2023年5月8日、日本政府は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症法上の位置づけについて、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行しました。そのため、当記事は内容の更新を行わず、アーカイブとして保存しています。ご了承ください。
2020年2月28日、オリエンタルランドは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月29日から、東京ディズニーランド・東京ディズニーシー両パークを「臨時休園」にすることを発表しました。
3日間以上の臨時休園は、2011年の東日本大震災以来9年ぶり。感染症の流行を理由としたものとしては、史上初めてでした。
休園当初は「3月16日再開」としていましたが、流行の収束が見通せない中で再開時期をたびたび延長、6月23日にようやく「7月1日再開」を発表しました。1983年の東京ディズニーランド開園以来、ここまで長期間休園したのは初めてのことです。
今回は、オリエンタルランドがどうして臨時休園を決めたのか、そして4か月近くにも及んだ臨時休園が、経営に与える影響について考えていきたいと思います。
目次
- 開催中だったスペシャルプログラムはどうなるの?
- 日付指定のチケットは?ホテル・レストラン予約はどうなるの?
- 年間パスポート保有者への補償はどうなるの?
- どんな流れで臨時休園が決まったの?
- 休園による影響はどれぐらい?
- 再開後のパークはどう変わってるの?
- 海外のディズニーパークはどうだったの?
- 正しい知識で、新型コロナウイルスを予防!
- 参考リンク
開催中だったスペシャルプログラムはどうなるの?
1月10日から3月19日まで、東京ディズニーランドでは「ベリー・ベリー・ミニー!」、東京ディズニーシーでは「ピクサー・プレイタイム」の開催が予定されていました。
しかし、今回の臨時休園によって、2つのスペシャルプログラムは、休園明けからの再開などは行わず、そのまま終了となります。なお、シーの「ダッフィー&フレンズのハートウォーミング・デイズ」を含めた、関連グッズ・スーベニア付きフードメニューについては、休園明けからの販売が行われました。
なお、3月25日に終演予定だった、シーの「ファンタズミック!」、および3月31日終了予定だったランドの「リロのルアウ&ファン」「ジャングリズム」「ロボ・アストロ」も延長は行われません。
新型コロナウイルスの流行に伴って、1月31日から臨時休止となっていた、シーの「アリエルのグリーティンググロット」に関しても、当初の予定通り、3月31日でのクローズとなります。
【アリエルのグロット休止】
— Disney Colors - クロロ (@DisneyColorsJp) 2020年1月31日
3月31日でクローズとなるTDS《アリエルのグリーティンググロット》が、急遽本日から休止となっています。https://t.co/GYwcF0FW4h
施設メンテナンスのためと記載され期間は示されていません。
フリーグリでも一部キャラが出ておらず、コロナウイルスの影響と思われます。 pic.twitter.com/D3quHapApB
なお、3月27日から開催予定だった東京ディズニーシーの「ディズニー・イースター」「クッキー・アンのグリーティングドライブ」は中止に。4月15日に開業予定だった東京ディズニーランドの新エリアも、無期限で「延期」となり、4月に予定されていた新エリアのプレビューも、中止されました*1。
日付指定のチケットは?ホテル・レストラン予約はどうなるの?
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、パークチケットやホテルの予約などについて、以下のように発表しています。
パークチケット
対象チケット(2020年6月23日までに購入/未使用分)
- 日付指定券 指定入園日が2020年2月29日以降
- 日付指定券 有効期限 2020年2月29日~2021年4月30日
- オープン券 有効期限 2020年2月29日~2021年4月30日
- キャンパスデーパスポート(2020年1月6日~2020年3月19日*2)
- コーポレートプログラム「サンクス・フェスティバル」パスポート(2020年1月6日~2020年3月19日)
- 有効期限が2021年3月31日までの再来園パスポート 2022年3月31日まで手数料なしで入園可能
- オープン券、キャンパスデーパスポート、コーポレートプログラム「サンクス・フェスティバル」パスポート 2022年3月31日まで手数料なしで入園可能(払い戻しも可能)
- 日付指定券 払い戻し/2022年3月31日まで利用できるチケット(再来園パスポート)に交換
旅行代理店やコンビニで購入した場合は、それぞれの購入場所での受け付けです。ただし、有効期間の一部が使用済みのマルチデーパスポートや、名刺サイズのチケットは、公式ウェブサイトの専用フォームで受け付けしています。
株主優待(株主用パスポート)は入園者数の制限が続いていることから、一部のチケットを対象に有効期限の延長措置が行われています。ただし、2022年1月末以降の延長は行わないことも発表されています。
休園に伴って、3月11日から6月24日まで、日付指定のあるチケットの販売と、オンラインでのチケット変更は中止。日付指定のないチケットや、年間パスポートのオンライン販売も、4月3日から販売中止となりました*3。
なお、オープン券や株主用パスポートは自由に使えない状況が続いていることから、2020年12月入園分から、抽選による入園制度が導入されています。1か月に一度、最大で10日分まで登録することができます。
各種チケット・利用券
企業・団体向けの福利厚生として提供されている「コーポレートプログラム」のうち、チケット購入に使える利用券は、期限の延長などは行われません。
レストランで使える「フードバウチャー」、1月9日から期間限定で販売された「ベリー・ベリー・ミニー!」スペシャルフードバウチャー、ポップコーン引換券については、2022年3月31日まで期限が延長されます。
バケーションパッケージ
- 2月28日時点で来園中だった場合 29日以降の部分が払い戻し
- 2月29日~6月29日が旅行開始日 すべて自動キャンセル
- 6月30日~ 一部内容を変更して催行
- ~8月31日が旅行開始日 キャンセル料免除(手続きが必要)
自動キャンセルになった場合、パークチケットやショー鑑賞券などが入った「パッケージキット」は、すべて無効となり、後日使うことはできません。3月11日からは新規の予約受け付けが中止されました。
ショーレストラン、ビビディ・バビディ・ブティック、ガイドツアー
休園期間中の予約はすべてキャンセルとなります。予約金などは、事前決済で使ったクレジットカードに返金されます。3月11日からは新規の予約受け付けが中止されました。
ディズニーホテル
4月1日から、婚礼や宴会、レストランを含めて全館休館となっていましたが、6月30日から再開しています*4。なお、セレブレーションホテルは、宿泊日程によってウィッシュ棟のみ受付している場合もあります。
ファンダフル・ディズニー
東京ディズニーリゾートの公式ファンクラブである「ファンダフル・ディズニー」は、パークの臨時休園に伴い、3月中に発送予定だった会員報(62号)の休刊を発表しています。当初は6月中旬に臨時号を発行して、3月~5月に有効期限を迎えた会員にも発送する予定でしたが、最終的には9月中旬の発送になりました。なお、休園に伴う有効期限の延長はありません。
東京ディズニーリゾート・オフィシャルホテル
- 東京ベイ舞浜ホテル ファーストリゾート 4月1日から休館 6月30日から再開
- シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル 4月28日から休館 6月30日から再開
- ヒルトン東京ベイ 4月30日から休館 6月30日から再開
- ホテルオークラ東京ベイ 4月8日から休館 6月22日から再開
- グランドニッコー東京ベイ 舞浜*5 7月1日開業
- 東京ベイ舞浜ホテル 4月1日から休館 6月1日から再開
リゾート内のそのほかの施設
- イクスピアリ 2月29日から休業、6月1日から全館営業を再開*6
- ボン・ヴォヤージュ 2月29日から休業 6月25日から再開
- 提携ホテル内にある公式ショップ「ディズニーファンタジー」2月29日から休業 7月1日から順次再開
- ディズニーリゾートライン 休園中は本数を減らして運行*7 6月30日から通常通り運行
- 舞浜アンフィシアター 各興行主の判断
問い合わせ先
チケットの払い戻しなどについては、2月29日に開設された「特別相談窓口(受付時間 午前9時~午後5時)」で受け付けています。
- チケットについて TEL:0120-131-676
- バケーションパッケージについて TEL:0120-282-161
※新型コロナウイルスの流行に伴って、電話による問い合わせ窓口は休止しています。メールによる問い合わせフォームを利用してください。
年間パスポート保有者への補償はどうなるの?
