舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



私を上海に連れてって!旅行記

7月30日~8月1日まで、中国の「上海ディズニーランド」へ行ってきました。

 

f:id:Genppy:20160731120401j:plain

©Disney

 

現地からのTwitterによるレポートはこちらを。

 

上海のパークに関する分析記事はこちらを。

 

上海ディズニーランドは、今年6月16日に開園したばかりの、出来たてほやほやのパークです。今回は実際にパークを訪れてみて、舞浜新聞が思ったことや感じたことをまとめていきたいと思います。

 

f:id:Genppy:20160730113629j:plain

©Disney

 

ゲストのマナーは心配なし!

日本のメディアでも、上海ディズニーランドの開園は大きく取り上げられました。しかし、「ゲストのマナーが悪い」「レストランのメニューが写真と違い過ぎる」といった、ネガティブな報道を見かけた方が多かったと思います。また「中国人はすぐに割り込みをする」「外ですぐにトイレをさせる」といった、偏った中国のイメージも多く伝えられました。

 

f:id:Genppy:20160730101129j:plain

©Disney

 

正直なところ、私も行くまで一番不安だったのが、このゲストのマナーでした。しかし、実際にパークを訪れてみると、多くのゲストはきちんと順番を守っていますし、外でトイレをさせる、柵の中に入り込んでいく、といったマナー違反を見かけることは全くありませんでした。

 

ただ、ディズニー側も、割り込みや順番抜かしができないように、十分対策を取っているな、という印象はありました。多くのキャストが配置されていますし、パレード運行中もゲストがルートに出ると、すぐに注意をする体制になっていました。

 

もちろん、私の見えないところでマナー違反はあるかもしれません。しかし、日本のメディアが取り上げていたような、無法地帯にはなっていませんでした。今後、中国国内でも、所得や生活レベルが上がっていけば、必然的にマナーは良くなっていくと思います。

 

新しいミッキーとミニーのフェイス

次に私が上海を訪れるうえで不安だったのが、ミッキーとミニーでした。

 

パーク開園前、上海市内で関係者向けのイベントが行われました。そこで、初めて新しいフェイスのミッキーとミニーが登場したのです。

 

 

最初はInstagramで発信されましたが、そこから一気にTwitterやFacebookといったSNSに拡散していきました。当初は「中国だから偽物のミッキーでは?」といった声もあったのですが、パークのプレオープンで登場したミッキーとミニーが新しいフェイスだったことから、上海でフェイスが変わることが決定的となったのです。

 

私は最初、この新しいフェイスについて、違和感しかありませんでした。もちろん、従来のフェイスを見慣れているというのもあったのですが、やはり白目が大きいこと、瞳が下に寄りすぎていることから、どうしても馴染めなかったのです。

 

f:id:Genppy:20160730132133j:plain

©Disney

 

今回パークを訪れてみて、思っていたほど新しいフェイスに対して、違和感は覚えませんでした。自分でも少し不思議でした。

 

新しいフェイスはこれまでのフェイスに比べて、アニメーションのミッキーや、ぬいぐるみのミッキーに近づいている、と言われています。すでにマジックキングダム、クルーズライン、パリのパークでは、新しいフェイスが導入されています。

 

今後、アナハイムや香港、アウラニ、そしてフランチャイズの東京でも、ミッキーのフェイスが変わるのは時間の問題でしょう。

 

f:id:Genppy:20150725171135j:plain

これまでにもフェイスの変更はあった。しかしファンの裾野が広がった今、舞浜での混乱は必至だろう。©Disney

 

上海ディズニーランドの開園直後、日本のメディアでは新しいフェイスのミッキーやミニーも大きく取り上げられました。ただ、どのメディアも顔の違いは取り上げておらず、一般層のゲストは違いに気づいていないようです。

 

東京ディズニーリゾートでも、ミッキーやミニーのフェイスが変わったときに、一体何が起きるのか。東京の場合は、キャラクターの熱烈なファンが多くいます。オリエンタルランドの対応も含めて、注視していく必要がありそうです。

 

f:id:Genppy:20160731132043j:plain

©Disney

 

トロン・ソアリン・カリブには絶対に乗って!

