舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



年間パスポートの新デザインから、舞浜の未来を考える

3月11日、オリエンタルランドは東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの新しい年間パスポートのデザインを発表しました。

 

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©Disney

 

東京ディズニーリゾートの場合、新年度に合わせて、例年この時期に新しいデザインが発表されるようになっています。

 

今回は新しい年間パスのデザインから、オリエンタルランドの思惑について少し考えてみたいと思います。

 

イラスト柄は廃止へ

2016年4月1日以降に年間パスポートを購入・更新する場合は、以下のデザインから選ぶことができます。

 

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2パーク年間パスポート ©Disney

 

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東京ディズニーランド年間パスポート(左)/東京ディズニーシー年間パスポート(右)©Disney

 

ランド・シーの共通パスの場合、これまでキャラクターの実写に加えて、イラスト柄も用意されていました。しかし、今回からイラスト柄は廃止となり、実写柄のみになりました。

 

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2015年3月31日までのデザイン。共通パスにイラスト柄が用意されているのが分かる。©Disney

 

これについては、おそらくパークグッズとの関係もあると思います。

 

最近のグッズを見ていると、キャラクターの写真を取り入れたものが多く展開されています。加えて、TwitterやInstagramなどのSNSでは、キャラクターの写真を数多く見かけます。オリエンタルランドとしては、イラストよりも実写のほうが需要があると考えたのでしょう。

 

ただ、若い女性ゲストなら好意的に受け止めるかもしれませんが、男性ゲストやシニア層が、こういった実写デザインを望んでいるとは思えません。「地味なデザインにしろ」とは言いませんが、もう少しお財布に入れていても違和感のない、落ち着いたデザインも需要があるのではないかと思います。

 

2017年3月18日、年間パスに変化がある?

今回話題になった年間パスポートの新デザイン。実はこのデザイン、対象期間は来年(2017年)3月17日までとなっています。

 

これまで、年間パスポートのデザインは4月1日に切り替わり、3月31日までというのが基本的な流れでした(デザインを変更しなかった年もあり)。しかし、今回は中途半端な「3月17日まで」これはどうしてなのでしょうか。

 

一番自然な見方は、今年(2016年)4月から来年(2017年)まで開催される、東京ディズニーシーの15周年イベントとの関係です。シー15周年イベントは3月17日までですので、それに合わせて、3月18日から2017年度の新デザインに切り替える、という見方です。

 

ただ、一つ疑問が残ります。2013年度に行われたランド30周年イベントの場合、イベント自体は3月20日までだったのですが、年間パスのデザインは3月31日までそのままだったのです。

 

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当時の東京ディズニーリゾート公式ウェブサイト。「2014年3月31日まで」となっている。©Disney

 

TwitterなどのSNSでは、新デザインが3月17日までになったことに対して「オリエンタルランドは何かしら、年間パスの制度を変えるつもりなのでは?」という声が挙がっています。

 

では、具体的にどのような制度変更が考えられるのか、少し考えてみることにしましょう。

 

「平日限定」「除外日設定あり」の年間パスが出る?

現在販売されている年間パスは、有効期限まで1年間、いつでも使えるようになっています。

 

しかし、海外パークの年間パスを見てみると、値段が安い代わりに、使えない日があるものも販売されているのです。

 

東京ディズニーリゾートの場合、今年(2016年)10月から、基本的に土日祝日は、日付指定のないオープン券で入園することはできなくなります。これはオープン券の使用を抑制するとともに、なるべく休日の来園者を平日に振り向けたい、混雑を平準化したいという、オリエンタルランドの思いが透けて見えます。

 

詳しい解説はこちらをどうぞ。

 

アメリカのディズニーパークでは、入園日によってチケット料金が高くなったり、安くなったりする変動制が導入されています。また、今年6月16日に開園予定の中国・上海ディズニーランドでも、平日と休日とでチケット料金に差が付けられています*1

 

 

もしかすると、オリエンタルランドが休日の来園者数を抑制するために、平日限定の年間パスや、除外日設定のある年間パスを販売する可能性はあるでしょう。

 

また、除外日設定のない年間パスの値段を引き上げ、除外日設定のある年間パスを現行の価格のままにする、という改悪も考えられます。このあたりは妄想の域を出ないのですが、想定しておく必要がありそうですね。

 

平日料金・休日料金の導入は?

さて、先ほども触れたように、アメリカや上海のパークでは、平日と休日でチケット料金が分かれています。

 

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©Disney

 

では、東京ディズニーリゾートでも、同様に平日・休日によってチケット料金に差が出るような制度が導入されるのでしょうか。

 

あくまでも舞浜新聞の個人的な見解ですが、オリエンタルランドはそのような制度は導入しないと考えています。もちろん、可能性としてはゼロではありませんが、非常に低いと思うのです。

 

東京ディズニーリゾートの場合、パークのチケットブースやイクスピアリのチケットセンター以外にも、コンビニや旅行代理店、JRのみどりの窓口など、幅広い場所でチケットが販売されています。

 

 

チケットブースやウェブで買えるeチケットだけであれば、日付によって料金に差をつけることが可能でしょう。しかし、旅行代理店やコンビニ、JRのみどりの窓口で発券するチケットの場合、システムを大規模に変更する必要が出てきます。これはかなり非現実的でしょう。

 

加えて、東京ディズニーリゾートではすでに平日限定の割引チケットや、特定の地域を対象にした割引チケットを販売しています。通常のチケット料金を変動制にするより、別に割引パスを販売するほうが、システムをあまり変更しなくてすみます。

 

ただ、事前販売のチケットは価格を据え置いて、当日券のみ値段を変えるという選択肢も残っています。

 

オリエンタルランドは年間パス保有者を増やしたくない?

最近はUSJへの対抗意識に加えて、パークへのさらなる投資に向けて、オリエンタルランドはチケットの値上げを続けています。おそらく、年間パスの料金も、それに合わせて上げていくでしょう。

 

 

海外パークの年間パスポートでは、割引サービスや優待サービスを受けられるのに対して、東京ではそういったサービスは一切ありません。

 

年間パス保有者向けの専用グッズや限定ショップの導入、保有者向けのイベントの開催があれば、今よりも保有者が増える気がします。しかし、東京がそういったことをしていないのは、ただでさえ混雑が激しいパークを、さらに混雑させてしまうと考えているからかもしれません。

 

そろそろ10万円の大台も見えてきた、東京ディズニーリゾートの年間パスポート。オリエンタルランドの動きにも注目していかなければいけませんね。

 

おまけ

最後に、東京と海外パークの年間パスポートの料金をまとめた表を載せておきます。

 

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*1:パリでは除外日設定の有無によって、通常チケットにも価格差が設けられています。