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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



3周年記念特集 東京ディズニーシーの15年を振り返る

2016年3月23日、舞浜新聞は創刊から3周年を迎えました。これもひとえに、日頃から愛読してくださる、読者の皆様のおかげだと思っています。本当にありがとうございます。

 

さて、いよいよ4月15日から2017年3月17日まで、東京ディズニーシーでは開園15周年を祝うイベント「ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ」が開催される予定です。

 

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©Disney

 

今回は創刊3周年を記念して、東京ディズニーシーの15年間の歩みを振り返っていきたいと思います。

 

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©Disney

 

「映画スタジオ」から「海」へ

東京ディズニーランドに続く、第2パークの建設が発表されたのは、今から28年前、1988年4月15日のことでした。この日、ランドのショーベースでは、開園5周年の記者会見が行われていました。

 

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ランド開園5周年の記者会見 ©Disney

 

ランドの開園からわずか5年しか経っておらず、記者からは「もう新しい遊園地を作るのか」と驚きの声が上がりました。

 

実はパークがある舞浜の土地は、一定期間までに開発を行わないと、千葉県に返還しなければいけなかったからです。そのため、高橋政知会長(当時)としても、早い時期に第2パークの建設を始める必要がありました。

 

しかし、ここからが難産でした。当初、ディズニー社は映画スタジオをテーマにした「ディズニー・ハリウッド・スタジオ・テーマパーク」をオリエンタルランドに提案してきました。

 

ハリウッドスタジオは、1989年5月にアメリカ・フロリダにあるウォルト・ディズニー・ワールドの一角に開園しました。ディズニーとしては、自社の映画コンテンツのファンを増やすという意味から、日本でも映画スタジオをテーマにしたパークを造ろうと考えたのです。

 

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©Disney

 

当初、オリエンタルランドはこの計画に前向きでした。しかし、高橋政知会長(当時)は「日本人に映画のパークは合わない」と判断し、ディズニー社のフランク・ウェルズ社長(当時)と会談。正式に計画の白紙撤回を申し入れたのでした。

 

この映画スタジオをめぐる混乱は、オリエンタルランド社内できちんと意思統一ができていなかったために、起きたものでした。この混乱によって、オリエンタルランドはディズニー社に多額の違約金を支払っています。

 

映画スタジオ計画の白紙撤回を受けて、ディズニー社は新しいパークプランを提案してきました。1992年7月、ディズニー社から提案されたのは、海をテーマにした世界初のパーク「ディズニーシー」だったのです。

 

このパークはもともと、アメリカ・カリフォルニアのロングビーチに建設が計画されたものでした。しかし、埋め立て費用などの財政的な理由から、建設が中止されていました。

 

浦安はもともと海だった場所を、埋め立てて造られた土地です。「海」をテーマにしたパークは、浦安の土地にピッタリでした。高橋は建設を決断します。

 

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パークのシンボル「アクアスフィア」のコンセプトアート ©Disney

 

その後、ディズニー社とオリエンタルランドの交渉の末、東京ディズニーシー建設計画は具現化していきます。長年の交渉が実り、建設工事が始まったのは、1998年10月のこと。高橋が第2パーク構想を発表してから、実に10年が経っていました。

 

そして、2001年9月4日、世界初の海をテーマにしたディズニーパーク「東京ディズニーシー」が開園しました。第2パークの誕生により、舞浜地区はパークを中心としたリゾートエリアへと進化したのでした。

 

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©Disney

 

「大人向け」と「ランドとの差別化」

東京ディズニーシーは、東京ディズニーランドのカーボンコピーにならないよう、様々な工夫が行われました。

 

最大の特徴は「大人向け」ランドは家族連れがターゲットになっているのに対して、シーはカップルや夫婦といった大人向けの要素が重視されました。

 

アルコール飲料の提供、メニュー単価の高いレストラン、スリル系アトラクション、異国情緒を感じる風景など、徹底してランドとの差別化が図られたのです。

 

また、キャラクター色が薄かったのも、シーの特徴でした。ショーやアトラクションでは、ディズニーのキャラクターたちが登場するものもありましたが、あくまでも「親善大使」という扱いでした。

 

ランドのようにグリーティングが盛んに行われていたわけではありませんし、キャラクターが一切登場しない、大人向けのショーもいくつか用意されていました。

 

子ども向けのランド、大人向けのシー。多くのゲストの間では、こういった認識が広まっていきました。しかし、これがシー苦戦の原因につながっていったのです。

 

