東京ディズニーランドのシンボルでもあり、ランドマークでもあるのが「シンデレラ城」東京とフロリダのマジックキングダムは、この城をランドマークとしています。
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東京がシンデレラ城なのは、マジックキングダムをモデルにパークを造ったから。カリフォルニアとパリ、香港のディズニーランドは「眠れる森の美女の城」をランドマークとしています。
マジックキングダムのシンデレラ城 ©Disney
東京のシンデレラ城には以前、「シンデレラ城ミステリーツアー」というアトラクションがありました。勇者のメダルがもらえるということで、思い出に残っている人も多いと思います。私はキャストさんの熱演ぶりが印象に残っていますが…。
そんなミステリーツアーは2006年4月に惜しまれつつもクローズ。跡地には「シンデレラのフェアリーテイル・ホール」が2011年4月にオープンしています。
実はマジックキングダムのシンデレラ城には、東京のようなアトラクションはありません。その代わり、シンデレラのロイヤルテーブル(Cinderella's Royal Table)というレストランがあります。
食事をしているとキャラクターが回ってきてくれるので、現地でも大人気。なかなか予約もとれないそうです。では、なぜ東京ではレストランではなく、アトラクションが導入されたのでしょうか。
「レストランへ材料を搬入するための地下トンネルを建設することができなかったから」というのが理由として書かれているものが多いのですが、真相は分かりません。実際、バックステージ(パークの裏方のこと)と直接接続していないレストランは、トンネルを使って搬入を行っています。
「埋め立て地だったからトンネルを掘るのが無理だった」「城の下に傾きを調整するためのプールがあるからダメだった」というようなことが書かれているものもあります。
一部では「シンデレラ城の地下までトンネルは通っている」という話もあります。しかし、これは違うでしょう。トンネルが通っていれば、レストランを開園当初から造っていたはずですし、わざわざアトラクションを造る必要はなかったはず。
それに、地下トンネルがあれば、城前のキャッスルフォアコートステージの出演者たちは、わざわざ城の後ろから出入りする必要はないはずです。
ここで話を2006年に戻します。ミステリーツアーのクローズ後、シンデレラ城では開園以来と言われる大規模な工事が行われました。耐震補強と塗り替えが行われ、色が一新したのです。
しかし、工事終了から5年後にやっと新しいアトラクションがシンデレラ城にできました。これは不自然ではないでしょうか。通常はクローズの発表と後継となる施設の発表は同時期のはず。ここまで間が空くのは妙な話です。
一説によると、当時完成から20年以上が経過していたシンデレラ城の耐震性が問題になったそうです。その耐震工事を行う際、ミステリーツアーがあるエリアも対象となり、やむなくクローズすることになった、というのです。それならクローズから5年で、やっと次のアトラクションがオープンしたのもうなずけます。
ミステリーツアーのクローズはキャストの育成にも原因があると指摘する人もいます。ミステリーツアーの場合、ジャングルクルーズと同様にキャストの演技力がゲストの満足度を左右します。そんな人材育成に手間がかかるアトラクションは手放したかったのでは?というのです。
しかし、実際にミステリーツアーのクローズ後、ジャングルクルーズの船長さんの当たり外れが少なくなった、という声も聞かれます。
さて、現在のシンデレラ城には「シンデレラのフェアリーテイル・ホール」があります。私はこのアトラクションがオープンしてからすぐに行きましたが、並んだ割にはがっかりさせられました。特にキャラクターがいるわけでもなく、ただの撮影セットを見せられているような気分がしたからです。
このままではせっかくのシンデレラ城がもったいない。そう思うのです。本音としてはフロリダと同じように、キャラクターが来てくれるレストランを造ってほしいのですが、構造上やはり難しいと思われます。
せめてディズニープリンセスたちに会えるグリーティング施設にすべきでしょう。結婚式の会場やホールとして活用するのもよいかもしれません。オリエンタルランドはシンデレラのフェアリーテイル・ホールに20億円を投資しています。これだけの投資を無駄にしないためにも、シンデレラ城の有効活用をぜひ考えてもらいたいと思います。