9月8日早朝、2020年の夏季オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定しました。
マドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)をおさえての決定に日本中が歓喜に包まれました。眠い目をこすりながら中継を見守った方も多いと思います。
最終投票で開催地が東京に決まったことを発表するIOCのジャック・ロゲ会長(8日=ロイター)
東京での五輪開催は1964年以来、56年ぶり2回目となります。札幌、長野の冬季大会を含めれば日本での開催は4回目。今から7年後には東京に世界中の国からアスリートや観客が集まると思うと、なんだかワクワクしますね。
今では日本のいたるところで見かけるロゴマーク。日本のシンボルでもある桜と「再び戻る」という意味があるリースが組み合わされている。
では今回は、そんな7年後の東京オリンピックが東京ディズニーリゾートに与える影響について、考えていきたいと思います。
これから7年間の東京ディズニーリゾート
まずはテーマパークに関して予定されている出来事を以下にまとめてみました。
- 2013年(今年) 東京ディズニーランド30周年
-
2014年 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン拡張
-
2015年 上海ディズニーランド開業
- 2016年 東京ディズニーシー15周年
- 2018年 東京ディズニーランド35周年
-
2020年 東京オリンピック
- 2021年 東京ディズニーシー20周年
こうして見てみると、2020年はランド・シーともにアニバーサリーの年ではありません。客足、特に地方からのゲストがちょうど落ち込む年に五輪が開催されるということは、東京ディズニーリゾートにとって幸運と言えるでしょう。
東京で五輪が開催されるとなれば、試合観戦を目的とした地方からの客や外国人観光客の増加が見込まれます。試合観戦と東京ディズニーリゾートを組み合わせたツアーも作られるかもしれません。これは一大商機になるでしょう。
1985年につくば市で開催された「国際科学技術博覧会(つくば科学博)」東京ディズニーランドは科学博による入園者数減少を見込んでエレクトリカルパレード(初代)を導入したが、結果的には相乗効果で入園者数を伸ばした。
ただ気になるのは、以前の記事でも紹介したユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハリー・ポッターエリア建設や、上海ディズニーランドの開業です。これについては東京ディズニーリゾートが何も対策を打たない場合、入園者数にかなりの影響を与えるだろうと舞浜新聞では考えています。
五輪が開催される頃にはある程度落ち着いているとはいえ、オリエンタルランドにはパークへの追加投資が求められているといえるでしょう。
新幹線の開業が与える影響は?
さまざまなインフラの整備が見込まれる東京五輪。実は五輪とは関係なく、2020年前後に多くの新幹線が開業を迎えるのです。以下は今後開業が予定されている新幹線の一覧です。
- 北陸新幹線(長野ー金沢) 2014年度
- 北海道新幹線(新青森ー新函館) 2015年度
- 九州新幹線(武雄温泉ー長崎) 2022年度
九州の場合は直接首都圏とつながるわけではありませんが、交通の便は向上します。北海道と北陸の場合は首都圏と接続されるため、現在よりも格段に行き来がしやすくなるでしょう。特に函館は約4時間、金沢は約2時間半で東京と結ばれるため、地方からの観光客増加が見込まれます。
現在建設中の新幹線。九州新幹線の博多ー新八代は2011年3月に開業している。©朝日新聞
東京五輪ではこれら新幹線を使って東京を訪れる観光客が増えると考えられます。当然これは、東京駅からの抜群のアクセスを誇る東京ディズニーリゾートにとっても商機と言えます。
変わる東京。では東京ディズニーリゾートも変わる?
今では知らない人はいないともいえる「アベノミクス」安倍首相が推し進める経済政策を指す言葉ですが、これによる好景気を予測している専門家もいます。
その一方で、アベノミクスは物価高を招くだけだという専門家もいます。どちらにしろ、やってみないと分からないのが経済の世界。消費税の増税も控えていますので、ひとまずは景気を良くしてほしいですね。
東京ではオリンピック開催に向けて、今後さらにインフラの整備や再開発が見込まれています。環状道路の整備や東京駅・新宿駅・渋谷駅の再開発は現在進行中ですし、老朽化が進む首都高速の修繕や地下化、羽田空港と成田空港を結ぶ新しい鉄道建設も検討されています。これから東京はがらりと変わっていくでしょう。
では東京ディズニーリゾートはどうなのでしょうか。五輪の翌年にはシーが開業20周年を迎えます。ランドがそうであったように、この頃は施設の修繕や建て替えが必要になってくるでしょう。ランドと違ってシーは特に海からの距離が近いため、塩害による影響も大きいと思われます。
土地の確保の問題から、舞浜地区にランド、シーに続く第3パークを建設することは難しいでしょう。実際、オリエンタルランドの経営陣もこれを明確に否定しています。駐車場の立体化や既存アトラクションの取り壊しによって土地をねん出して、新しいエリアやアトラクションを作っていく、というのが現実的な路線でしょう。
今から7年。長いようで短いかもしれません。多くの人々で賑わう東京。そして今とは違った東京。そのとき、東京ディズニーリゾートはどうなっているのでしょうか。ちょっと期待しながら、気長に待つことにしましょうか。