舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



東京ディズニーリゾートの建物の高さの秘密を探る

東京ディズニーリゾートには様々な建物が建てられています。代表的なのはランドのシンデレラ城や、シーのタワー・オブ・テラーですね。

 

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東京ディズニーシーの「タワー・オブ・テラー」©Disney

 

実はこれらの建物の高さには秘密が隠されています。今回は普段はあまり感じない「高さ」について見ていきましょう。

 

東京のシンデレラ城の高さは?

東京のシンデレラ城の高さは約51mになっています。実はアメリカ・フロリダのマジックキングダムにあるシンデレラ城の高さは189フィート(約58m)になっており、東京のほうがちょっと低くなっています。

 

マジックキングダムは、東京の山手線の内側面積の約2倍近くという、広大な敷地面積を持つウォルト・ディズニー・ワールドの中に立っています。

 

そんな広大なディズニーワールドでも、遠くからシンデレラ城が見えるようにこの高さになっているのだと思われます。

 

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マジックキングダムのシンデレラ城 ©Disney

 

東京のシンデレラ城とフロリダのシンデレラ城、どちらも上に行くにしたがって、高さが低く造られています。これは「強化遠近法」と呼ばれるもので、実際よりも建物の高さを高く感じるようにしているためです。

 

東京のシンデレラ城の高さがフロリダのものより低くなっているのは、おそらくパークのほかの建物とのバランスを考えてのことでしょう。

 

あまりにもシンデレラ城を高くしてしまうと、ほかの建物の高さも高くしなければいけませんし、外からも見えやすくなってしまいます。全体のバランスを考えて「51m」に決められたのではないでしょうか。

 

東京ディズニーシーの中央にあるプロメテウス火山の高さも、シンデレラ城と同じく「51m」ランドからプロメテウス火山は見えないようになっていますし、シーからもシンデレラ城が見えないように配慮されています*1。このあたりも、高さのバランスを考えて、造られているのかもしれません。

 

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東京ディズニーシーの「プロメテウス火山」©Disney

 

高さは「航空法」で決めたの? 

実はウェブで調べていくと、こんなことを書いている記事をよく見つけます。

 

シンデレラ城の高さは航空法で決められた。当時は51mよりも高い建物には、航空機から見えるように「航空障害灯」をつけたり、赤白に塗ったりしなければいけなかったから。

 

鉄塔や高層ビルを見ると、てっぺんに赤く点滅するライトがつけられているのを見たことがあるのではないでしょうか。

 

あれは「航空障害灯」といって、飛行している航空機が建物の存在を分かるようにつけられています。もしぶつかってしまったら大変ですからね。

 

そんな航空障害灯が法制化されたのは1960年のこと*2。このとき、高さ60m以上の建物に航空障害灯や昼間障害標識*3の設置が義務化されました。東京タワーが目立つように塗られているのはこのためです*4

 

シンデレラ城にもし、赤く点滅するライトがつけられていたら、夢や魔法も台無しですよね。東京ディズニーランドが開園したのは1983年ですので「当時の航空法ギリギリの高さで造った」というのは間違いです。しかし、60mを超えないように考慮したのではないかと思われます。

 

東京ディズニーリゾートで一番の高さを誇るのが「タワー・オブ・テラー」こちらの高さは約59mで、航空法の規定ギリギリに合わせています。ここはパークの端にありますし、ランドからは見えないので、これだけの高さにできたのでしょうね。ちなみに、ライドの最高到達点は約38mになっています。

 

ちなみに、米国では「早期のあるいは特別な警告が必要なビル、橋梁等の大規模構造物」「高さ45mを超える鉄塔、煙突」などに航空障害灯の設置を義務付けています。ただし、ライトアップによって代替することも認められています。

 

東京ディズニーリゾートと羽田空港の関係

東京ディズニーリゾートの建物の高さと深く関係している「航空法」これ以外にも東京ディズニーリゾートと飛行機が関係しているものがあります。それは「羽田空港」です。

 

東京ディズニーリゾートの上空は羽田空港の「制限表面」と呼ばれる空域が設定されています。これは航空機が安全に空港を利用できるようにするためで、空港周辺の建物の高さを制限しています。

 

東京ディズニーリゾートの上空の場合は制限表面のうち、「円錐表面」に指定されており、約200m以上の建物を建てることはできません。ただ、浦安市の都市計画などで、建てられる建物の高さは制限されているため、東京ディズニーリゾートにそのような高層建築物が建つ可能性は非常に低いでしょう。

 

参考資料

*1:ただし、まったく見えないわけではありません。パークの中でも高い場所からだと、それぞれ見えてしまうことがあります。

*2:航空障害灯は航空法施行規則でも規定されています。

*3:煙突・鉄塔・骨組構造などの構造物や、航空機の飛行の安全に影響をおよぼすと思われるものについては、外面を赤白交互に塗ることが義務付けられています。

*4:現在は昼間障害標識の規制は緩和されており、東京スカイツリーが塗り分けられていないのはこのためです。