いよいよ12月に入り、街の中もすっかりクリスマスムードになってきました。もちろん、パークでもクリスマスイベントが開催中。12月の週末は一年の中でかなり混みあうと言えるでしょう。
特に今年は東京ディズニーリゾートが30周年。パークを訪れる人は例年よりも多く、11月からすでに入場制限が行われるほどです。しかし、そんな混雑するだろう12月第一週の金曜日。実はこの日、東京ディズニーランドはなんと18:30で閉園してしまいます。どうしてでしょうか?
それはJCBの貸し切り営業が行われるから
実はこの日は「JCBマジカル」が毎年行われるのです。JCBマジカルとは、JCBがクレジットカードの利用客向けに行うパークの貸し切り営業のこと。抽選に当たった方しか入れません。利用金額に応じてキャンペーンへの応募口数が変わるため、読者の方の中には登録している方もいると思います。
毎年恒例の「JCBマジカル」利用金額5万円で1口応募が可能。庶民にはなかなか敷居が高い。©Disney
2011年は14時から入園開始*1・20時からパーティーという運営だったのですが、最近は19:30~22:30の完全貸し切り営業というパターンがほとんどです。年によって「マジカルライブ」「マジカルスペシャルナイト」「マジカルアニバーサリー」というように、イベントの名前が微妙に変わるのも特徴です。
2011年はJCB創立50周年。この年は招待客数15,000人にも上る大規模なイベントとなった。しかし、東日本大震災の影響は少なからずあったと思われる。©Disney
これまではランドの貸し切り営業のみだったのですが、最近ではシーでもJCBマジカルが行われるようになっています。1万人規模のイベントをそれだけ開催できるということは、JCBが儲かっている証拠だと言えるでしょう。
来年(2014年)はすでに5月30日(シー・8,000人招待)と12月5日(ランド・14,000人招待)にそれぞれ開催されることが決まっています。
あれ?どこか似ていませんか?ちなみに、下の写真は東京ディズニーリゾートの公式ブログで配信されたもの。©Disney
JCBといえば、もうお分かりの方もいるでしょう。そうです。東京ディズニーリゾートのオフィシャルスポンサーになっていますね。ショップのレジで大きな「JCB」のロゴマークが掲げられていますので、初めてカードを使う方は「JCB以外使えないのかな?」と思ってしまうほどです。
パークをまるごと貸し切りにできるの?
実は東京ディズニーリゾートでは、企業・団体向けの貸し切り営業のプログラムを用意しています。ただ、ほとんどの場合はオフィシャルスポンサーによる貸し切り営業がほとんどです。これは費用が高額なうえに、あくまでも広告宣伝のキャンペーンで利用することが多いためです*2。「パーク貸し切り営業にご招待!」なんて書かれていたら、多くのパークファンは反応しますからね。
パークの貸し切りプログラムには2種類あります。一つは19:30~22:30にパークをまるごと貸し切りにする「プライベート・イブニング・パーティー*3」4,000名以上の開催で、チケット代金は一人5,400円となります。
もう一つは「マジカル・ファンタジー・パーティー」7,000名以上の開催で、14時から一般ゲストもいるパークへ入園*4・20時で通常閉園*5・22時まで特別営業となっています。チケット代金は5,100円~5,400円(利用客数によって変動)となります。
完全貸し切りのプライベート・イブニング・パーティーにかぎっていえば、ここ最近では10月18日にシーでハウス食品の「“みんなにありがとう”スペシャルナイト AKB48 in 東京ディズニーシー」、11月29日に同じくシーで「JAL東京ディズニーシー・プライベート・イブニング・パーティー」が開催されています。特にハウス食品のイベントはAKB48のメンバーが、シーのハーバーでハロウィーンのスペシャルショーを行ったということでも話題になりました。
20時からハーバーで開催された「ハロウィーンパーティー with AKB48」はまさに圧巻。ストーリーや演出も素晴らしかったのだが、7月に卒業した篠田麻里子が参加するなど、話題性も高くマスメディアの注目を集めた。©Disney
ちなみにこのときの衣装は、2004年にランドのハロウィーンパレードで使われたもの。ポップなイメージが合ったのだろう。©Disney
以下は2014年に開催が予定されている「プライベート・イブニング・パーティー」および「マジカル・ファンタジー・パーティー」の一覧です。
- 1月7日 シー 旭化成ホームズ
- 1月10日 シー ディズニーチャンネル
- 1月17日 シー NTTコミュニケーションズ
- 1月24日 ランド スポンサーファミリーサンクスナイト*6
- 1月31日 ランド ディズニー★JCBカード
- 2月5日 ランド アサガミグループ*7
- 2月7日 ランド 三井不動産
- 4月18日 ランド キッコーマン
- 5月30日 シー JCB
- 6月6日 シー NTTドコモ*8
- 10月3日 シー プリマハム
- 10月17日 シー キッコーマン(デルモンテ)
- 11月28日 シー 日本航空
- 12月5日 ランド JCB
営業時間が短いなら、空いてるってこと?
