銀行にお金を預けていても、ほとんど利子がつかないのが当たり前になりましたね。コンビニのATMでお金をおろしたら、そんな利子も手数料でなくなっちゃう…なんてことも。「投資はしてみたいけど、なんだか怖い」そう考えている人は多いと思います。
そんなあなたに、1万円から始められる投資があるんです。それは、「アメリカのディズニー社の株を買う」というもの。今回は難しそうで、実は簡単な「ウォルト・ディズニー・カンパニー」の株の買い方をご紹介します。
目次
言わずと知れた、アメリカを代表する大企業
ウォルト・ディズニー・カンパニーは、1923年10月16日に、ウォルト・ディズニーと彼の兄であるロイ・O・ディズニーによって設立されました。当時はアニメーションスタジオだけでしたが、今では実写映画、テーマパーク、放送局、動画配信サービスなどを取り扱う、総合メディア企業となっています。
グループ企業には、アメリカ3大民放ネットワークのひとつであるABC、スポーツ専門放送局ESPN、20世紀スタジオ、ピクサー、ルーカスフィルム、マーベル、動画配信サービスのHulu*1など、一度は聞いたことのある名前がずらり。
そんな言わずと知れた、大企業のディズニー社ですが、ニューヨーク証券取引所に上場しており、私たちもディズニー社の株を買うことができるのです。
アメリカの株価指数として「ダウ平均株価」というものがあります。実はこれ、わずか30社の企業しか選ばれていません。銘柄は時代によって入れ替えられていくのですが、ディズニー社は1991年5月から30年近く入っています。
日本の証券会社で買う方法
「株って難しいんでしょ?」「たくさんお金が必要なんでしょ?」なんて思う方も多いかもしれません。一般的に私たちが売り買いできるのは、東京証券取引所などに上場している、大きな企業の株式だけです。いわゆる「非上場」の企業の株は、基本的に売り買いできません。
ディズニーと聞いて、一番イメージしやすいのは、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドだと思います。こちらの株も買うことができるのですが、最低売買単位は「100株」から。つまり、手元には株価の100倍のお金を準備しなければいけません。
オリエンタルランドの株については、こちらをどうぞ。
日本の証券市場では、基本的に100株単位での売買となります*2。それに対して、アメリカの証券市場では、1株単位から売買することができます。ディズニー社の株価は、ここ数年100ドル前後で推移していますので、手数料も入れると1万円から買うことができるのです。
ディズニー社の株は、「外国株取引口座」の取り扱いがある、日本の証券会社で買うことができます。大和証券や野村證券などの大手証券会社でもいいのですが、どうしても手数料は高め。最近では手数料が安い、ネット専業の証券会社も増えてきました。
取引手数料や取り扱っている銘柄数、購入用資金の出し入れがしやすい、といったポイントを考えながら、証券会社を選びましょう。あとは、銀行と同じように、口座を開設すれば、株の売買ができるようになります。
ディズニー社の株は「安いときに買って、高いときに売る」という、投機的な売買には適していません。どちらかというと、長期保有で配当金をもらう、という方におすすめです。ディズニー社では、1月と12月の年2回支払われます。
アメリカでは「企業は株主のもの」という思想が強く、経営に必要なお金を出している株主を、最大限尊重しています。ディズニー社を応援するという気持ちで、株を買ってみるのもいいですね。
なお、株の売買には注意点があります。一つは「元本保証がないこと」銀行の預金とは違って、最初に投資した金額よりも、値下がりしてしまうリスクがあります。また、仮にディズニー社が経営危機になった場合は、株式が紙くず同然になってしまうことも…。もう一つは「為替リスクがあること」どんなに株価が上がっても、円が高くなってドルが安くなると、相対的に株の価値は下がります。
また、日本の証券会社で米国株を買うと、自分の名義ではなく、証券会社の名義になります*3。配当金は支払われますが、ディズニー社から文書が届いたり、株主総会に出席したりすることはできません。
アメリカの証券会社で買う方法
配当金をもらうだけなら、日本の証券会社を通じて売買すれば十分だと思います。実は日本国内に住んでいても、アメリカの証券会社の口座を開いて、ディズニー社の株を買う方法もあります。
アメリカの証券会社で買うと、日本の証券会社とは違って、自分の名義に登録することができます。また、一定期日を越えて保有していると、権利が確定され、株主総会にも出席することができるのです。
ディズニー社の株主総会は、毎年3月に開かれています。経営幹部から直接プレゼンテーションが行われるだけではなく、株主との質疑応答や、現在進行中のプロジェクトについての説明があるなど、ここでしか聞けない情報がたくさんあります。さらに、ミッキーマウスとのキャラクターグリーティングまで!ディズニーを愛する方なら、ぜひ一度は参加したいと思うはずです。
2017年の株主総会で行われた、ミッキーマウスとのキャラクターグリーティング
2018年の株主総会で配られた、ミッキー誕生90周年記念のトートバッグとピンバッチ
私が取引しているのは、ニューヨークに本社を置く「ファーストレード証券」です。ここは、日本国内に住所があっても口座が開設でき、取引手数料はほとんど無料になっています。
ただ、アメリカの証券会社での取引は、日本の証券会社での取引よりも、少し面倒なことが多いです。
- 確定申告が大変(特定口座やNISA口座などは使えない)
- 海外送金で手数料がかかる
- 資金を引き出すのに手間がかかる
- トラブルがあったときは、英語でやり取りしなくてはいけない
国内の証券会社の場合は、「特定口座の源泉徴収あり」を選択すれば、面倒な確定申告は不要になります。NISA(少額投資非課税制度)口座であれば、一定額までは非課税。しかし、アメリカの証券会社の場合は、取引履歴を確認して、自分で収益を計算しなければいけません。
また、証券口座への入金も大変です。ファーストレード証券の場合は、日本の銀行口座から購入用資金を送ることができますが、大手銀行の場合、1回あたり3,000円~5,000円も手数料が取られてしまいます。最近では資金洗浄(マネーロンダリング)対策のために、規制がかなり厳しくなっており、送金先の登録や、着金にも時間がかかります。
最後は「英語力」の問題ですね。取引画面はすべて英語ですので、きちんと調べて確認する必要があります。もちろん、何かトラブルがあったときも、英語でのやり取りが求められます。
これだけ大変なポイントがありますが、それでも「ディズニー社に投資したい」「アメリカの証券会社で取引したい」という方は、ぜひチャレンジしてみてください。
パークだけがディズニーじゃない!
ウォルト・ディズニー・カンパニーは、大型の企業買収を何件も手掛け、多くのコンテンツを抱えています。この豊富なコンテンツは、今後の映画製作だけではなく、動画配信サービスやテーマパーク事業、物販事業などでも、かなりの強みになるでしょう。
株券の代わりに有料で販売されている「株主証明書」米国在住の株主のみ購入できる。
ここ数年は株価の上昇傾向も収まり、100ドル近辺で推移しています。しかし、決算の数字を読み解いていくと、着実な成長が今後も期待できます。ぜひ、パークだけではないディズニー社についても、視野を広げていってください。
- 本記事に掲載されている事項は、投資に関する情報の提供を目的に作成・編集されたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。
- 最終的な投資決定は、ご自身の判断でなさるようにお願いします。