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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



東京ディズニーシーのハーバーの未来を考える

東京ディズニーリゾートの分析・考察

9月7日にシーのハーバーショー「レジェンド・オブ・ミシカ」が終了したことは記憶に新しいと思います。パークは今ハロウィーン一色なのですが、そんな中、シーのハーバーが大きな話題になっています。

 

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©Disney

 

いよいよ始まった「鑑賞環境改良工事」

実は今、シーのハーバーでは「鑑賞環境改良工事」が行われています。この工事計画は4月28日に出された中期経営計画の中で、初めて明かされました。投資額は約25億円、完成は2015年内とされています。

 

オリエンタルランドからは完成後のハーバーの姿など、工事の詳細について、公式な発表はされていません。しかしミラコスタのホームページでは以下のように書かれています。

 

東京ディズニーシーでは、2014年9月7日(日)~2015年2月28日(土)の期間、メディテレーニアンハーバーの一部改修工事が実施されます。工事期間中は、一部の客室やレストランからの景観が通常と異なるほか、騒音が発生する場合がございます。ご了承ください。

 

シーのハーバーを見てみると、かなり広いエリアが工事の対象になっていることが分かります。何も知らない人が見るとビックリするのではないでしょうか。以前は鑑賞エリアだったミッキー広場も、現在はハーバーが高い壁におおわれているため、ショーを見ることはできません。

 

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工事前の写真に今回の工事エリアを重ねたもの。こうしてみると、かなり広大なエリアであることが分かる。©Disney

 

では、一体この工事でハーバーがどのように変わるのか。舞浜新聞ならではの視点で考えてみたいと思います。

 

東京のハーバーは広すぎる? 

もともと東京のハーバーは海外のパークと比べても、かなり広いエリアを占めています。

 

これは「東京ディズニーシー」というパークの名前からも分かるように、海をテーマにしたパークだからでしょう。ミラコスタの下をくぐると、目の前に広がるハーバーと巨大なプロメテウス火山。まさに世界に誇れる風景と言ってもいいと思います。

 

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©Disney

 

しかし、そんな広いハーバーにも問題点がありました。それはハーバーとゲストの鑑賞エリアとの距離が遠いということです。以下はオリエンタルランドが発行している「アニュアルレポート2012」から引用したものです。

 

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東京ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーは広大で、鑑賞エリアとの距離が米国の倍近く開いているという上演環境の違いが課題としてありました。

 

これは2011年4月に導入されたハーバーショー「ファンタズミック!」の導入の背景や狙いについて、エンターテイメント副本部長兼エンターテイメント企画室長の林諭さんが語ったものです。

 

では米国のパークはどうなのでしょうか。同じ「ファンタズミック!」を行っているアナハイムのディズニーランドとオーランドのハリウッドスタジオを東京と比べてみましょう。

 

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衛星写真で見ても分かるように、米国のパークはかなり狭い場所で公演しているのが分かります。ディズニーランドはアメリカ河の対岸、ハリウッドスタジオは野球場のスタンドのような観客席がそれぞれ鑑賞エリアとなっています。

 

東京の場合、広いハーバーを使い、360度どこから見ても楽しめるように設計されてはいるのですが、どうしても船とゲストとの距離が遠いというのが現実なのです。

 

今回の工事は「鑑賞エリアの強化」が狙い?

今回のハーバー工事は鑑賞エリアと船との距離を縮める、そして鑑賞エリアを増やすことを目的としているのではないか、と舞浜新聞では考えています。

 

東京ディズニーリゾートでは近年、ショー・エンターテイメントプログラムの経費削減が進められています。また舞浜新聞では記事の中で、定員に限りがあるキャッスルショーやステージショーよりも、より多くのゲストが楽しめるパレードやハーバーショーに絞っていくのでは?と書いてきました。

 

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近年のショー製作費のグラフ。最近はランド単体の頃とほぼ同じ額まで縮小していることが分かる。

 

今回の工事もその一環ではないかと考えています。シーのハーバーの場合、ランドのパレードルートと違って鑑賞エリアが少ないのが課題の一つでした。ミッキー広場前を埋め立てやボードウォークなどでエリアを広げ、より多くのゲストがショーを見られるように改善するのではないかと思うのです。

 

また今回の工事ではミッキー広場前だけではなく、ザンビーニ前のエリアも対象になっています。こちらも埋め立てやボードウォーク、またはリドアイルのように出島を造って鑑賞エリアを増やすのではないかと思われます。

 

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©Disney

 

販売が好調な「バケーション・パッケージ」のゲストに向けたサービス強化も考えられます。工事前もハーバーにはバケーション・パッケージやガイドツアーのゲスト向けに優先鑑賞エリアは設けられていました。しかし、いずれも正面ではなく少し横からの鑑賞になっていたのです。

 

今後、バケーション・パッケージの販売強化を考えるのであれば、ショーを正面から見ることのできるミッキー広場周辺の鑑賞エリアを増やしたい。オリエンタルランドがそう考えても不思議ではありません。 

 

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ハーバーに面したトランジットスチーマーラインの乗り場上。ショー開催時にはガイドツアーのゲスト向け鑑賞エリアとなる。©Disney

 

さらにオリエンタルランドは4月に発表した中期経営計画の中で、入園者数を「年間3,000万人レベル」まで引き上げることを打ち出しています。以下は近年の東京ディズニーリゾートの入園者数のグラフです。

 

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パーク別の数字に関してはオリエンタルランドからの公式発表が一切ないため、信憑性は分かりません。ただランドに比べてシーの収容能力は低いため、どうしてもシーのほうが入園者数が少なくなってしまうのです。

 

年間3,000万人レベルまで引き上げるということは、ランド・シー双方の収容能力をさらに引き上げる、つまりパークの敷地を拡張するということだと思います。今回のハーバー工事も、鑑賞エリアの拡張で収容能力を引き上げる狙いがあるのではないでしょうか。

 

ハーバー工事、これが初めてではない?

ハーバーの工事、実は今回が初めてではありません。最初は2002年6月から7月。このときはリドアイルとフォートレス・エクスプロレーション横が工事のエリアになりました。実はこのときできたのが「階段」開園当初はここはS字のスロープだけだったのです。

 

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©Disney

 

また同年10月から12月まで以下の4か所で改修工事が行われました。

 

  • ポンテ・ベッキオの脇
  • ポンテ・ベッキオの上
  • プロメテウス火山の下
  • ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ横

 

周りよりも高くなっているこれらのエリアは、実は開園当初はありませんでした。開園から1年後にはもう、ハーバー周辺の鑑賞エリアの改善が行われていたのです。

 

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©Disney

 

さて、ミシカ終了後に始まったハーバー工事。これまでのハーバーの風景が一気に変わってしまうことが少し心配です。工事終了後、ハーバーはどのように変わっているのでしょうか。来年の春まで気になる日々が続きそうです。

 

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©Disney