舞浜新聞

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えっ!?ここまで見せちゃうの?ウォルト・ディズニー・ワールド「バックステージ・ツアー」参加レポート

アメリカ・フロリダにあるウォルト・ディズニー・ワールド。4つのテーマパーク、2つのウォーターパーク、さらには27か所のリゾートホテルを抱える、世界最大のディズニーリゾートです。ファンなら一度は憧れる「聖地」ですよね。

 

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今回はそんなウォルト・ディズニー・ワールドの舞台裏「バックステージ」を見ることができるガイドツアー「バックステージ・マジック」について、皆さんにご紹介します。

 

この記事は、ツアー内容に関するネタバレを含んでいます。また「バックステージ・マジック」は2019年6月1日から、一部の行程が変更になります。ご了承ください。

 

予約はコールセンターのみ

ディズニーワールドでは、様々なガイドツアーが用意されています。中には高額な「VIPツアー」というものもあり、ツアーキャストがつきっきりで案内してくれます。

 

 

数あるガイドツアーの中でも、マジック・キングダムとエプコットのバックステージを見ることができるのが 「バックステージ・マジック」です。予約はコールセンターへの電話のみで、ホテルのコンシェルジュデスクなどでは受け付けていません。ディズニー・バケーション・クラブ(DVC)の会員の方は、アメリカのメンバーサービスから予約すると、割引価格になります*1

 

 

電話のみの受け付けということで、ちょっと敷居が高い感じがしますよね。でも、ご安心ください。曜日や時間帯にもよりますが、英語で「Japanese translater, please.(日本語の通訳をお願いします)」と伝えると、日本語を話せるキャストさんを手配してくれます。

 

ただ、あくまでも「通訳」ですので、予約するオペレーターさんと自分の間に入って、英語と日本語のやり取りをしてくれるだけです。ここは注意が必要ですね。日本から予約する場合は、SkypeなどのIP電話を使ったほうが、通話料金を抑えられると思います。

 

キャンセルは2日前まで、それ以降はキャンセル料が発生します。料金はクレジットカード決済のみで、予約時に番号と有効期限を伝えます。VISAやマスターだけではなく、JCBも使えますよ。

 

出発はエプコットから

バックステージ・マジックは、エプコットのエントランス前にある集合場所から始まります。ツアー開始は9時ですが、集合時刻は15分前の8時45分になっています。

 

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ガイドツアーの集合場所。エントランス前にひっそりとある。

 

このツアーはディズニーの旅行代理店「アドベンチャー・バイ・ディズニー」のキャストさんが担当してくれます。集合時刻になると、担当してくれるガイドさんがやってきます。ここで予約の氏名・人数とアレルギーの有無の確認、そして首から下げるタグを受け取ります。

 

全員のチェックインが終わったら、いよいよツアーのスタートです。まずはガイドさんの自己紹介があり、ディズニーとの関係を話してくれます。その後、ツアーでの注意事項の説明があり、写真撮影や録音・録画が一切禁止になっていることも伝えられます。

 

説明が終わると、グループごとにエプコットのスペースシップ・アースをバックにして、記念写真を撮ります。ツアー中はガイドさんが何枚か記念撮影をしてくれますので、予約時に伝えたメールアドレスに、後日ダウンロードするためのリンクが送られてくる仕組みになっています。自分の写真だけではなく、ツアーで見学した施設の写真も一緒にダウンロードできますよ。

 

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出発前に記念撮影。待っている間に、ガイドさんが話しかけてきてくれる。

 

全員の撮影が終わると、通用口を通って、エプコットのバックステージからバスに乗り込みます。このツアーでは、ペットボトルの水とチョコチップクッキーが取り放題になっています。パーク内で買うと500mLのペットボトルは3.5ドル(約390円)もしますので、これはありがたかったですね。

 

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アメリカのお菓子メーカー「エンジョイ・ライフ・フーズ」のチョコチップクッキー。ガイドさんからも「たくさん持っていってね!」と言われる。

 

アメリカ館の巨大舞台装置

バスはエプコットの外周を通って、アメリカ館へと向かいます。途中、フランス館で建設中の「レミーのラタトゥイユ・アドベンチャー」の工事現場の脇を通るなど、普通なら絶対に見られない光景がたくさん見られます。もちろん、バックステージを行き来するキャストさんの姿も、たくさん見ることができます。

 

バスはアメリカ館の裏側に止まります。ここでは、アメリカ館にある「アメリカン・アドベンチャー」の裏側を見学することができます。このアトラクションは、アメリカ合衆国建国までの歴史について、映像とオーディオ・アニマトロニクスで学ぶことができます。

 

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安全メガネをかけて中に入ると、まずはシアターの裏側にある、巨大な舞台装置を見学します。シアターを制御するコンピューターや、オーディオ・アニマトロニクスが乗った小さな装置が並んでいて、眺めているだけでも壮観でした。映像に影ができないように、客席側ではなく、スクリーンの裏側から投影されていることなど、細かな演出の工夫も説明してくれました。

 

