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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



ディズニーランドの中にスターバックスができるの?

東京ディズニーリゾートの分析・考察

街中でよく見かける「スターバックス」言わずと知れた、大手コーヒーチェーンです。私も仕事帰りにお世話になることがあります。最近では日本で唯一店舗がなかった鳥取県に出店する、ということでも話題になりました。

 

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渋谷QFRONTにあるスターバックス

 

東京ディズニーリゾートにも、イクスピアリの中にスターバックスが出店しています。実は最近、米国のディズニーパークでは、パークの中にスターバックスが出店しているのです。 

 

どうして、テーマパークの中にスターバックスが出店しているのでしょうか。今回はその理由と、東京のパーク内への出店について考えていきたいと思います。 

 

米国では続々と出店 

2012年4月、ディズニーは公式ブログで、パークの敷地内にスターバックスが出店することを発表しました。

 

 

2012年6月に最初の店舗が、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー内にオープン。その後、アナハイムのディズニーランド、マジックキングダム、エプコットに続々と出店しました。

 

2014年8月には公式ブログで、ディズニー・ハリウッド・スタジオにも、新しく出店することを発表しました。今年2月のオープンを予定しています。

 



まだ詳細は発表はされていませんが、今後、ディズニー・アニマル・キングダムにも出店が計画されています。

 

スポンサーではなく「フランチャイズ店舗」 

ディズニーパークではこれまで、パーク内にあるレストランやカフェなどにスポンサーがつき、企業のロゴマークが掲げられることはありました。東京ディズニーリゾートでも、おなじみの企業のロゴマークを見かけることが多いと思います。

 

しかし今回、スターバックスはディズニーとスポンサー契約は結んでいません。USA TODAYの記事によると、スターバックスはディズニーとライセンス契約を結んで、パーク内に出店しています。従業員はスターバックスではなくディズニーのキャストで、ディズニーによって店の運営も行われています。つまり、スターバックスのフランチャイズ店舗なのです。

 

 

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ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー内にある「Fiddler, Fifer & Practical Cafe」ここがスターバックスのディズニーパーク初進出店舗となる。

 

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マジックキングダム内にある「Main Street Bakery」一見すると分からないが、ショーウインドウにはスターバックスのロゴマークが掲げられている。

 

ネスレのコーヒーとの決別が始まり 

米国のディズニーパークではこれまで、大手食品メーカーのネスレのコーヒーが販売されていました。エプコットでは2009年までアトラクションのスポンサーを務めたり、パーク内でネスレの飲料やアイスクリームが販売されたりするなど、ディズニーとネスレの関係は親密になっています。

 

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米国のディズニーパークで販売されているネスレの「ミッキーのプレミアム・アイスクリーム・サンドイッチ」

 

ネスレのコーヒーはインスタントで安価だったものの、味への評判はあまり良くありませんでした。

 

そこでディズニーはコーヒーの強化に乗り出します。実は飲み物の原価はかなり低く、利益率が高いのです。ディズニーが売上やゲストの満足度向上を目指して、コーヒーに目をつけたのは自然な流れなのかもしれません。

 

スターバックスのプレスリリースの中で、ディズニーパークのメアリーベス・ビジネア飲食物販部門副社長(当時)は以下のように語っています。

 

“We know food and beverage offerings are an important part of the memories our guests make at
Disney Parks and now they will be able to enjoy their favorite Starbucks beverage as part of
their experience,”

(私たちは食事や飲み物が、お客様がディズニーパークで作る思い出の大切な一部であることを知っています。そしてスターバックスの飲み物も、その体験の一部として楽しんでいただけるでしょう。)

 

スターバックスは米国シアトル発祥で、今では世界的に人気のコーヒーチェーンになっています。フラペチーノに代表される商品も、多くの消費者に支持されています。そんな強いブランド力を持つスターバックスを、コーヒー強化の目玉に利用したいとディズニーが考えたのだと思われます。

 

スターバックスとしても、米国内だけではなく世界中から多くの観光客が訪れるパーク内への出店は、大きな広告宣伝効果を持ちます。

 

スターバックスは2008年に「MyStarbucksIdea.com」というサイトを立ち上げ、客や従業員からスターバックスに関する様々なアイディアを募ってきました。スターバックスはプレスリリースの中で、このサイトにディズニーパークへの出店希望が寄せられていたことを明かしています。

 

The Starbucks Experience Comes to Disney Theme Parks | Starbucks Newsroom

 

実はディズニーパークとライバル関係にあるユニバーサルでは、以前からパーク内にスターバックスが出店していました。そんなユニバーサルの動きを見て、ディズニーが出店に動いたという可能性も十分考えられます。

 

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2008年にオーランドのユニバーサル・スタジオ内にオープンしたスターバックス。周辺エリアと溶け込むようになっているが、ロゴマークはほぼそのままの形になっている。

 

パークの世界観への配慮も 

スターバックスのパーク内出店に対して、米国では好意的に受け止められています。その一方で、パークの世界観が壊れるという反対意見があることも事実です。

 

