舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



ディズニーファン9月号 OLC上西社長のインタビューを読み解く

2016年7月25日に、講談社から『ディズニーファン』9月号が発売されました。ディズニーを愛する方にとっては、なじみの深い雑誌ですよね。

 

実は9月号に、オリエンタルランドの上西京一郎社長(兼)COOのスペシャルインタビューが掲載されるということで、発売前から話題になっていました。

 

ディズニーファン 2016年 09 月号

ディズニーファン 2016年 09 月号

 

 

今回は記事に掲載された資料と上西社長のインタビューから、東京ディズニーリゾートの将来像について考えてみたいと思います。

 

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©Disney

 

再開発エリアの建築模型

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、2020年度までに東京ディズニーランドのトゥモローランドを再開発して、映画『美女と野獣』をテーマにしたエリアなどを、新しく建設する計画を発表しています。

 

 

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2016年4月に発表されたコンセプトアート ©Disney

 

実は『ディズニーファン』9月号の発売前から、この再開発エリアの建築模型を写した写真が掲載されている、ということで話題になっていたのでした。

 

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再開発エリアの建築模型 ©Disney

 

建築模型の写真をよく見てみると、以下のことが分かります。

  • トゥーンタウンの門は撤去へ。その代わりに円型の広場が建設される。
  • トゥーンタウンの新グリーティングスポットは、思ったよりも大きい?屋内の待ち列を長く確保するため?
  • パレードルートは大きな変更はなさそう。
  • 『美女と野獣』エリアの入り口近くにある、小さな家。やっぱりベルとモーリスの家?(オリエンタルランドから正式発表なし)
  • 『美女と野獣』ライド型アトラクションは、かなり巨大。
  • ライブエンターテイメントシアターは、シーのブロードウェイ・ミュージックシアターとほぼ同じくらいの大きさ。
  • 『ベイマックス』のアトラクションは、「アリスのティーパーティー」よりも一回り大きい。平屋建てに見える。
  • トゥモローランド・ホールは当面存続へ。

 

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(記事掲載の写真をもとに、舞浜新聞が目測で作成したもの)

 

エリア再開発では、パレードルートが一部変更されるのでは?という見方もあったのですが、建築模型を見る限り、少しの移動に留まるようです。これについては、再開発工事がパレードの運行に与える影響を最小限にするためでしょう。

 

新しく建設される『美女と野獣』エリアについては、おそらく米フロリダのマジックキングダムに建設されたものと、ほぼ同じ規模になるでしょう。私が今回驚いたのが、世界で唯一導入される『美女と野獣』のライド型アトラクションです。

 

あくまでも写真からの目測ですが、城はミニチュアではなく実寸大、アトラクション全体もかなり大きなものになるようです。これは実際に乗るのが楽しみになりますね。

 

一つだけ引っかかるのが、ベルとモーリスの家らしき建物です。これはオリエンタルランドのプレスリリースにも載っているのですが、オリエンタルランドからは一切詳細の発表はありません。単なる休憩所やレストルームなのか、それともグリーティングスポットなのか…。現段階では何も分かりません。

 

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4月に発表されたコンセプトアート。赤い屋根が特徴的なベルの家は、映画にも登場する。©Disney

 

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米フロリダのマジックキングダムにあるベルの家。中はアトラクション「エンチャンテッド・テール・ウィズ・ベル」になっている。©Disney

 

今後の開発に含みを持たせている?

さて、建築模型の写真を見る限り、トゥモローランド・ホールは壊されることはなく、新エリアのオープン後もそのままになるようです。しかし、私はこれに違和感を覚えました。いくらショーの抽選会場として必要だからといって、老朽化が進んだ施設をそのまま残すのは、不自然だと思うからです。

 

トゥモローランド・ホールは、もともとファンタジーランドとトゥモローランドを空で結んでいた「スカイウェイ」の発着場でした。トゥモローランド・ホールは2階建てなのに、1階しか使われていないのは、発着場時代の名残なのです。

 

ここからは、舞浜新聞の推測です。オリエンタルランドは2014年10月に、ファンタジーランドの拡張計画を発表しました。その後、2016年4月にこの計画を見直し、2020年度までの開発計画を発表しています。

 

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2014年10月に発表されたコンセプトアート。見直し前よりも再開発エリアが広大だったことがよく分かる。©Disney

 

2014年10月のときの計画では、トゥモローランド・ホールの場所にスモールワールドらしき建物が描かれていました。もしかすると、この計画がまだ生きているのではないか。そんな見方ができるのです。

 

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コンセプトアートに描かれていた、スモールワールドらしき建物 ©Disney

 

ただ、スモールワールドの跡地に描かれていたアリスエリアは、計画の見直しで白紙撤回されています。そのため、スモールワールドの移設自体も、白紙撤回されている可能性は高いでしょう。では、トゥモローランド・ホールの跡地に、新しいエリアへの入り口を作るとしたら、どうでしょうか。