キャラクター色を強める路線変更へ

開園した2001年から2005年までを振り返ると、どうしてもシーよりもランドの方が客足は伸びていました。これは大人向けのショーやアトラクションが多く、多くの家族連れがシーを避けていたからです。また、ランドと比べてアトラクション数が少なかったもの、原因の一つでした。

 

ただ、オリエンタルランドとしても、初のパレード「ミッキーのファンタスティックキャラバン」や、「ディズニー・リズム・オブ・ワールド」、「ザッツ・ディズニーテイメント」、「ドラマティック・ディズニーシー」の開催など、大人向けの要素を大切にしつつ、キャラクター色を増やすテコ入れを行っていました。

 

転機となったのは、5周年を迎えた2006年でした。この年、シーは大型アトラクション「タワー・オブ・テラー」や、新しいショーの導入など、大幅なテコ入れを行いました。

 

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5周年の目玉として導入された「タワー・オブ・テラー」©Disney

 

「レジェンド・オブ・ミシカ」「ミート&スマイル」「オーバー・ザ・ウェイブ」「ビッグバンドビート」など、キャラクター色が強いプログラムに加えて、「サルサ!サルサ!サルサ!」「ムジカ・メヒカーナ」「ケープコッド・ステップアウト」といった、キャラクターに依存しないプログラムも用意されました。

 

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ハーバーショーとして人気を集めた「レジェンド・オブ・ミシカ」©Disney

 

5周年イベントにより、地方からの集客が伸びたこと、「タワー・オブ・テラー」やエンターテイメント・プログラムを目当てにした来園が増えたことで、シーの入園者数も徐々に伸びていきます。

 

シー復活の救世主「ダッフィー」

さて、東京ディズニーシーを象徴するうえで、欠かせないものはなんでしょうか。パークのシンボルであるアクアスフィア?それとも、ミッキーマウス?いえいえ、それはもちろん「ダッフィー」でしょう。

 

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©Disney

 

ダッフィーが誕生したのは、2005年のことでした。当初は「ディズニーベア」と呼ばれていたのですが、ディズニー社とオリエンタルランドが共同開発し、新しく「ダッフィー」として生まれ変わらせたのです。

 

発売当初はコアなファンしか知らない状態で、知名度はいま一つでした。フリーグリーティングをしても、遠巻きにゲストが集まるだけで、今の人気とは雲泥の差だったのです。

 

ダッフィーが人気を高めるきっかけになったのは、2008年のランド25周年イベントでした。このときから、ランドの周年イベントを、シーを含めたリゾート全体でお祝いするようになりました。

 

25周年イベントの効果で、シーを訪れるゲストも増えていきました。ちょうどその頃、パークでダッフィーを買って、持ち歩くゲストも増えていったのです。これには、オリエンタルランドの社員も驚きました。

 

ファンキャップやカチューシャのように、ダッフィーのぬいぐるみを身に着けて、パークを楽しむスタイルが浸透していったのです。当時、フィギュアスケートの浅田真央選手に、ダッフィーのぬいぐるみが贈られたことも、知名度の向上に大きな力を発揮しました。

 

ダッフィーはシーのパーク内でしか買うことができません。「私もダッフィーが欲しい」というゲストが増えたことにより、シーを訪れるゲストが増えていったのです。ダッフィー関連グッズは、シーの客単価向上にも威力を発揮しました。

 

これまで、ランド・シー合わせて、年間来園者数は2,500万人ほどでした。しかし、2008年度は一気に2,700万人へと押し上げられたのです。

 

ファミリー向け要素の強化へ

年間2,700万人レベルへと高まった東京ディズニーリゾート。シーではこれまで取りこぼしていたファミリー層の集客に力が入っていきます。

 

2009年に導入された「タートル・トーク」や2011年に導入された「ジャスミンのフライングカーペット」、そして今でも高い人気を誇る「トイ・ストーリー・マニア!」の導入です。これらはキャラクター色が強く、小さな子がいる家族も楽しむことができます。

 

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シー入園者数を大きく押し上げた「トイ・ストーリー・マニア!」©Disney

 

また、これまで弱かったグリーティングを強化するために、「ミッキー&フレンズ・グリーティングトレイル」と「ヴィレッジ・グリーティングプレイス」が相次いで導入されました。

 

加えて、ダッフィーのガールフレンドであるシェリーメイの導入(2010年)や、ダッフィーを主役に据えたスペシャルイベントの開催など、ダッフィーの要素も強化されていきました。

 

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ダッフィーを初めて主役に据えたスペシャルイベント「ミッキーとダッフィーのスプリングヴォヤッジ」©Disney

 

このファミリー向け要素の強化、キャラクター色の強化によって、これまでシーを避けていた家族連れが、シーを訪れるきっかけにつながっていきました。

 