ディズニーではパークのテーマや世界観に合わせて、店の外観を変える工夫をしています。もちろんスターバックスのロゴマークなどは掲げられているのですが、一目見ただけではスターバックスの店かどうかは分からないようになっています。

 

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 「Main Street Bakery」のロゴマーク。1971年にスターバックスが開業した当時のものが使われている。これも世界観への配慮だろう。

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店舗で使われているカップ。スターバックスのロゴマークも入っているが、あくまでもディズニーパークのロゴマークが目立つようになっている。

 

ユニバーサルがスターバックスのロゴマークをそのまま店舗に使っているのとは、非常に対象的ですね。これもテーマパークの世界観に対する考え方の違いが表れているのではないかと思います。

 

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アイランズ・オブ・アドベンチャーにあるスターバックス。建物自体はエリアのテーマに合わせているが、ロゴマークや看板はそのまま。

 

オフィシャルコーヒーも交代へ 

スターバックスの出店に合わせて、ディズニーパークのオフィシャルコーヒーも変わっています。2013年2月、ジョフリーズ・コーヒー・アンド・ティーはディズニーとオフィシャルブランドの契約を結んだことを発表しています。

 

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ディズニーの直営ホテルで提供されているジョフリーズのコーヒー

 

ジョフリーズのCEOであるテッド・エイブラムズはタンパベイ・ビジネスジャーナルのインタビューに対して、ネスレがエプコットのスポンサーから撤退した2009年から、契約の交渉を始めていたと明かしています。ディズニーのオフィシャルブランドになったのは、コカ・コーラ、VISAカードに次いで3社目です。

 

スターバックスの出店とオフィシャルコーヒーの変更。本来であればスターバックスとジョフリーズはライバル関係になるのですが、価格帯が高いスターバックスと、レギュラーコーヒーとして提供されるジョフリーズは競合しないとディズニーは考えたのでしょう。

 

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ユニバーサルで売られている水はネスレ製。一方、ディズニーで売られている水はコカ・コーラ製。このあたりからも、微妙な企業関係が見て取れる。

 

日本のスターバックスが米国直営に 

日本経済新聞の報道によると、2014年9月、米国のスターバックスが日本のスターバックスコーヒージャパンを完全子会社化すると発表しました。今後、日本のスターバックスは米国法人によって運営されることになります。

 

 

では日本のスターバックスが米国法人の子会社化されたことによって、米国のディズニーパークと同様に、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーの中にも、スターバックスが出店する可能性はあるのでしょうか。

 

東京のパーク内への出店はない? 

東京ディズニーリゾートはオリエンタルランドとディズニーとのライセンス契約によって運営されています。

 

つまり東京はディズニー直営ではなく、フランチャイズのパークなのです。米国のパークで導入が進んでいるものが、すぐに東京に来るわけではありませんし、最終的な決定権はオリエンタルランドにあります。

 

東京ディズニーリゾートにスターバックスが進出しないと考えられる理由は3つあります。

 

一つ目は、東京ではコーヒーメーカーとしてUCC上島珈琲がオフィシャルスポンサーとして入っているためです。

 

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東京ディズニーランドのワールドバザールにある「センターストリート・コーヒーハウス」ここはUCCがスポンサーになっている。

 

東京の場合、カフェやレストランで提供されている紅茶やコーヒーはUCCのものになっています。スターバックスの出店はUCCの売り上げの減少につながってしまうからです。

 

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東京ディズニーリゾートのレストランで提供されている紅茶のティーバッグ。「霧の紅茶」はもちろんUCCの紅茶ブランド。

 

二つ目は、直営とフランチャイズの違いについてです。米国のパークのように、スターバックスとライセンス契約を結んでフランチャイズ店舗を作ると、スターバックスへ売り上げに応じたロイヤリティーを支払わなくてはいけません。

 

また先ほども触れたように、東京はディズニーとの契約にもとづいたフランチャイズのパークです。

 

オリエンタルランドは売り上げに応じてディズニーへロイヤリティーを支払っているのですが、チケットの売り上げよりも、グッズやレストラン、カフェなどの売り上げのほうが、ロイヤリティーが低く設定されています。

 

つまり物販を強化すればするほど、利益が大きくなるのです。そんな東京で利益をみすみす逃すスターバックスの出店は考えにくいのです。

 

三つ目は、すでに東京のパークのコーヒーは評判がいいということです。米国のパークではネスレの安いインスタントコーヒーが提供されており、その評判が良くなかったことからコーヒーの強化に踏み切ったのではないか、と書きました。

 

人によって味の好みがあるとはいえ、UCCのコーヒーは評価が高いですし、オリエンタルランドによって独自のドリンクブランド「D's Delights」も展開されています。スターバックスのブランド力に頼らなくても、十分売り上げは高いと思われるのです。

 

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2012年9月に導入されたドリンクブランド「D's Delights」様々なタイプのドリンクが登場しており、ゲストからも人気を集めている。


米国のディズニーパークで進むスターバックスの出店。コーヒーもディズニーパークにとってはかなり重要な体験の一つになっています。米国のディズニーパークへ行ったときには、ぜひスターバックスを訪れてみてはいかがでしょうか。