年間パスポートについては、引換券・受取券を含めて、有効期限を延長することが発表されました*8。
2011年の東日本大震災では、浦安市内でも液状化などの甚大な被害が出たほか、電力供給への不安、原発事故による放射線の懸念などもあり、東京ディズニーランドでは35日間、東京ディズニーシーでは48日間の臨時休園の措置が取られました。
その後、年間パスポート保有者にはハガキが郵送され、休園日数分を自動的に有効期限に上乗せする措置が取られました。ランド、シーそれぞれ単独パスは休園日数分、2パーク共通パスは、シー休園の48日間が延長されました。また、休園期間中に期限を迎えた保有者に対しては、パーク再開日から日数分延長して使えることとしました。
震災で休園した時に年パス所持者に送られた、年パス有効期限の延長についての案内ハガキ pic.twitter.com/lx7VwspG7E
— りりー (@Dream_GoesOn) 2020年3月10日
この臨時休園への対応後、オリエンタルランドは年間パスポートに関する規約を変更。大規模災害や、インフラの機能障害が原因となる休園の場合は「補償や払い戻しをしない」との規定が追加されました。
年間パスポートの発行時に渡される規約文書
今回の臨時休園でも「規約にあるから延長はないのでは?」「自主的な休園だから、延長はあるはず」といった、様々な意見があがっていました。日本経済新聞の報道によると、2018年2月時点で、年間パスポート保有者は約10万人とされています。これだけ数が膨れ上がっている今、1か月以上も有効期間を延長すれば、単純計算で数億円規模の損失につながるはずです。
それでもオリエンタルランドが「有効期限の延長」を打ち出したのは、使用不可日(除外日)の導入に加えて、休園による補償も一切なかった場合、年間パスポート保有者の怒りが暴発するのでは、という危機感があったからかもしれません。
使用不可日(除外日)の導入については、こちらをどうぞ。
パーク再開に伴って、オリエンタルランドからは以下の対応が発表されました。
当初は「有効期間の延長もしくは払い戻し」とされていましたが、10月22日に「有効期間に応じて、一律払い戻し」とすることが発表されました。対象となるのは、有効期限が2020年2月29日以降の年間パスポート保有者、もしくは引換券購入者で、2月29日以降の残りの有効期間に応じた払い戻しとなります。
オリエンタルランドとしては、入園者数が予想しにくいオープン券や年間パスポートの利用者を、できるだけ抑えたいという意図があるのでしょう。現金による払い戻しは、財務的にもかなり厳しいと思われますが、そのぶん一般客へパークチケットが販売できれば、コストを回収できるという見立てもあるのかもしれません。
どんな流れで臨時休園が決まったの?
それでは、オリエンタルランドが臨時休園を決定するまでに、どのような経緯があったのでしょうか。時系列で見ていくことにしましょう。
- 2020年1月16日 日本国内で初めて感染者を確認
- 28日 OLC キャストにマスク着用を許可
- 2月25日 政府の対策基本方針が決定
- 26日 安倍首相「今後2週間の大規模イベント自粛」要請
- 27日 安倍首相「全国の小・中・高の休校要請」発表
- 28日 OLC両パークの臨時休園を発表
- 29日 感染症に伴う史上初めての臨時休園に→当初は3月16日再開予定
- 3月10日 安倍首相「今後10日間のイベント自粛継続」要請
- 11日 OLC両パークの臨時休園延長・新エリア開業延期を発表
- 14日 改正新型インフルエンザ対策特措法が施行
- 24日 東京五輪・パラ大会の延期が決定
- 25日 小池都知事 週末の不要不急の外出自粛要請
- 27日 パーク再開「4月20日以降」と発表
- 4月7日 安倍首相 7都府県に「緊急事態宣言」発出
- 9日 パーク再開「5月中旬以降に判断」と発表
- 11日 東京都による休業要請が開始
- 16日 安倍首相「緊急事態宣言」を全47都道府県に拡大
- 5月4日 安倍首相「緊急事態宣言」5月31日までの延長を発表
- 8日 パーク再開「休業要請解除後に判断」と発表
- 14日 緊急事態宣言 39県で解除
- 15日 OLC みずほ銀行などと2,000億円の融資枠設定を締結
- 21日 大阪、京都、兵庫の緊急事態宣言を解除
- 25日 北海道と首都圏(1都3県)の緊急事態宣言を解除
- 26日 公式アプリを使ったグッズ通販を開始
- 6月1日 イクスピアリ全館 営業再開/パーク臨時休園の延長を発表
- 19日 USJ 関西2府4県の在住者を対象に一般営業を再開
- 23日 OLC両パークを7月1日から再開すると発表
- 25日 ボン・ヴォヤージュ 営業再開/7月分のパークチケットをオンライン販売
- 30日 ディズニーホテル 営業再開
- 7月1日 124日ぶりに両パーク営業再開
中国・武漢が発信源とされる新型コロナウイルスは、旧正月の休暇期間である春節と重なり、日本をはじめ多くの国々へと広がりました。1月16日には国内で初めての患者が確認されると、中国人だけではなく日本人同士の感染も確認されるようになりました。
武漢からのチャーター便で帰国した人にも感染が確認されたり、イギリス船籍の客船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客間で感染が広がったりするなど、日本国内でも不安が高まっていきました。
ちょうどその頃、東京ディズニーリゾートでは1月28日から、ランド・シー両パークで働くキャストに対して、就業中のマスク着用が認められました。救護室勤務のキャストを除いて、マスク着用が認められるのは史上初めてのことでした。
当時オリエンタルランドは「新型コロナウイルスへの対応というより、感染症全般の流行を考えて」とコメントしていましたが、上海ディズニーランドは1月25日以降、香港ディズニーランドは26日以降、パークの営業を見送っていたため、東京でも新型コロナを念頭に置いた対応だとみられていました。
すでに市中感染を指摘する専門家もメディアに登場する中、2月16日には、政府の専門家会議が初めて開かれ、25日には「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が決定されました。このときはイベントや商業施設について、一律の休止などの措置は求めずに、個別に対応することとしていました。
しかし、翌26日の安倍首相の発表で空気が変わります。今後1~2週間が感染拡大防止に極めて重要であるとして、全国的なスポーツや文化イベントは、今後2週間「中止・延期・規模縮小」などの対応を取るよう求めたのです。もちろん、これはあくまでも「要請」であって、命令ではありません。中止に伴う政府からの補償なども、一切発表されませんでした。
