以上、分割によって株主数を増やしたくないというのが本音でしょう。配当金や株主優待、各種文書の郵送料など、株主管理に関するコストは無視できません。

 

前回の株式分割は2015年4月に実施されました。分割が発表された2月24日の株価(終値)は29,860円でしたので、今後これぐらいのレベルまで株価が上昇しなければ、分割の可能性はないでしょう。

 

前回の株式分割については、こちらをどうぞ。

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舞浜アンフィシアターの活用

ディズニーアンバサダーホテルの隣接地に立つ、舞浜アンフィシアター。もともとは「シルク・ドゥ・ソレイユ」の専用劇場として、2008年10月にオープンしました。しかし、東日本大震災の発生による団体客の減少と、今後の黒字化が困難なことを理由に、2011年12月末で閉鎖。その後、2012年9月に多目的ホール「舞浜アンフィシアター」として再オープンした、という歴史があります。

 

今回の総会では「アンフィシアターを有効活用できていないのではないか」「利用している客層に違和感がある」という意見が出されました。これに対して、経営陣からは「貸しホールとして、一定の基準内で貸し出している」「東京ディズニーリゾートにふさわしい演目かどうかチェックしている」という回答がありました。

 

アンフィシアターは、オリエンタルランドの株主総会や、ディズニー社のファンイベント「D23 EXPO Japan」の会場として使われるなど、東京ディズニーリゾートの施設として活用が進められています。また、ステージをぐるりと囲むように客席が配置されていることや、2,170席という客席数から、企業の発表会やライブイベントの会場としても使われています。

 

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イベントの主催者から見ると、都心から近い、JR舞浜駅から徒歩圏内、駐車場も充実している、待ち時間を潰せる施設が周囲にあるなど、イベント会場としてはかなり優位性が高いと思われます。

 

個人的には、ディズニー以外の集客材料として、日本でも高い人気を誇るシルク・ドゥ・ソレイユを誘致したのは、評価に値すると思います。ただ、東日本大震災の影響で、不採算部門を切り捨てなければいけなかったのは、どうしても辛かったですね。「負の遺産」としてではなく、東京ディズニーリゾートの一角として、積極的な宣伝と利活用を望みたいです。

 

マーベルの導入は「ない」

2009年8月、ディズニー社がマーベルコミックの買収を発表し、エンターテイメント業界や投資家の間に衝撃が走りました。その後、ディズニー社の潤沢な資金力を背景にして、様々なキャラクターの劇場映画がつくられ、ソフト販売やウェブ配信も好調に推移しています。


ディズニーパークでも、マーベルのキャラクターをテーマにした施設の導入が進められています。カリフォルニア・アドベンチャーには2020年、香港ディズニーランドには2023年に、それぞれマーベルをテーマにしたエリアが誕生する予定です。

 

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2019年3月、香港ディズニーランドにオープンした「アントマン&ワスプ:ナノ・バトル!」

 

今回の質疑応答では、株主から「以前の総会で『マーベルの導入予定はない』と言っていたが、あれから人気コンテンツに成長した」「逃した魚は大きかったのではないか」という意見が出されました。これに対して、経営陣からは「マーベルに関するコンテンツの導入予定はない」「ゲストのニーズやほかのコンテンツとのバランスを検討して、導入するかどうか決めている」という回答がありました。

 

本来であれば「現時点で答えられるものはない」「幅広く検討している」という、紋切り型の回答をしても良かったはずです。しかし、あえて「マーベルの導入はない」と明言している以上、舞浜にマーベルを導入しても、集客材料にはならないと考えているからでしょう。

 

東京ディズニーリゾートを訪れるゲストの約70%は女性が占めています。どうしても、小さい女の子や若い女性をターゲットにした集客策が目立ちます。これに対して「少子高齢化が進むのに、従来通りの集客策でいいのか」「シニアや男性もターゲットにするべきでは」という指摘もできます。

 

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(オリエンタルランドの公式ウェブサイト「ゲストプロフィール」から引用)

 

しかし、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーで年間3,000万人台のゲストが押し寄せている現状を考えると、これ以上客層を広げて、混雑緩和に拍車をかけたくない、というのが本音かもしれません。また、仮にマーベル要素を導入しても、どれぐらいの男性がパークを訪れたいと考えるでしょうか。このあたりも、オリエンタルランドはシビアに計算しているでしょう。

 

大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの存在もあるかもしれません。ディズニー社に買収される前、ユニバーサルはマーベルと契約を結び、マーベルキャラクターをテーマパークで使っていました。USJでもスパイダーマンのアトラクションがあるように、この契約自体は残っていると思います。

 

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アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド

 

東京ディズニーリゾートにマーベルコンテンツを導入しても、USJとの差別化が難しいと考えている可能性はあります。また、オリエンタルランドは、ディズニー社とのライセンス契約でパークを運営しています。新たなライセンス料の支払いが増えるため、導入に二の足を踏んでいるかもしれません。ファンにとっては、ちょっと辛い現実ですね。

 

グッズの在庫管理

東京ディズニーリゾートでは、海外のパークと比べて、限定グッズの種類も数も充実しているのが特徴です。オリエンタルランドはディズニー社とのライセンス契約でパークを運営していて、チケット収入だけではなく、グッズ販売も大きな収益の柱になっているからです。

 

