舞浜新聞では、東京ディズニーリゾートをはじめ、ディズニーに関する記事をたくさん執筆してきました。実はそれらの記事は、10年以上をかけて集めた資料が元になっているのです。今回はディズニーの世界を知る手がかりとして、皆さんにおすすめの本を紹介していきます。
目次
- 東京ディズニーリゾートの攻略方法なら
- すべてはここから始まった
- ディズニーランド研究の原点
- ディズニーランドの「ストーリー性」
- 海外パークについて知りたいなら
- ディズニーの生き字引
- 経営論としてのディズニー
- 経済学としてのディズニー
- 企業会計としてのディズニー
- ディズニーの顧客満足度の秘密
- 東京ディズニーランド誘致について知るには
- ミッキーマウスは「着ぐるみ」?
- USJの舞台裏を知りたいなら
- おわりに
- 今後追加予定
東京ディズニーリゾートの攻略方法なら
書店へ行くと、有名なディズニーブロガーさんの攻略本が、たくさん並べられています。トリビアや裏ワザなども載っていて面白いとは思うのですが、一部情報が古くなっていることも…。個人的には、講談社から出ている公式ガイドブックが一番質が高く、ほぼ毎年更新されていますので、安心して読めると思っています。
すべてはここから始まった
稀代のクリエイターとして数々のキャラクターを生み出してきたウォルト・ディズニー。そんな彼の伝記はいくつか出版されているのですが、舞浜新聞ではこの一冊をおすすめします。英語版は今でも、米国のディズニーパークで売られているほど、有名な本です。
日本語版の初版は1995年に出ていますが、2010年に完全復刻版として再版されています。この一冊で、ウォルトについては最低限押さえることができると思います。ちょっとページ数は多いのですが、チャレンジする価値はありますよ。
「文字が多い本は苦手」「子どもにもおすすめできる本は?」という方には、こちらのマンガをおすすめします。どちらも、アメリカのディズニー社が監修していて、内容は折り紙付き。絵で見て理解できますので、小学生の子でも読めると思います。
ディズニーランド研究の原点
「ディズニーランドについてとにかく知りたい!」という方には、比較文化学の立場から書かれた、この一冊をおすすめします。
初版は1990年、ちょうどディズニーランド・パリのオープン直前にまとめられました。ちょっと古いのですが、それを感じさせない内容になっています。ディズニーランドについて、違った目線から観察することができると思います。ちなみに、私はこの本と出会ったことで、ディズニーパークについて研究するようになりました。
ディズニーランドの「ストーリー性」
前述の『ディズニーランドという聖地』が学術的な立場から書かれているのに対して、こちらの本はディズニーランドに秘められた「ストーリー」について解説しています。
「難しい本を読むのはどうも苦手…」という方には、こちらをおすすめします。著者はディズニー関連の著書が多い有馬哲夫さん。ウォルトとディズニーランドの関係について、分かりやすくまとめられています。
海外パークについて知りたいなら
有馬哲夫さんが書かれた本で、もう一冊おすすめなのがこちらです。東京以外にも世界には4つのディズニーパークがあります。そんな海外のパークについて、歴史や背景について分かりやすくまとめられています。
文庫本で値段も手ごろですので、ディズニーランドの歴史について知りたいという方にはおすすめです。もちろん、東京ディズニーリゾートについても触れられていますよ。
ディズニーの生き字引

ディズニー 夢の王国をつくる: 夢は実現する――世界のディズニーパークはいかに創られてきたか
- 作者: マーティスクラー,Marty Sklar,矢羽野薫
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/08/26
- メディア: 単行本
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ウォルトのもとで働き、数々のディズニーパーク建設に携わったマーティ・スクラーさんの自伝です。389ページというかなりのボリュームなのですが、ディズニーの裏側が克明に書かれていますので、あっという間に読み終わりました。
私がこの本の中で一番驚きだったのが、東京ディズニーランドの開園前予測で、すでに「年間1,700万人」の入園が見込めるという数字が出ていたということです。ディズニーとしては進出前から、日本での成功は見えていたのかもしれません。
経営論としてのディズニー
初版は1997年に発行されたのですが、2014年に新装版として新たに再版されました。フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドを訪れた5人が、経営の視点からディズニーについて学んでいく、という小説タッチになっています。
ディズニーパークがいかにして、顧客の心をつかんでいるのか。ビジネスパーソンが、それをどのように自社へ生かせばいいのか。ビジネス本として分かりやすくまとめられていると思います。ディズニーを経営の視点から見るのにおすすめの一冊です。
経済学としてのディズニー
『7つの法則』が経営論の本であるのに対して、こちらは経済学の立場からディズニーパークについてまとめられています。
著者は経済学の立場からディズニーを分析している、粟田房穂さん。この本以外にも、これまで多くの著作を世に出しています。この本が一番新しいということで、ここでは紹介しました。
東京ディズニーリゾートの最新情報をもとにしながら、経済学の立場で分析しています。「どうしてディズニーは儲かっているのか」単純に気になる方にはおすすめですね。
企業会計としてのディズニー
東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランドの会計書類から、その裏側を詳しく分析している一冊です。小説タッチになっていますので、とても読みやすいのが特徴的ですね。
内容ごとに分かりやすくまとめられていますし、ディズニー社へのロイヤリティーや、オリエンタルランドの株価の適正水準など、目からうろこの話がたくさん載っています。「数字が苦手」という方にもおすすめです。
ディズニーの顧客満足度の秘密
オリエンタルランドで長年、マーケティングに携わった渡邊喜一郎さんがまとめた一冊です。東京ディズニーランドの開園前から現在に至るまで、ディズニーとオリエンタルランドがどんなマーケティングを行ったのかが、詳しく解説されています。
ただ情報が古いのが難点でしょうか。当時のことを知る手がかりとしては、とても勉強になる一冊ですね。
東京ディズニーランド誘致について知るには