安倍首相の要請を受けて、EXILEやPerfumeなどのアーティストは、26日夜に予定されていた公演を急きょ中止に。多くのファンからは落胆の声があがりました。この時点で東京ディズニーリゾートに対しても「そろそろ休園するのでは?」といった見方や、「感染拡大を防ぐために休園するべき」といった意見も多くみられるようになりました。
ただ、2月27日のモデルプレスの取材に対して、オリエンタルランドの広報部は「休園について決まっている事実は何もない」と話し、この時点では臨時休園を否定していました。
しかし、再び流れが変わります。それが27日の午後6時すぎに安倍首相から発表された、全国の小学校・中学校・高校などを対象とした「一斉休校」の要請でした。
文部科学省などにも、一切根回しがなかったとされるこの発表。安倍首相は発表の中で「3月2日(月)から春休みまで」と期間を明言していたために、急きょ28日(金)に卒業式を行う学校もありました。教育現場は大混乱、保護者の間にも困惑が広がりました。
あくまでも推測ですが、オリエンタルランドも26日の「イベント自粛要請」を受けて、休園の必要性について協議をしていたと思われます*11。テーマパーク自体は外にひらけていますが、アトラクションやレストランでは近い距離で人が密集するからです。
もし仮にゲストやキャストから感染者が出たら、メディアで大きく報道されるでしょう。そうなれば、東京ディズニーリゾートのブランドイメージが大きく傷つく可能性がありました。仮に営業を再開できたとしても、イメージダウンは免れません。
ただ、26日の時点で、テーマパークで休園を決めていたのは、東京のサンリオピューロランドと大分のハーモニーランドのみ*12。大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンや、民間の動物園・水族館なども、通常通り営業していました。
今回の休校要請の対象になった学校には、全国で1,300万人近くの子どもたちが在籍しています*13。全国規模の一斉休校によって、両親や祖父母など、かなりの数の人たちが影響を受けるのは明らか。「早めの春休みだからディズニーに行こう!」「せっかく学校が休みなら」と考える人が増えても不思議ではありません。
個人的には、今回の臨時休園の決定打になったのは、子どもたちを対象にした「一斉休校要請」だったと思っています。学校が休みになれば、子どもたちやその家族が来園する可能性が高い。パートやアルバイトで働く保護者が休んで、キャストのシフトに穴が開く可能性もある。そうなれば、感染リスクを上げるだけではなく、東京ディズニーリゾート自体が「感染源(クラスター)」となる危険性がありました。
オリエンタルランドが臨時休園を発表した28日の午前11時半以降、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンやレゴランドなど、各地の施設は続々と休園を発表。週明け3月2日からにしなかったのは、休園前の駆け込み入園が増えれば、感染症対策の意味がない、という判断からだったと思います。
もちろん、各地のイベント中止を受けた措置、さらには政府から直接要請があったという可能性も捨てきれません。しかし、結果的に「あのディズニーが臨時休園を決めた」という衝撃は、社会的にもかなり大きかったと思います。
学校を一斉休校にすることに対して、「感染症予防につながらない」「保護者が影響を受けるだけ」という否定的な意見もあります。しかし、仮に学校で感染が広がれば、流行を抑えることは難しくなります。また前代未聞の一斉休校によって、子どもがいない国民の間にも、今の状況がかなり深刻である、と伝わったのではないでしょうか。
2月29日からの休園が始まった当初、オリエンタルランドは3月16日からの再開を目指していました。その後、再び状況が変わります。3月10日に行われた対策本部の会議で、安倍首相から「大規模なイベントの自粛を、今後10日程度継続してほしい」という要請が発表されたのです。
エンターテイメント業界に、再び衝撃が走りました。国内での感染は広がり続け、アジアだけではなく、北米やヨーロッパでも、感染者は急増していました。国内の感染者増加のペースを抑えるためには、イベント自粛の継続が必要だと判断したのでしょう。
オリエンタルランドは、この「10日間程度の延長要請」を受けて、3月11日に
- 臨時休園の期間を「4月上旬」まで延長
- 東京ディズニーランドの新エリア開業を「5月中旬以降」に延期
の2点を発表しました。
オリエンタルランドとしては、慌てて営業を再開させれば、春休み中にゲストが殺到してクラスターになりかねない、という判断もあったかもしれません。もちろん、流行の収束が見えない中で再開させれば、批判が殺到する危険性もありました。そんな状況は、何としても避けたかったはずです。
事前お披露目となるプレビューを中止してまで、新エリア開業を延期させたのは、ウイルスの流行が落ち着いてからゲストを迎えたい、という思いが強く感じられました。もちろん、それはディズニーのブランドイメージを守ることにもつながるからです。
3月27日には「4月上旬」としていた再開日について「4月20日以降」と発表。25日の夜には、東京都の小池百合子知事が記者会見を行い「今は感染爆発の重大局面」「28日・29日の外出自粛を要請」と発表しており、この内容がオリエンタルランドの決定に影響を与えた可能性はあります。
その後、全国的に流行の拡大は続き、東京都でも前日比で感染者数が大きく伸びる事態が続きました。東京都や日本医師会から、安倍首相に対して早期の緊急事態宣言の必要性を訴える声は、強くなっていきました。
4月7日には、ついに5月6日までを期限として「緊急事態宣言」が発出。これを受けて、多くの商業施設は、営業自粛や時短営業を決断しました。オリエンタルランドも4月9日にパークの再開について、時期を明言せず「5月中旬以降に判断」と発表しました。
当初は1都1府5県*14が対象でしたが、全国的な拡大を防ぐために、4月16日に全47都道府県に対象を拡大。7都府県に6つの道府県*15を加えた13都道府県については「特定警戒都道府県」に位置付けられ、重点的に感染拡大防止を進めていくこととしました。
緊急事態宣言を受けて、各地の人出は一気に減少し、人との接触を避ける動きも広まりました。しかし、感染者数の大幅な減少はみられず、医療現場のひっ迫も続いていたことから、5月4日に安倍首相は、全都道府県への緊急事態宣言を、5月31日まで延長することを発表。これを受けて、オリエンタルランドは5月8日に、これまで「5月中旬に判断」としていた再開時期について、「政府・自治体の要請が解かれた段階で判断」と修正し、事実上無期限の休園に入りました。
5月26日から6月24日には、これまで来園履歴のあるゲストしか使えなかった、公式アプリの通信販売を、一般向けに開放しました*16。オリエンタルランドとしては、休園の長期化を見越して、少しでも現金収入が欲しかったのかもしれません。