ついに「3,000万人」の大台へ

2011年3月に発生した東日本大震災。東京ディズニーリゾートの建物自体には、大きな被害はありませんでした。しかし、駐車場の液状化に加えて、計画停電や原発事故、自粛ムードなどの影響を受けて、パークは臨時休園を余儀なくされます。

 

2011年は、シー10周年を祝う大切な年でした。もし震災がなければ、シーは入園者数を大きく伸ばしていたと思います。しかし、この震災によって、人々の意識が大きく変化しました。非日常を楽しむことができる、東京ディズニーリゾートへの需要が一気に高まっていったのです。

 

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©Disney

 

2013年、ランド30周年を祝うイベントがリゾート全体で開催されました。この年、ランド・シー合わせて、ついに年間3,000万人の入園者を数えるまでになりました。

 

これまでの東京ディズニーリゾートでは、周年イベントの翌年は、どうしても入園者数が落ち込む傾向がありました。しかし、2014年もアナ雪イベント効果などで、年間3,000万人の大台を突破します。シーでもダッフィーの友達として、新たにジェラトーニが仲間入りし、人気を集めました。

 

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壁画が登場したときは「ヴェネツィアの雰囲気が壊れる」と反対意見が相次いだジェラトーニ。今ではすっかり人気者だ。©Disney 

 

15周年イベントは期待できる?

さて、ここまでシー15年間を振り返ってみました。当初は「大人向け」「冒険とイマジネーション」「異国情緒」を掲げてオープンしたシー。しかし、キャラクター色の強化や、ファミリー向けの要素を充実させるなど、少しずつゲストのニーズに合わせて、変化していきました。

 

今年、2016年はシー開園から15年を迎えます。果たして、15周年イベントは期待できるのでしょうか。

 

15周年イベントの目玉になっているのが、新しいハーバーショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」です。現在、シーでは「レジェンド・オブ・ミシカ」の終演以来、レギュラー公演のハーバーショーは行われていません。

 

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「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」のコンセプトアート ©Disney

 

ミシカ終演で浮いた人員や経費を、期間限定のハーバーショーに投入している印象があります。「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」についても、期間限定が強調されていますので、おそらく15周年イベントの期間中のみの開催になるでしょう。

 

ただ、新しいレギュラーのハーバーショーを導入しないで、期間限定のショーを目玉に据えるのは、少し納得がいきません。それ以外にも、「ビッグバンドビート」のリニューアル、キャラクターによる「グリーティングドライブ」、7月から始まる「アウト・オブ・シャドウランド」などが予定されていますが、15周年の新要素はこれだけです。

 

大型アトラクションの導入などはなく、新要素以外は2015年に行われたプログラムを、少しテコ入れして行う程度です。かつての5周年のときのような、ワクワク感というのは、どうしても感じられません。

 

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2015年クリスマスに公演された「パーフェクト・クリスマス」周年イベントを意識した演出があるため、2016年も行われるのでは?©Disney

 

ただ、オリエンタルランドとしては、地方からの集客が望める周年イベントで、わざわざ大型投資をする必要がないと考えているのかもしれません。

 

シーでは2017年度以降に、新しいテーマポートの建設が予定されています。15周年イベントは、小幅なテコ入れでゲストを増やし、キャッシュフローを積み上げてパークへの新規投資に弾みをつけたい。そんな考えなのかもしれません。

 

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建設が計画されている新テーマポート。「北欧」をテーマに、映画『アナと雪の女王』に関連した施設が導入される。©Disney

 

東京ディズニーシーは、これからどうなっていくの?

「ランドとシー、どっちが好きですか?」ディズニーを愛する方なら、一度は聞かれたことがあると思います。私はそんなとき、迷わず「シーですよ」と答えています。

 

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©Disney

 

もちろん、ランドも好きなのですが、シーでは遠い場所に旅に来たような、そんな感覚を味わうことができるからです。世界でただ一つ、ここでしか味わえないパークだから、という気持ちもあります。

 

最近のシーを見ていると、開園当時の雰囲気がなくなり、ランドのようなパークに変わってきているという印象があります。ゲストのニーズの変化に合わせて、パークも新陳代謝をしていく必要があるでしょう。しかし、どうしても、そんな変化に寂しさを感じてしまいます。

 

さて、シー15周年イベントはどうなるのでしょうか。ガッカリで終わってしまうのか、それとも「良かった!終わらないで!」という気持ちになるのか…。東京ディズニーシーの未来も合わせて、しっかりと見守っていかなければいけませんね。

 

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©Disney

 

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