海を超える想像力―東京ディズニーリゾート誕生の物語 (ディズニーストーリーブック)
- 作者: 加賀見俊夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/03/24
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 12回
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まずはこの一冊。オリエンタルランドで長年経営に携わり、今でもCEOとしてトップに君臨している加賀見俊夫さんがまとめた本です。
オリエンタルランドの誕生から、東京へのディズニーランド誘致、そして東京ディズニーリゾートの誕生までについて、一人の社員の立場から細かくまとめられています。東京ディズニーリゾートの歴史を知るためには、欠かせない一冊だと思います。
こちらは文庫本なのですが、東京ディズニーランド誕生までの紆余曲折について、男たちのドラマに視点を当ててまとめられた一冊です。舞浜にディズニーパークがあることが、いかに奇跡的なことなのか。この一冊を読めば、数多くのドラマを経て、舞浜につくられたことがよく分かると思います。

ディズニーランドが日本に来た! 「エンタメ」の夜明け (講談社+α文庫)
- 作者: 馬場康夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/07/23
- メディア: 文庫
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こちらも東京ディズニーランド誕生の裏側について、まとめられた一冊です。分量は『東京ディズニーランドをつくった男たち』と比べると、それほど多くはないので、さくっと読めると思います。
分量は少ないのですが、中身は新しく知ることばかりでした。特に東京ディズニーランドのスポンサー契約について、資生堂やサントリーが断ったという話は、なんとも興味深かったですね。
こちらは東京ディズニーリゾートに対して、少し批判的にまとめられた一冊です。あまりほかの本が取り上げないような、オリエンタルランドの暗い側面について、丁寧な取材でまとめられています。
ミッキーマウスは「着ぐるみ」?
この一冊は松岡圭祐さんが書いた小説です。ディズニーランドを舞台に展開される、一人の若者の成長物語といったところでしょうか。バックステージも色々と描かれていますが、小説であるため実際のものとは少し変えてあります。
一応、架空の「オリエンタルワールド」という会社も登場します。ディズニーランドの裏側をエンターテイメントとして楽しみたい、という方にはおすすめします。ただし、夢と魔法は壊れてしまうかもしれませんが…。
USJの舞台裏を知りたいなら

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫)
- 作者: 森岡毅
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/04/23
- メディア: 文庫
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東の東京ディズニーリゾートに対して、西にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンがライバルとして君臨しています。2001年の開業以来、苦戦が続いていましたが、今ではV字回復を果たしました。そんなUSJ復活の立役者が書いたのが、この一冊です。
マーケティングのプロとしてUSJに招かれた森岡毅さんが、いかにUSJを立て直したのか。そして、ハリー・ポッターをどのように誘致したのか、などについて詳しく語られています。「舞浜も気になるけど、USJについても知りたい!」という方にはおすすめです。
おわりに
一言で「ディズニー関連本」といっても、多種多様の本や雑誌が世の中に出回っています。
舞浜新聞では、多くのディズニー関連資料を集めてきましたが、これまで語られなかった新しい事実が明らかになったり、同じ題材でも切り口が違ったりと、常に新しい発見があります。
絶版になった資料はアマゾンのマーケットプレイスを通じて購入したり、国立国会図書館を利用したりしています。アマゾンの場合は、タイトルから新書と中古、どちらも買えるので便利ですね。
東京ディズニーリゾートから路線バスで行ける、浦安市立中央図書館もよく利用します。ここは地域資料として、ディズニー関連の本や雑誌が集められています。
新書の場合はアマゾンで買うこともありますが、実際に見て買いたいときには、イクスピアリの中にある丸善をよく利用します。ここはディズニー関連だけではなく、洋書も充実していますので、パーク帰りによく寄っています。
ディズニーの世界は本当に奥深く、常に学び続けなければいけないと痛感しています。読者の皆さんもぜひ、簡単な本からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
本記事は2015年2月28日に公開したものを加筆・修正しています。