5月25日には、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)と北海道に出されていた緊急事態宣言が解除に。これを受けて6月1日からは、イクスピアリが全館で営業を再開しましたが、オリエンタルランドはパークの臨時休園を延長することを発表。再開時期については、このときも「休業要請等の段階的な緩和やパーク運営の準備等、社内外の状況が整った段階で判断」としていました。
一方で、5月21日に首都圏よりも先に緊急事態宣言が解除された、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、感染防止策を行ったうえで、以下のように対象者を絞って営業を再開しました。
- 6月8日~14日 大阪府在住の年間パス保有者(事前予約者のみ)
- 6月15日~18日 大阪府在住の年間パス保有者+前売券購入者
- 6月19日~ 関西2府4県在住者
6月23日、ついにオリエンタルランドは、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの営業を7月1日から再開させることを発表。当面の間は、事前に日付指定チケットを購入したゲストに限定して、年間パスポートなども使用できないようにしました。
この対応に対して、「抽選制にはしないの?」「年パスに対して冷たいのでは?」といった声が上がりました。さらにUSJとは違って、地域を絞った営業にしなかったことに対して、「舞浜から地方へ感染を広げるのでは?」といった心配の声も。ただ、この対応は個人情報を把握して、入園者数を絞るためには仕方がなかったのだと思います。また、周辺ホテルへの配慮もあったのでしょう。
6月25日からは、7月分のチケット販売が始まりましたが、アクセスが殺到してつながりにくい状態が続きました。その後、ほぼ全日程でチケットは完売。その後も、パークチケットは手に入りにくい状況が続きました。
オンライン予約サイトのエラー画面。多くのアクセスが集中して混乱する状況は長く続いた。
休園による影響はどれぐらい?
今回の臨時休園は、開始前日に発表されたこともあって、多くのゲストに影響が出ました。パークチケット、レストラン、グッズ、ホテル宿泊など、損失はかなりの金額になると考えられます。もちろん、飲食施設で使用する食材や、食品・菓子などの土産品の廃棄などもあるでしょう。
2011年の東日本大震災では、臨時休園によって、オリエンタルランドの決算に以下のような影響がありました。
2010年度決算
- 災害による特別損失
・休園期間の固定費 53億円
・駐車場修繕などの復旧関連費用、商品の廃棄損など 44億円
2011年度決算
- 災害による特別損失
・シアトリカル事業の減損損失*17 63億円
・休園期間の固定費 36億円
2010年度は3月中の20日間の臨時休園だけで、機会損失(本来であれば得られた利益)が約120億円に達したことが、決算書類から明らかになっています。このときは自粛ムードなどもあって、2011年度の第1四半期(4月~6月)の数字もかなり落としたのですが、その後シー10周年イベントの効果もあって、持ち直しました。
4月23日からの開幕予定だったが、震災で9月4日に延期されたシー10周年イベント
さて、今回の新型コロナウイルスに伴う臨時休園では、どれぐらいの影響があるのでしょうか。
東京ディズニーリゾートでは、1月~3月の第4四半期が、一年の中で一番売り上げが落ち込む時期とされています。この時期は寒さに加えて、インフルエンザなどの感染症も流行しやすいためです。
そこでオリエンタルランドは、35周年イベントの反動減を抑えるために、過去のイベントを振り返るスペシャルプログラム「ベリー・ベリー・ミニー!」を開催して、かつて舞浜に通っていたファンを呼び戻そうとしました。
第4四半期をねらって行われたショー「イッツ・ベリー・ミニー!」多くの古参ファンが足を運んだ。
しかし、結果的にイベントは中止に。外国人ゲストも大幅に減ってしまったことから、機会損失はかなりの金額になると考えられます。また、3月後半の春休み期間は、行楽シーズンということもあって、年間の中でもかなり混みあうはずでした。周辺ホテルにとっても、今回の臨時休園は大きな打撃になっているでしょう。
東京ディズニーリゾートの2018年度の年間入園者数は、3,255万8,000人ですから、単純計算で、1日当たりの入園者数は89,200人。今回は4か月(120日間)休園でしたのでと、失われた入園者数は、約1,070万人に達します。ゲスト一人当たりの客単価が11,815円ですから、売り上げベースで1,260億円以上の機会損失が出ている計算になるのです。
JR舞浜駅や、羽田空港・成田空港と舞浜を結ぶリムジンバス、主要都市と舞浜を結ぶ高速バスなどにも、今回の休園はかなりの痛手となっています。
さらに忘れてはいけないのが、リゾート内で働くキャストの皆さんのことです。東日本大震災に伴う臨時休園では、準社員(アルバイト)のキャストに対して、休業補償として時給の60%が支給されました*18。今回の臨時休園でも、オリエンタルランドから休業補償が行われることが明らかになっています。しかし、それでも金額が下がるのは否めません。
加賀見CEOの発言として「アルバイトに対して6割の給料を補償」との一文がある。
4月16日の日本経済新聞によると、休業補償を従来の6割から1~2割上積みする計画であるとされている。
ちなみに「4か月も臨時休園して、オリエンタルランドは倒産しないの?」と心配する方もいるかもしれません。
決算書類によると、2020年3月期の利益剰余金(内部留保)は6,967億円、営業キャッシュフローは年間1,000億円を超えるレベルになっています。また、2019年12月末時点の現金・預金残高は3,291億円ですので、今すぐ経営危機になる可能性は、非常に低いでしょう。
5月22日、オリエンタルランドが、みずほ銀行*19などの複数の金融機関と2,000億円規模のコミットメントライン(融資枠)を設定したと一部メディアが報じました。これはウイルスの流行が長期化したときに備えて、手元の資金を手厚くしておくためです。旅客数が大幅に減った日本航空ですら、ほかの融資と合わせても、全体で3,000億円規模になっているのと比べると、オリエンタルランドがいかに危機感をもって備えているかがよく分かります。
ただ、現在建設中のシーの新テーマポート「ファンタジースプリングス」やパーク直結型ホテル、さらにはパーク再開後のエンターテイメント・プログラムに、少なからず影響を与えるかもしれません。
駐車場跡地で建設が進む、シーの新テーマポート「ファンタジースプリングス」
再開後のパークはどう変わってるの?