実際にオーディオ・アニマトロニクスで使われている顔や、中に仕込まれている機械部分も触ることができますので、夢と魔法が科学技術で実現していることがよく分かりますね。裏側の見学が終わると、シアターの中や外に回って、展示されている銅像や、強化遠近法を使った建物の設計などについて説明を受けます。また、エプコット開園までの歴史や、ゼネラルモーターズとの関係についても聞くことができました。

 

中でも興味深かったのが、アメリカ館の上に「クラブ33」があるという点でした。以前はクレジットカードのチェースのメンバー専用ラウンジとして使われていたそうですが、今はクラブ33のメンバー専用になっています。一般のゲストからは分からないように、こういう秘密の施設がつくられているのですね。

 

この日、アメリカ館のあるワールド・ショーケースの開園時刻は午前10時。まだゲストがいないパークを見学できるのも、このツアーの醍醐味かもしれません。自転車やセグウェイに乗ったキャストさんもいて、舞台裏で働く様子も見ることができました。

 

コスチューム好きにはたまらない!

アメリカ館の見学を終えて、トイレ休憩をはさみ、続いてクリエイティブ・コスチューミングへと向かいます。途中、使われていないイベントブースや、テストトラックのコースの真下、さらにはナイトショー「イルミネーションズ:リフレクション・オブ・アース」で使われる、巨大な地球儀を見て回りながら、バスは進んでいきます。

 

クリエイティブ・コスチューミングは、ディズニーワールドのアトラクション、ショー、パレード、さらにはホテルで使われるキャストさんの衣装をつくっている場所です。入り口には映画『ミッキーの巨人退治』で登場する、仕立て屋のミッキーマウスのイラストが描かれていて、思わず興奮してしまいました。

 

受け付けにはパークで使われているプリンセスの衣装が飾られていて、通路にもコンセプトアートや衣装の見本、ボタン、布見本などが所狭しと貼られています。コスチューム好きには、本当にたまらないですね。

 

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受付に飾られているプリンセスのコスチューム

 

ディズニーワールドで使われているコスチュームは、わずか5人のデザイナーが手がけていることや、CAD(コンピューター)を使って衣装の図面を作っていることなど、かなりマニアックな説明を受けます。

 

実際にコスチュームを作っているスタジオも見ることができ、目の前で出来上がっていく様子は、本当に感動でした。JUKIのミシンが使われていたのが、日本人として少しうれしかったですね。平日だったからか、制作の打ち合わせをしているところも見ることができ、ミニーマウスの形をしたマネキンを見た瞬間、「ここまで見せるのか!」と思ってしまったほどです。

 

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基本的に施設内のものは触ってはいけないのですが、コスチュームの見本が展示されているエリアは、自由に手に取って見ることができます。まるでキャラクターの衣装倉庫に来た感覚になりました。

 

ここでは、様々な色の糸が置かれている棚を背景に、記念写真を撮ってくれます。ここで働いているキャストさんに質問をすることもできますので、とても勉強になりました。一緒にツアーに参加したおじいちゃんが「ミッキーの顔はここで作られているんですか?」と質問していて、みんなで思わず苦笑いしてしまいましたが…。

 

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記念撮影の傍らでは、キャストさんたちが一生懸命にコスチュームを制作している。

 

ホテルを支える巨大クリーニング工場

クリエイティブ・コスチューミングを後にして、バスは「テキスタイル・サービス」へと向かいます。テキスタイルとは、英語で布地を意味します。実はここ、ディズニーワールド内にあるリゾートホテルのタオルや枕カバーなどのクリーニングを、一手に引き受けている施設なのです。

 

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目の前でタオルがどんどん運ばれていく「テキスタイル・サービス」

 

工場の中に入ると、その大きさにまず驚きます。各ホテルから届けられた使用済みタオルが、キャストさんの手によって仕分けされ、コンテナに乗り、洗濯・乾燥され、それらがきれいに折りたたまれていく様子は、本当に圧巻でした。人間が仕分けしているのは、落ちにくい汚れや、穴・ほつれなどがないかをチェックするためだそうです。最後はやっぱり、人の目なんですね。

 

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工場には英語やスペイン語に加えて、ベトナム語などの表記もあり、バックステージがいかに多様な人たちで支えられているかがよく分かります。英語が話せない移民の方も、たくさん働いているそうです。

 

ここではタオルが運ばれるコンテナの中に入って、記念写真を撮ります。番号がミッキーマウスのスクリーンデビュー年「1928」になっているのが、なんとも心憎いですね。

 

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タオルを運ぶコンテナに入って一枚。なかなか貴重な光景だ。

 

アメリカンな食事でランチ

テキスタイル・サービスの見学を終えて、いよいよ昼食へと向かいます。場所はウィルダネス・ロッジのロビー横にある「ウィスパリング・キャニオン・カフェ」です。

 

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ここはブッフェスタイルのレストランで、食事代金はツアーの中に含まれています。もちろんドリンクも飲み放題。コーンブレッドにポークリブ、チキン、付け合わせの野菜がワンプレートに乗っていて、それをテーブルごとに分けて食べます。食べ終わったら、キャストさんにお願いすると、お代わりを持ってきてくれます。

 