ただ、近年はグッズ販売初日に長蛇の列ができ、その日のうち、最悪の場合は午前中には売り切れてしまう、という事態も発生しています。これは、売れ残りを懸念して、生産ロット数を減らしていることに加えて、転売を目的とした買い占めが考えられます。また、SNSでグッズ購入を煽るような投稿も目立ち、そのような動きに拍車がかかっています。

 

質疑応答では株主から「商品がなく発売日しか買えない」「在庫管理についての考えを聞かせてほしい」という質問がありました。これに対して、経営陣からは、以下の回答がありました。

 

  • できるだけ、欠品と過剰在庫を抑制している。
  • 過去の実績などから需要予測をして、発注数を考えている。
  • 早期欠品は、昨年(2018年)後半から増えている。イベントと連動した商品開発ができていること、SNSによって情報が拡散され、需要が高まっていることが原因。
  • 欠品やその兆候があったときは、追加発注ができるようにする。需要予測も見直して、発売前から追加生産や、分割納品の前倒しなどの見直しを行っていく。
  • チケット確認や個数制限、入店規制などの対応も進めたい。

 

今回の質疑応答の中で、一番具体的に細かな対応が出た質問だったかもしれません。オリエンタルランドとしても、欠品で機会損失が起きていることは、問題だと考えているということでしょう。しかし、グッズの不正転売や、公式アプリの通信販売について、一切言及がなかったことは不満が残ります。

 

グッズの早期欠品は、今に始まったことではありません。しかし、年々グッズ争奪戦がひどくなってきている印象があります。今後、不正転売の抑止に加えて、事前にグッズの注文を受け付けたり、公式通販を充実させたりするなど、さらなる対応を望みたいですね。

 

テロ対策

東京ディズニーリゾートでは、イラク戦争に伴うテロへの懸念を受けて、2003年3月から入園者全員を対象に手荷物検査を行っています。開始から16年以上が経ち「ディズニーは入る前にカバンの中身を見せる」というルールも、ゲストの間で浸透しているように感じます。

 

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しかし、海外パークへ行くと、東京以上に手荷物検査が厳しくなっています。手荷物のチャックをすべて開け、場合によっては中身を出して調べられることもあります。また、アメリカのパークでは、持ち物を外して、金属探知機を通るように指示されることもあるくらいです。

 

このことに関連して、質疑応答では「今の手荷物検査は甘すぎるのではないか」「アメリカのパークでは金属探知機があったが、東京での導入予定はないのか」という質問が出ました。これに対して、経営陣からは「東京五輪も控えており、警備強化を検討・準備している」「訓練の強化や機械の導入、防犯カメラの増設、巡回キャストの増員なども検討していく」という回答がありました。

 

2018年8月には、東京ディズニーシーで、入園前のゲストを対象にして金属探知機が導入されました。あくまでもこの日だけの試験的な運用でしたが、オリエンタルランドとしても、ソフトターゲットを狙ったテロ対策を考えている証拠でしょう。

 

 

ただ、朝の混雑する時間帯に、どれだけ検査を強化できるのか、という問題もあります。入園するのに時間がかかれば、顧客満足度の低下にもつながりかねません。最近では、セキュリティキャストも人員が不足しており、十分な警備態勢が取れていないのも事実です。今後の対応が注目されますね。

 

おわりに

今年の株主総会では、今回紹介した質問以外にも、長年オリエンタルランドの経営を率いている、加賀見俊夫CEOに対する批判や、正社員と準社員の賃金格差、2018年11月に報道されたパワーハラスメント問題などに関する質問が出ました。

 

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全体的には、人事や労務管理に関する質問が多かったと思います。やはり最近の人手不足や働き方改革、パワーハラスメントに関する報道が影響しているのかもしれません。

 

オリエンタルランドとしては、人件費などのコスト増につながるため、準社員の時給引き上げには消極的になっています。しかし、このままでは確実に現場は疲弊していくでしょう。「褒め合う」「称え合う」「感謝し合う」といった、気持ちに訴えるやり方だけでは、キャストの士気が向上するとは思えません。このあたりは、今後も改善を望みたいですね。

 

ちなみに、以下は私が個人的に気になっていることをまとめたものです。

  • 消費税の軽減税率
  • グッズの不正転売
  • 東京ベイNKホール跡地に残る地下施設
  • 年間パスポート除外日の影響
  • 南海トラフ巨大地震や大型台風などの自然災害
  • レストランのセルフレジやモバイルオーダーの導入
  • ディズニーリゾートラインの負債圧縮
  • オフィシャルスポンサー(協賛企業)の増加
  • ショッパー(買い物袋)の有料化
  • 最近のキャラクターダイニング縮小・廃止
  • キャラクターやプリンセスなどのグリーティング施設の充実
  • 年間パスポート保有者の購買データ収集
  • バックステージ施設の移転・再整備
  • 新規事業の「1セグメント化」果たしてできるのか?
  • パークチケットへのダイナミックプライシング(価格変動制)導入

 

舞浜地区では、様々な場所から開発の槌音が聞こえてきます。これまで貯めてきたキャッシュフロー(内部留保)を、さらなる集客のために設備投資へ回すオリエンタルランド。舞浜新聞では、今後も東京ディズニーリゾートの変化と発展を見続けていきます。

 

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参考資料

www.tokyodisneyresort.jp

mynavi-ms.jp

dentsu-ho.com

kabumatome.doorblog.jp

*1:一部店舗では、弁当や惣菜の製造を手掛ける「デリシャス・クック」や、デパ地下の惣菜で有名な「ロック・フィールド」などの業者から仕入れたものを、そのまま販売しています。