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでは、7月1日以降、入園者数を制限して営業を再開しています。感染拡大防止の観点から、紙のパークマップやトゥデイ(ショースケジュール)の配布は中止に。またレストランでも紙のメニューは廃止され、QRコードで読み取って、スマートフォンなどで閲覧する仕組みになっています。
再開当初は
- 営業時間 午前8時から午後8時
- パークチケット「午前8時から入園(8,200円)」「午前11時から入園(7,300円)」「午後2時から入園(6,300円)」
- 販売は公式ウェブサイトのみ。現地窓口での当日券販売はなし。
となっていました。
その後、JTBの営業所でのチケット販売再開、チケット区分を「午前9時から入園(8,200円)」「午前10時30分から入園(7,700円)」「正午から入園(7,300円)」の3つに再編、年間パスポートやオープン券などを対象にした抽選制度の導入など、感染状況に合わせて細かな変更が行われています。
入園ではキャストがゲスト一人一人を検温、レストランなどを除いて、原則マスクの着用が必須となります。また、キャストも常時マスクを着用しています。パーク内には手指の消毒液が設置され、こまめな消毒が推奨されています。加えて、ショップやレストランではキャッシュレス決済が推奨されています。
2020年7月のパーク再開以降、東京ディズニーリゾートに関する動きは以下の通りです。
2020年
- 7月1日 TDSダッフィーフレンズ「オル・メル」グッズの販売開始
- 9月1日 パーク運営時間を9時〜21時に変更
- 10月1日 TDLパーク内でのアルコール販売を解禁*20、パーク内買い物袋のデザイン変更・有料化
- 10月22日 年間パスポート「一律払い戻し」を発表
- 10月28日 12月から日付指定のないチケットの抽選制度導入を発表
- 10月31日 チケット区分を「午前9時から入園(8,200円)」「午前10時30分から入園(7,700円)」「正午から入園(7,300円)」の3つに再編
- 11月9日 Go Toトラベル「地域共通クーポン」取り扱い開始(紙のみ)
- 12月22日 チケットの変動価格制導入を発表
2021年
- 1月7日 東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県に緊急事態宣言を再発出(~2月7日)
- 1月8日 OLCパーク運営時間を9時~20時に変更/レストラン営業時間を繰り上げ/酒類提供は19時まで*21
- 1月12日 OLCパークの入園者数を制限*22/閉園時刻を19時に繰り上げ(~2月7日)
- 2月2日 緊急事態宣言 10都府県で3月7日まで延長を決定
- 2月13日 OLC開園時刻を10時に繰り下げ/入園者数の上限5,000人を3月7日まで延長
- 2月28日 「ブロードウェイ・ミュージックシアター」キャラクターグリーティング終了
- 3月5日 緊急事態宣言 1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)で3月21日までの延長を決定
- 3月6日 OLC入園者数の上限設定/時短営業の継続を発表
- 3月20日 パークチケット価格変動制を導入、休日は値上げに
- 3月22日 1都3県の緊急事態宣言を解除、OLC入園者数の上限を5,000人から「1万人」へ引き上げ/時短営業は継続(~3月31日)
- 4月1日 OLC入園者数の上限を2万人へ引き上げ。ランドは9時から20時まで、シーは21時までの営業に。駐車料金を1,000円に引き下げ。「ファンタジーランド・フォレストシアター」運営開始。ディズニーホテル向け「アーリーエントリーチケット」販売開始。
- 4月5日 TDL「ハッピーフェア・ウィズ・ ベイマックス」開始
- 4月19日 ランド「ドリーミング・アップ!」公演再開
- 4月20日 浦安市「まん延防止等重点措置」適用地域に指定(~5月11日) OLC両パークの閉園時間を20時に。入園者数の上限を「5,000人」に設定(発売済みチケットは有効)。イクスピアリの営業時間を20時までに。
- 4月25日 4都府県(東京・大阪・兵庫・京都)に緊急事態宣言を発出(5月11日まで)
- 4月28日 OLCパーク内でのアルコールメニューの提供を休止(~5月11日)
- 5月7日 4都府県(東京・大阪・兵庫・京都)に発出した緊急事態宣言の延長を決定(~5月31日)、「まん延防止等重点措置」指定地域は5月31日まで延長
- 5月10日 OLC両パークの営業時間を10時~19時に変更(5月17日~5月31日)、アルコールメニューの休止延長(~5月31日)、ディズニーホテル宿泊者向け「アーリーエントリーチケット」の販売を休止(5月17日~5月31日)
- 5月12日 緊急事態宣言を5月31日まで延長することを決定、愛知・福岡を追加
- 5月28日 東京や大阪など9都道府県の緊急事態宣言 6月20日までの延長、「まん延防止等重点措置」の適用地域(埼玉・千葉・神奈川・岐阜・三重*23)の期限も6月20日までの延長をそれぞれ決定
- 5月29日 OLC両パークの営業時間短縮(10時~19時)・来場者の制限(上限5,000人)を6月20日まで継続することを発表、アルコールメニューの販売休止、ホテル宿泊者向け「アーリーエントリーチケット」の販売休止も継続
- 5月30日 東京ディズニーリゾート・チケットセンター営業終了
- 6月1日 パーク内レストラン メニューの価格一部改定
- 6月7日 TDS20周年イベント「タイム・トゥ・シャイン!」開催発表(2021年9月4日~2022年9月3日)
- 6月17日 千葉県への「まん延防止等重点措置」7月11日までの延長を決定、OLCグループ従業員を対象としたワクチン職域接種の実施を発表
- 6月19日 OLC両パークの営業時間短縮(10時~19時)・来場者の制限(上限5,000人)を7月11日まで継続することを発表、アルコールメニューの販売休止も継続
- 6月20日 9都道府県で緊急事態宣言を解除、東京・大阪など7都道府県は「まん延防止等重点措置」に移行
- 6月21日 公式アプリ「チケットを送る」機能終了
- 6月24日 一部コンビニでのチケット販売を再開(7月12日入園分から)
- 7月2日 東京ディズニーランド「ショーベース」で「クラブマウスビート」公演開始
- 7月5日 OLCワクチンの職域接種を開始*24
- 7月8日 千葉県への「まん延防止等重点措置」8月22日までの延長を決定
- 7月10日 OLC両パークの営業時間短縮(10時~19時)・来場者の制限(上限5,000人)を8月22日まで継続することを発表、アルコールメニューの販売休止も継続