アメリカならではの味付けですので、好き嫌いが分かれるかもしれません。食事の後はデザートとして、季節のフルーツやアイスクリームが乗ったコブラーパイが出てきます。甘さも強くなく、最後まで美味しくいただくことができました。

 

食事中はガイドさんが話を振ってくれますので、ディズニーパークの話で盛り上がります。参加された方は、ここぞとばかりに質問していて、日本とアメリカの文化の違いを感じましたね。

 

夢と魔法を技術で支える人たち

昼食とトイレ休憩を終えて、次は「セントラル・ショップ」へと向かいます。途中、モノレールの車庫や、マジック・キングダムで建設中の「トロン・ライトサイクル・パワーラン」の真横を通っていきます。

 

セントラル・ショップとは、ディズニーワールド内にあるアトラクションの整備工場です。安全メガネを着けて敷地内を進むと、巨大な建物の中に、アトラクションのライドや展示物が所狭しと並べられています。点検や修理が終わったもの、ピカピカに塗装されたもの、図面が入ったケースも置かれていて、夢と魔法が技術で支えられていることがよく分かります。

 

ここでは、ディズニーワールド以外にも、カリフォルニアのディズニーランドや、パリ、香港のアトラクションの修繕・管理も行っているそうです。ガイドさんからは「ディズニーにはSCSEの原則があり、一番大切にしているのは安全性(Safety)です」という説明もありました。ここは東京も同じですね。

 

オーディオ・アニマトロニクスで使われている、様々な種類の樹脂の見本も、触ることができます。一見すると同じ肌色なのに、触った感じは全然違うのは不思議でしたね。また、以前は紙の図面を見て作業していたのが、最近はデジタル化され、iPadとモニターで確認しているという説明もありました。

 

ここでも写真撮影があります。背景になるのが、ノルウェー館にかつてあったアトラクション「マウルストラム」のホッキョクグマです。展示用でボタンを押すと動くようになっていて、間近で見るとその大きさがよく分かりました。

 

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ホッキョクグマの後ろには、オーディオ・アニマトロニクスを管理する部屋もある。

 

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いよいよマジックキングダムの裏側へ!

セントラル・ショップを後にして、いよいよ最後の目的地であるマジック・キングダムへと向かいます。ゲートを通る前に、セキュリティのキャストさんがバスに乗ってきて、一人ずつ荷物の中身を確認されます。全員のチェックが終わったら、いよいよバスはバックステージへと入っていきます。

 

バスを降りて、一度トイレ休憩をはさみます。ここから、いよいよマジック・キングダムの地下にある通路「ユーティリドー・システム」へと入っていきます。

 

秘密基地のような階段を降りていくと、キャストさんのロッカーが並び、各テーマランドへとつながるトンネルが広がっています。荷物を載せたゴルフカートが走り、休憩所で休むキャストさんがいるなど、マジック・キングダムの舞台裏をのぞくことができます。写真でしか見たことがなかった光景が目の前に広がっていて、本当に鳥肌が立ちました。

 

 

ここでは、ウォルトの死後、ディズニーワールド建設に尽力した兄、ロイ・O・ディズニーの功績についての展示を見ることができます。また、オンステージと気持ちを切り替えるために、地下通路では音楽が流れていないこと、エリアごとに壁の色を変えて、キャストが分かるようにしていることなども説明されました。

 

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マジック・キングダムにあるブロンズ像「シェアリング・ザ・マジック」ミニーマウスの手を優しく握る、ロイ・O・ディズニーがかたどられている。

 

看板や壁にはミッキーたちがたくさん描かれていて、こういう職場で働けたら楽しいだろうな…とも感じました。地下通路の中に入るだけでも、このツアーに参加した意味はあったと思います。

 

本当に名残惜しいですが、ツアーはここで終了となります。解散はマジック・キングダムかエプコットのいずれかを選べます。バスを降りるときには、参加者限定のピンバッチをもらうことができますので、貴重なお土産になりますね。もちろん、首から下げていたツアーのタグも持ち帰ることができますよ。

 

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ツアーの参加料金はいくらなの?

朝9時にスタートする「バックステージ・マジック」。終了は16時頃という7時間の濃いツアーになっています。参加料金は、昼食代を含めて、大人一人275ドル(約3万円)です。個人的には、普段は入れない施設を見学することができますし、ガイドさんが細かなところまで説明してくれますので、この金額を出すだけの価値は十分あると思います。

 

ただ、一つだけ注意しておきたいのが、すべて「英語」による解説という点ですね。VIPツアーですと日本語を話せるガイドさんを手配することもできますが、バックステージ・マジックではできません。

 

「バックステージを見てみたい」「夢と魔法を支える舞台裏を知りたい」と考えている方には、ぜひおすすめしたいですね。予約はウォルト・ディズニー・ワールドの予約センター(407)939-8687、バケーションクラブのメンバーの方は(800)800-9800からできます。

 

ウォルト・ディズニー・ワールドを訪れたときには、ぜひガイドツアーにも参加してみてください。きっと新しい発見がたくさんあると思いますよ。

 

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*1:日本語対応のメンバーサービスからは、ガイドツアーの予約をすることはできません。ご注意ください。