東京ディズニーランドのシンボルといえば、やっぱりパークの中央にそびえ立つ「シンデレラ城」ワールドバザールからその姿を見ると、なんだか気持ちも高まってきますよね。
実はこのシンデレラ城には、いくつかの秘密があります。今回はそんな秘密を紹介していこうと思います。
東京とマジックキングダムだけ
東京ディズニーランドはアメリカ・フロリダにあるマジックキングダムをモデルにして造られました。そのため、世界のディズニーパークの中でも、シンデレラ城がパークのシンボルになっているのは、東京ディズニーランドとマジックキングダムだけなのです。
マジックキングダムのシンデレラ城
実は東京とマジックキングダムでは、シンデレラ城の高さが違います。
東京のシンデレラ城の高さは約51m、それに対してマジックキングダムのシンデレラ城の高さは189フィート(約58m)となっており、東京のほうがちょっと低くなっています。
マジックキングダムの場合は、広大なウォルト・ディズニー・ワールドの中にあります。そんな広大なエリアの中でも目立つように、この高さに設定されているのでしょう。東京の場合は、周辺からの見え方や、パーク内のほかの建物とのバランスを考えて、この高さに決められたのだと思われます。
シンデレラ城の石垣は、上に向かうにつれて、だんだん小さくなっています。また窓や扉の大きさも、だんだん小さくなるように作られています。これは「強化遠近法」と呼ばれる手法で、実際の高さよりも城を高く見せるためにこうなっているのです。
シンデレラ城の色
東京とマジックキングダムでは、微妙にシンデレラ城の色も違います。
かつて東京のシンデレラ城といえば「白色」のイメージがあったと思います。開園当時の写真を見ると、青空に映える白色の城が強く印象に残ります。
東京では2006年4月から行われた耐震化工事に合わせて、外壁の塗り替え工事も行われました。そのときに以前の白系から、現在のクリーム系へと塗り替えられたのです。これは東京の空の色に合わせて、写真を撮ったときの色合いを考えて塗り替えられた、と言われています。
ちなみに、マジックキングダムのシンデレラ城も2006年秋に、外壁が塗り替えられています。
シンデレラ城の中にある施設
かつて東京のシンデレラ城には「シンデレラ城ミステリーツアー」という歩いて回るタイプのアトラクションがありました。
ヴィランズたちに乗っ取られた城を取り戻すために、城の中を探検するというものです。「勇者」に選ばれた人にはメダルがもらえることでも有名でしたね。ここは東京にしかないオリジナルのアトラクションでした。
このアトラクションは2006年4月にクローズされ、現在は「シンデレラのフェアリーテイル・ホール」に変わっています。ミステリーツアーについては、シンデレラ城の耐震化工事のために廃止されたのではないか、とも言われています。
フェアリーテイル・ホールは、東京ディズニーランドホテルが提供している挙式プラン「ディズニー・ロイヤルドリーム・ウェディング」の会場としても使われています。
マジックキングダムのシンデレラ城にはアトラクションはありませんが、その代わりに「シンデレラのロイヤルテーブル」というレストランがあり、プリンセスによるグリーティングも行われています。東京でもレストラン建設計画があったようですが、物資搬入用の地下通路が建設できなかったために、断念したとも言われています。
マジックキングダムにある「シンデレラのロイヤルテーブル」現地のゲストにも大人気だ。
マジックキングダムのシンデレラ城には、東京でもおなじみの「ビビディ・バビディ・ブティック」もあります。東京の場合は、ワールドバザールと、パーク外の東京ディズニーランドホテルにありますね。
シンデレラ城の中にある「秘密の部屋」
シンデレラ城について、こんな都市伝説を耳にすることがあります。
シンデレラ城の中には、選ばれた人しか泊まれない部屋がある。
実は東京のシンデレラ城の中には、こういった秘密の部屋はありません。フェアリーテイル・ホール以外は倉庫やキャスト用の施設などになっています。かつてのキャッスルショーで使われていたように、バルコニーなどに出ることはできますが、泊まれる部屋はありません。
実はマジックキングダムのシンデレラ城には、泊まることができる部屋が実在します。その名も「シンデレラ・キャッスル・スイート」です。
マジックキングダムの建設当時、シンデレラ城内にウォルト・ディズニーや関係者がパーク内で過ごせるように、プライベートスペースが設計されました。カリフォルニアのディズニーランドでは、ウォルトが生前過ごした部屋が今でも大切に残されています。
しかし、マジックキングダムの開園を待たずして、ウォルトは亡くなってしまいます。そのため、当初準備していたスペースは、倉庫や電話交換手のための施設として使われることになりました。
電話室として使われていたシンデレラ城のスペース(DVD「ディズニー・パークスUSA」より引用)
しかしその後、賓客をもてなす施設として、この城内のスペースを活用することが決まり、キャッスル・スイートが造られたのです。この部屋はホテルとしてではなく、ディズニーの招待を受けないと泊まることができません。これまでに名だたるセレブ達が、シンデレラ城の中に泊まりました。
キャッスル・スイートは城の4階にあり、専用のエレベーターでしか行くことができません。5人まで宿泊が可能となっており、宿泊者は24時間対応のコンシェルジュ・サービスも利用することができます。
キャッスル・スイートがあるのは、赤い丸で囲まれている場所。一目見ただけでは分からない。(DVD「ディズニー・パークスUSA」より引用)
ディズニーではこれまで、キャッスル・スイートに泊まれるキャンペーンを何度か行っています。私たち一般のゲストにとっては、まさに「憧れ」の場所ですね。
ちなみに、カリフォルニアのディズニーランドにも「ディズニーランド・ドリーム・スイート」と呼ばれる部屋があります。キャッスル・スイートが約60平米なのに対して、ドリーム・スイートは約242平米もあります。
カリフォルニアの「ディズニーランド・ドリーム・スイート」こちらも宿泊は招待客のみ。
シンデレラ城はパークのシンボル
東京ディズニーランド、そしてマジックキングダムのシンボルとなっているシンデレラ城。普段は何気なく見ているお城にも、いろいろな裏話が秘められています。
舞浜新聞としては、東京のシンデレラ城にもプリンセスのグリーティング施設や、マジックキングダムのようなレストランがあればいいのになあ…と思っています。