- 7月29日 日本国内の新規感染者が初めて1万人を突破
- 7月30日 東京・沖縄の緊急事態宣言を8月31日まで延長、埼玉・千葉・神奈川・大阪の4府県を追加、「まん延防止等重点措置」北海道・石川・京都・兵庫・福岡の5道府県に適用(8月2日~31日)
- 7月31日 OLC両パークの営業時間短縮(10時~19時)を8月31日まで継続することを発表、アルコールメニューの販売休止も継続
- 8月6日 日本国内の累計感染者数が100万人を突破
- 8月10日 公式ファンクラブ「ファンダフル・ディズニー」リニューアルを発表(2022年2月~(予定))
- 8月13日 日本国内の新規感染者が2万人を突破
- 8月17日 6都府県の緊急事態宣言と6道県の重点措置を9月12日まで延長
- 8月18日 OLC両パークの営業時間短縮(10時~19時)を9月12日まで継続することを発表、アルコールメニューの販売休止も継続、東京ディズニーシーの新規ナイトタイムエンターテイメント「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」の導入予定時期を2022年度へ延期
- 9月9日 東京や大阪など19都道府県の緊急事態宣言を9月30日まで延長
- 9月10日 OLC両パークの営業時間短縮(10時~19時)を9月30日まで継続することを発表、アルコールメニューの販売休止も継続
- 9月24日 OLCパークチケットの料金を改定すると発表(10月1日購入分から)、価格も2区分から4区分に細分化
- 9月30日 OLC両パークの営業時間短縮(10時~19時)を当面継続することを発表
- 10月1日 すべての緊急事態宣言、まん延防止等重点措置を解除 OLC入園者数の上限を5,000人から1万人に引き上げ、アルコールメニューの販売を再開(ホテルなど一部施設)
- 10月11日 パーク内のテーブルサービスレストランで、アルコールメニューの提供を再開
- 10月14日 パーク内の飲食施設で、アルコールメニューの提供を拡大
- 10月21日 OLC今後の運営方針と、入園者数上限の段階的引き上げを発表
- 10月25日 千葉県 飲食店や商業施設への営業時間の制限要請を解除、パーク内でモバイルバッテリーのレンタルサービス開始、「ハロウィーンモーニング・パスポート」朝限定営業を実施(〜10月29日)
- 10月28日 「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル」2022年4月5日の開業を発表
- 11月1日 ランドは午前9時~午後8時、シーは午前9時~午後9時に営業時間を拡大、ディズニーホテル宿泊者向け「アーリーエントリーチケット」の販売を再開、エレクトリカルパレード・ドリームライツの公演を再開
- 11月9日 両パークで期間限定プログラム「ディズニー・クリスマス」開始
- 11月11日 期間限定プログラム「ダッフィーのワンダフル・ヴォヤッジ」2022年1月13日からの開催を発表
- 11月12日 政府の「ワクチン・検査パッケージ」実証実験に合わせたチケットを15日から販売すると発表(11月22日~28日入園分、正午から入園)
- 11月22日 スタンバイパス 一つの施設につき1日1回発行の制限を撤廃
- 11月25日 スペシャルイベント「トータリー・ミニーマウス」を2022年1月18日~3月30日まで開催することを発表
- 12月1日 花火プログラム「ディズニー・ライト・ザ・ナイト」再開
- 12月10日 菓子・食品類の販売店舗を縮小、1商品につき1人3個までの購入制限を設定
- 12月14日 菓子・食品類の販売を、公式アプリでの通販限定に制限(1人1商品につき1個まで)
- 12月22日 2022年1月5日からパークチケットの販売方法を変更することを発表(2か月先の同日分チケットを、毎日午後2時から販売)
2022年
- 1月17日 TDLメインストリート・ハウス前のキャラクターグリーティング再開、パーク内での食品販売を限定的に再開・購入制限を解除
- 1月19日 TDL一部レストランでフレンチフライポテトを含むメニューを販売休止
- 1月20日 OLC両パークの入園者数を「2万人」以下に制限することを発表(~2月13日)、日本国内の累計感染者数が200万人を突破
- 1月21日 東京や千葉など13都県に「まん延防止等重点措置」適用(~2月13日)
- 1月22日 東京都の1日あたりの新規感染者数が1万人を突破
- 2月2日 東京都の1日あたりの新規感染者数が2万人を突破
- 2月5日 日本国内の新規感染者が10万人を突破
- 2月6日 パーク内での食品販売を全面再開
- 2月7日 ボン・ヴォヤージュでの食品販売を再開
- 2月8日 TDL「クラブマウスビート」関係者複数名の感染が確認され公演を休止(11日から再開)
- 2月10日 13都県への「まん延防止等重点措置」を3月6日まで延長
- 2月28日 OLC 3月1日以降の入園者数の上限を見直し、段階的に引き上げることを発表(収容率の50%を超えない範囲内)
- 3月4日 OLC「複数日来園パスポート」発売を発表
- 3月6日 「シアターオーリンズ」キャラクターグリーティング終了
- 3月7日 18都道府県への「まん延防止等重点措置」を3月21日まで延長
- 3月21日 18都道府県への「まん延防止等重点措置」を解除
- 3月30日 「ドックサイドステージ」キャラクターグリーティング終了
- 4月25日 OLC パーク内のソーシャルディスタンスの運用とレストランの利用方法を変更
- 4月27日 OLC TDL「スペース・マウンテン」とその周辺を2027年にリニューアルすることを発表
- 5月16日 東京ディズニーリゾート・ショッピング(アプリ通販)入園履歴がなくても利用が可能に
- 5月19日 有料の優先案内サービス「ディズニー・プレミアアクセス」開始*25
- 6月10日 プレミアアクセスの対象施設にTDS「トイ・ストーリー・マニア!」を追加、「アンコール!ザ・モーメンツ展」特設サイトを公開
- 6月27日 キッズサマーファン!キャンペーン開始(~8月31日)
- 7月4日 新チケット「ウィークナイトパスポート(平日17時以降)」「アーリーイブニングパスポート(休日15時以降)」の発売を発表
- 7月14日 ディズニーホテル宿泊者に「アトラクション利用券」配付開始(~8月31日)
- 7月28日 東京都の1日あたりの新規感染者数が4万人を突破
- 9月8日 TDSダッフィーフレンズ「リーナ・ベル」グッズの販売開始
- 9月15日 TDL「ミッキーのフィルハーマジック」リニューアルオープン