 

再開発エリアの裏側には、広大な平面駐車場が広がっています。将来的には駐車場を立体化して、そのぶんの土地をパークの拡張用地として使う可能性があります。もしここを使って、ファンタジーランドのさらなる拡張を行うとしたら…。

 

果たしてオリエンタルランドは、今後さらなるパークの拡張に踏み切るのか。気になりますね。

 

上西社長のインタビューから分かること

オリエンタルランドの上西京一郎社長は最近、日本経済新聞と読売新聞のインタビューにそれぞれ答えています。

 

 

しかし、今回のディズニーファン編集部のインタビューでは、プレスリリースや株主総会でも発表されなかった、新しい内容が明らかにされました。以下はその一覧です。

 

  • 『美女と野獣』の城は高さ30mに。
  • 「ガストンをテーマにした、座席数の多いレストラン」を建設する。
  • 新シアターでは、ディズニーのキャラクターが登場する演目を構想中。
  • トゥーンタウンの新しいグリーティングスポットでは、ファッションデザイナーのミニーマウスに会える。
  • 東京ディズニーシーの「ソアリン(仮称)」は、上海の映像をベースにして、東京オリジナルシーンを加える。
  • 2020年度までに、まだ発表していないアトラクションやプログラムについて、プランを練っている。

 

米フロリダのマジックキングダムにも、『美女と野獣』の城が再現されています。ただし、こちらは遠近法を使ったミニチュアになっているのです。一方の東京では、再開発エリアに高さ30mの城が再現されることが明かされました。

 

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マジックキングダムにある『美女と野獣』の城。肉眼で見ると小ささがよく分かる。©Disney

 

30mといえば、東京ディズニーランドホテルの吹き抜けロビーの高さが、ちょうど30mになっています。そうやって考えてみると、かなりの再現度が期待できるでしょう。

 

またマジックキングダムでは、座席数の多いテーブルサービスの「ビー・アワー・ゲスト・レストラン」と、カウンターサービスの「ガストンズ・タバーン」の2つのレストランがあります。

 

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連日多くのゲストで賑わっている「ビー・アワー・ゲスト・レストラン」©Disney

 

今回、上西社長からは「ガストンをテーマにした、座席数の多いレストラン」という発言がありましたので、もしかするとテーブルサービスの「ガストンズ・タバーン」が作られるかもしれませんね。

 

今回のインタビュー記事では、トゥーンタウンにつくられる新しいグリーティングスポットのコンセプトアートも、初めて公開されました。よく見ると、屋内に待ち列を十分確保できるようになっています。ミッキーの家とミート・ミッキーのように、中を見て回るようなつくりなのかもしれません。

 

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ディズニーファンに掲載されたコンセプトアート ©Disney

 

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2016年4月に発表されたコンセプトアート ©Disney

 

どうしてディズニーファンに新情報が?

さて、今回ディズニーファンに掲載された、上西社長のインタビュー記事。そして、建築模型の写真と、初公開のコンセプトアート。これまでオリエンタルランドは、新しい情報をプレスリリースを通じて発表していました。しかし、今回は月刊誌への掲載となりました。これはどういう意味があるのでしょうか。

 

ディズニーファンを編集・出版しているのは講談社です。講談社は東京ディズニーランドの開園当時からオフィシャルスポンサーを務めており、東京ディズニーリゾートの公式ガイドブックは、すべて講談社から刊行されています。

 

東京ディズニーリゾート完全ガイド 2015-2016 (Disney in Pocket)

東京ディズニーリゾート完全ガイド 2015-2016 (Disney in Pocket)

 

 

オリエンタルランドと講談社は、切っても切れない関係になっています。しかし、最近になって、講談社をめぐる状況が変化しているのです。実はこれまで、ディズニー関連の書籍は講談社から出版されることが多かったのですが、最近は角川グループからの出版が増えているのです。

 

 

もちろん、これまでも講談社が一社独占していた、というわけではありませんでした。しかし、ディズニーの絵本や映画のガイドブックなどは、角川グループから出版されることが多くなっているのです。

 

これについて、詳しいことは分かりません。ただ、オリエンタルランドがわざわざ講談社のために、ここまで新しい情報を出してきたということは、何らかの事情があるのではないかと思うのです。

 

東京ディズニーシーでは現在、開園15周年イベントを開催しています。同じく、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも、15周年イベントを行っています。USJの勢いと比べると、どうも東京ディズニーリゾートは元気がないように感じてしまいます。それは、最近のオリエンタルランドの株価を見ていても分かります。

 

果たして今後、オリエンタルランドからどんな新情報が出てくるのか。ひとまず期待して待つことにしましょう。

 

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©Disney