営業時間が短いということは、それだけ訪れる人が少ないということ。年間パスポートを持っている常連の方なんかは、わざわざ営業時間の短い日にパークへ行くという話も聞きます。ただ、地方から金曜日にパークへ来て「えっ!今日は18:30で閉園?」なんて分かったらショックですよね。
そんなゲストのために、このような貸し切り営業が行われる日は「エクストラ・ファン・パスポート」が販売されます。貸し切りが行われるパークへ入園する一般ゲストには、あるカードが配られます。
そのカードと当日入園に使ったパスポートを、貸し切りが行われないほうのパークのチケットブースへ持っていくと、15時から入園できるエクストラ・ファン・パスポートを買うことができるのです。
©Disney
2008年までは1,000円だったのですが、2009年からは2,000円に値上げされました。ただ、通常のスターライトパスポート(15時から入園可)の場合だと、大人一枚4,900円ですので、その半額以下で買えることになります。これはお得ですよね。そのため、貸し切り営業が行われる日は、行われないほうのパークが混雑してしまうという現象もみられるくらいです。
ただ、通常料金を払ってパークに入っているのに営業時間が短くて、しかも2,000円払って隣のパークへ行くのは面倒!と思う方もいるかもしれません。これは難しい問題ですよね。何かオリエンタルランドには良い対応を考えてもらいたいものです。
パークの運営カレンダーを見ていると、通常は22時閉園になっているのに、この日だけ18時半閉園になっているということがあります。それはまさしく「貸し切り営業」が行われる日。これからスケジュールを確認するときは、そんな風に見てみると面白いかもしれませんね。
こんな貸し切り営業もありますよ
2014年1月19日、2月6日、2月13日の3日間、東京ディズニーランドでは閉園後のパークを貸し切って謎解きプログラム「魔法にかけられた夜の王国 奪われたハピネスを取り戻せ!」が開催されます。私はこれを聞いたとき「なかなかいいアイディアだな」と思ったものです。
パークでは初めてとなる貸し切りの謎解きプログラム。チケットの販売状況によっては、今後も開催されるかも。©Disney
実は1月~3月は「閑散期」と呼ばれ、お正月から春休みまでの谷間となるこの時期はゲストが少なくなるのです。1月の平日の場合、貸し切り営業がなくても18時半に閉園、ということも珍しくありません。実際に私も訪れたことがあるのですが、怖くなるほど人がいないのでビックリしました。
今後この閑散期の夜間に企業向けの貸し切り営業や、謎解きのような特別プログラムの開催が行われることが増えると思います。そのほうが閉めておくより利益が上がりますからね。
舞浜新聞としては、海外のパークのようにハロウィーンやクリスマスにも夜間特別営業を行ってほしいのですが…。読者の皆さんはどう思われますか?
*1:このときは一般客がいるパークへ入園する形をとりました。20時に通常閉園・22時に特別営業終了でした。
*2:貸し切り営業を広告宣伝活動に使うのは、オフィシャルスポンサーに限定されています。それ以外の企業や団体は同様の行為をすることはできません。
*3:まるごと一日を休園日にして貸し切りにするということはできません。
*4:内部用語では「ミックスイン」と呼ばれています。
*5:20時からは通常のチケットによる入園ができなくなるという意味で、その時間になったら一般ゲストが追い出されるというわけではありません。
*6:東京ディズニーリゾートのオフィシャルスポンサーの社員・家族向けのイベントです。
*7:年賀状や結婚式の招待状などの印刷を行う「マイプリント」という会社が傘下にあります。ディズニーキャラクター商品も取り扱っています。
*8:午後8時から特別営業となる「マジカル・ファンタジー・パーティー」です。