- 10月1日 グリーティング施設でのサイン・握手・ハイタッチが解禁
- 10月8日 両パークで入園時の体温測定を廃止
- 11月11日 TDS新ナイトタイムエンターテイメント「ビリーヴ!〜シー・オブ・ドリームス〜」公演開始
- 12月8日 菓子・食品類の販売店舗を縮小(スタンバイパス対象)、実店舗では1人3商品まで・アプリでは1商品1点までの購入制限を設定(~12月25日まで)
2023年
- 1月17日 一部エンターテイメント・プログラムで、キャラクター同士のディスタンスを緩和
- 1月31日 「プラザパビリオン・バンドスタンド前」グリーティング終了
- 2月14日 一部のグリーティング施設で自動撮影を導入
- 2月28日 「マーメイドラグーンシアター」グリーティング終了
- 3月6日 「ウッドチャック・グリーティングトレイル」デイジー、「ミッキー&フレンズ・グリーティングトレイル」ドナルド グリーティング再開
- 3月13日 パークでのマスク着用基準を変更(原則任意へ)、屋外でのフリーグリーティングにおける握手・ハイタッチが解禁
- 4月9日 TDL「ドリーミング・アップ!」終演
- 4月15日 TDR40周年イベントが開幕、キャラクター同士のディスタンスを全面緩和
- 5月8日 新型コロナ 感染症法上の位置づけを「5類」に移行、TDRテーマパーク利用約款を改訂(事実上の「ハグ」解禁)
2020年7月の営業再開以降、パークでは「エントリー受付」「スタンバイパス」「事前来店予約システム」が導入されています。エントリー受付は、従来の抽選制度と同じです。スタンバイパスは従来のファストパスと似ていますが、あくまでも「並べる時間が指定されている」だけで、待ち時間は発生します*26。なお、混雑状況によって、運用がない場合もあります。
海外のディズニーパークはどうだったの?
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、東京ディズニーリゾートだけではなく、海外にあるディズニーリゾートでも、臨時休園・休業の措置が取られました。
上海ディズニーランド
2020年1月25日から休業していましたが、ショッピングエリアの「ディズニータウン」と、ディズニーランドホテルは3月9日から、パークは5月11日から再開しました*27。事前に前売りチケットを購入したゲストに限られ、年間パスポート保有者でも入場予約が必要となります。また、入場者数も大幅に制限した状態での運営となります。
入場には、上海市が運用している健康QRコード「随申码」の提示を求めることで、感染の恐れがある人や、濃厚接触者の出入りを防いでいます。また、パーク内ではソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を考慮して、待ち列で立ってはいけないエリアを明示したり、ショーの鑑賞エリアが黄色いシールで区切られたりするなど、感染拡大を防止する取り組みも行われています。
ただ、中国国内の感染再拡大によって、パークも対応を余儀なくされています。2021年10月には1人の感染者が来園していたことが判明。31日の夕方に、11月1日と2日の休園が発表されました。31日の午後6時半時点で園内にいた約46,000人に対し、一斉にPCR検査が行われ、結果を待つゲストは深夜まで過ごすという事態になりました。
その後、上海市内でも過去最多の感染者数を記録したことなどを受け、2022年3月21日から臨時休園することを発表。3か月の休園をへて、6月30日から営業を再開したものの、再び10月31日から臨時休園となりました。その後も、11月25日に営業再開→11月29日から臨時休園→12月8日に営業再開と二転三転しており、予断を許さない状況です。
香港ディズニーランド
- 1月26日~ 休園
- 5月19日~21日 キャスト向けの試験的な運営
- 6月18日~ 営業再開
- 香港政府からの休業要請を受けて、7月15日~休園
- 9月25日~ 営業再開 週5日の縮小営業(火曜日・木曜日は休園)
- 11月21日~ 15周年イベントがスタート
- 香港市内での感染拡大を受けて、12月2日~休園
- 2021年2月19日~ 営業再開
- 香港政府の感染症対策を受けて、2022年1月7日〜4月20日 臨時休業
- 2022年4月21日~ 営業再開
米カリフォルニア ディズニーランド
ディズニーランドとカリフォルニア・アドベンチャーは、2020年3月14日から休園に。また、直営ホテルは3月16日から休業、ショッピングエリアのダウンタウン・ディズニーは、3月17日から全店舗で休業となりました。
当初2つのパーク(ディズニーランド、カリフォルニア・アドベンチャー)は7月17日から、直営ホテルは7月23日から再開する予定でしたが、感染者数の急増を受けて、無期限で延期に。ディズニー社とカリフォルニア州が再開を巡って対立するなど、予断を許さない状況が長く続いていました。
その後、ショッピングエリアの「ダウンタウン・ディズニー」は7月9日に再開。その後、カリフォルニア・アドベンチャーの一部エリアも開放されました。
2021年3月18日からは、カリフォルニア・アドベンチャーで有料イベント「A Touch of Disney」が開催に。木曜日〜月曜日の12〜20時まで営業、75ドルで様々な食事が楽しめるというもので、アトラクションの運営はないものの、パークの段階的再開を象徴するイベントとなりました。
4月30日には1年以上の休園をへて、ディズニーランド、カリフォルニア・アドベンチャー両パークが再開しています。再開当初は、カリフォルニア州のガイドラインに基づき、州内在住者のみ入場可能、定員を制限した運営となります。また、入園には事前予約が必要です。6月15日からは、カリフォルニア州外からのゲストも受け入れています。
米フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド
4つのテーマパークと2つのウォーターパークは、3月15日から休園、直営ホテルは3月20日から休業になりました。
ショッピングエリアのディズニー・スプリングスは、全店舗で3月17日から休業していましたが、5月20日から一部店舗で営業を再開、5月27日にはディズニー直営店舗「World of Disney」「D-Luxe Burger」「Marketplace Co-Op.」が再開しています。ゲスト・キャスト双方がマスクを着用、体温チェック(100.4°F/38℃以上のゲストは入場不可)、ソーシャル・ディスタンスや消毒の徹底、といった安全対策が行われています。
テーマパークのうち、マジックキングダムとアニマルキングダムは7月11日、エプコットとハリウッドスタジオは7月15日から再開。事前に予約したゲストのみ入場可能で、マスクの着用が必要になります。発券済みのチケットや年間パスポートを持っている人、ディズニー・バケーション・クラブのメンバーが優先となり、定員に余裕がある場合に限って、新規の入場予約が可能となります。
当面の間は、パレードや花火のショー、キャラクターとの写真撮影、水やミストなどによる演出は行われません。6月22日からは直営ホテルが順次再開しています。
なお、ディズニーワールドの近隣にあるユニバーサル・オーランド・リゾートは、6月5日から再開しています。リゾート内にある4つのゴルフ場は、パーク休園中も休業することなく営業を続けています。
ディズニーランド・パリ
ディズニーランドとウォルト・ディズニー・スタジオは、2020年3月15日から休園していましたが、7月15日から再開。しかし、感染再拡大によるロックダウンに伴い、2020年10月30日から再び休園に。2021年6月17日から、2つのテーマパークとショッピングエリアの「ディズニー・ヴィレッジ」、直営ホテル「ディズニー・ニューポート・ベイ・クラブ」が再開しています。
新アトラクション「カーズ:ルート66・ロード・トリップ」は6月17日から、リニューアル工事が進められていた「ディズニー・ホテル・ニュー ヨーク ジ・アート・オブ・マーベル」は6月21日に開業しました。
アウラニ・ディズニー・リゾート&スパ コオリナ・ハワイ
2020年3月20日からは、レストランやアクティビティなどが休止に、3月24日からは客室も含めて、全館で休業していましたが、11月1日から段階的に営業を再開しています。
正しい知識で、新型コロナウイルスを予防!
メディアを見ていると、新型コロナウイルスの危険性や、日用品の買い占め・転売といった、不安感をあおる報道が目立ちます。特に、コメディアンの志村けんさんや、女優の岡江久美子さんが亡くなったのは、本当に痛ましい出来事でした。やっぱり心配な気持ちが高まりますよね。
新型コロナウイルスは、高齢者や糖尿病などの基礎疾患、喫煙歴がある人だけではなく、若い人でも重症化することがあると言われています。手洗い・うがいに、栄養バランスの取れた食事、十分な休養は、感染予防に効果があるとされています。
不要不急の外出は避けて、できるだけ人が多い場所に近づかないことも大切でしょう。「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での密接した会話」といった、3つの「密」を避けて行動することも重要になります。正しい知識で、命を守る行動を心がけましょう。一人一人の行動が、感染拡大の防止につながるはずです。
参考リンク
*1:オリエンタルランドやオフィシャルスポンサーが企画したプレビューキャンペーンの当選者のうち、「美女と野獣“魔法のものがたり”」「ベイマックスのハッピーライド」「ミニーのスタイルスタジオ」のチケットは、エリア開業後にはファストパスに、ファンタジーランド・フォレストシアターの「ミッキーのマジカルミュージックワールド」のチケットは、ショー当選券と引き換える措置が行われる予定でしたが、最終的にすべて無効となりました。
*2:今回の臨時休園を受けて、2月28日で販売終了となっています。
*3:3月31日までに申し込んだ場合は、値上げ前の現行価格が適用されました。
*4:東京ディズニーセレブレーションホテルのディスカバー棟は、3月5日から休館していましたが、11月13日から営業を再開しました。
*5:リブランド前の「東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート」は4月1日から臨時休館になり、そのまま営業を終了しています。
*6:「舞浜マーメイド歯科」は3月16日から、「成城石井」「MEDI+PLUS」は4月13日から再開しています。
*7:終電時刻は休園開始当初は午後11時30分、その後4月からは午後8時3分となっていました。
*8:2月28日の時点では「3月13日までに対応を発表」としていましたが、その後、3月11日の休園延長と同時に発表されました。
*9:7時~7時45分間までの45分間のみ受け付け。アプリで販売しているすべてのグッズと、スーベニア付きメニューが対象となります。
*10:東京ディズニーランド「チケットブース・イースト」での受付は2021年3月31日まで、東京ディズニーリゾート・チケットセンター、年間パスポート払戻フォーム(オンライン申し込み)での受付は2021年5月30日までとなります。
*11:この時点でキャスト向けの社内イベントは、中止が決まっていました。
*12:このときは、2月22日から3月12日までの臨時休園を決めていました。
*13:学校基本調査-令和元年度結果の概要-:文部科学省から引用。
*14:東京都、大阪府、神奈川県、埼玉県、千葉県、兵庫県、福岡県が対象となりました。
*15:北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府が対象となりました。
*16:月曜日と金曜日以外の週5日間、午前9時から午後7時まで受け付け、一人あたり同一商品3点までの購入となっていました。
*17:2011年12月31日で休演・閉鎖された「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」の劇場施設や、ショー製作費に関する費用です。
*18:労働基準法第26条(休業手当)では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」と規定されています。
*19:オリエンタルランドの副社長を務める片山雄一氏は、みずほ銀行出身です。
*20:10月1日からは「テスト販売」が始まりました。それまでは会員向けの非公開レストラン「クラブ33」のみでしか、アルコールは提供されていませんでした。
*21:イクスピアリの営業時間は、全館で10時~20時に変更、酒類提供は19時までとなりました。ボン・ヴォヤージュの営業時間も1月8日から20時までに、1月12日から19時までに変更となります。
*22:政府が示した「1日上限5,000人」が目安となりますが、すでに発売済みのチケットは人数制限の対象外となります。
*23:群馬・石川・熊本は6月13日まで。
*24:アルバイトやグループ会社も含めた全従業員のうち、接種を希望した約2万人が対象に。10月中に接種を終わらせる計画です。
*25:5月17日から試験運用を開始しました。
*26:終日スタンバイパスのみの場合は、一日で複数回利用することは難しくなります。
*27:トイ・ストーリー・ホテルは、6月8日から再開しています。