上海ディズニーランドには、これまでのディズニーパークに導入されたアトラクションに加えて、オリジナルのアトラクションもたくさん作られました。

 

中でも舞浜新聞がおすすめしたいのは以下の3つです。

 

  • トロン・ライトサイクル・パワーラン
  • ソアリン・オーバー・ザ・ホライズン
  • カリブの海賊 - バトル・フォー・ザ・サンケン・トレジャー

 

f:id:Genppy:20160730150715j:plain

トロン・ライトサイクル・パワーラン ©Disney

 

トロンはディズニーパークでは史上初めて、バイク型のジェットコースターです。ゲストはバイク型のライドに、うつ伏せ状態でまたがるのです。これだけでも、かなりのスリルがあるのが分かると思います。

 

あまり詳しく書くとネタバレになってしまいますが、コースは2種類、屋内と屋外にレールがあります。かなりのスピードで走り抜けますので、爽快感は素晴らしいです。特に夜は幻想的な雰囲気で、さらに盛り上がると思います。

 

ただ、絶叫系が大好きな私でも、かなり怖かったというのが正直な感想です。もちろん、バイクが好きな方には、空を疾走している感覚が味わえると思いますし、これに乗るために上海へ行く価値はあると思います。

 

ちなみに、トロンに乗る場合は、荷物はロッカー(無料)に預ける必要があります。タッチパネルには日本語メニューもありますので、そこで操作をして、自分のロッカー番号を発行、指定されたロッカーに荷物を入れてロックすれば大丈夫です。なお、メガネやポケットの中身は、ライドの荷物入れに入れなくてはいけません。

 

f:id:Genppy:20160730143101j:plain

ソアリン・オーバー・ザ・ホライズン ©Disney

 

2つ目のソアリンはアナハイムとオーランドにもある、おなじみのアトラクションです。すでに2019年度中の、東京ディズニーシーへの導入も決まっていますね。

 

 

これまでのアナハイム版、オーランド版と比べると、上海版はファンタジー色が強くなり、ストーリー設定も強化されたのかな、という印象を受けました。

 

これまでのソアリンは、どちらかというと遊覧飛行という意味合いが強く、場面の映像もブツ切れになっていました。しかし、上海は「空を旅する」というストーリー設定が明確で、映像も自然につながっていました。

 

現地のゲストにもソアリンは大人気で、ファストパスも早い時間になくなっていました。東京のソアリンがどのような形になるのかは、現段階ではなんとも言えません。ただ、上海版がベースになる可能性は高いでしょう。

 

f:id:Genppy:20160730142503j:plain

カリブの海賊 - バトル・フォー・ザ・サンケン・トレジャー ©Disney

 

3つ目のカリブも、東京でもおなじみのアトラクションです。ただ、上海版カリブは、映像技術もさることながら、船の動かし方もかなり進化していました。こちらも、あまり詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、アナハイム版、オーランド版、そして東京版と比べても、十分期待できると思います。

 

おすすめしたい3つのアトラクションのほかにも、照準が出て打ちやすくなった「バズライトイヤー・プラネット・レスキュー」や、マジックキングダムでも大人気の「七人のこびとのマイントレイン」、びしょ濡れになる「ロアリング・ラピッド」も、ぜひ押さえていただきたいですね。

 

f:id:Genppy:20160730144638j:plain

七人のこびとのマイントレイン ©Disney

 

これまでのディズニーパークとこれから

上海ディズニーランドを訪れてみて、強く感じたのは、これまでのディズニーパークの歴史を大切にしながら、新しいパークの形を模索しているのではないか、という点でした。

 

f:id:Genppy:20160731120534j:plain

©Disney

 

上海のパークは、アナハイムのディズニーランドや、オーランドのマジックキングダムと比べてみると、エントランスからの「メインストリート」というものがありません。また、シンボルとなる城から各エリアへのルートは明確になっていません。

 

香港ディズニーランドのように、従来から成功しているパークの形を、そのまま上海に持ち込めば簡単なような気がします。しかし、それをやらなかったということは、ディズニーが上海で新しいパークの形を作り出そうとしているのではないか、と感じるのです。

 

また、「クリスタル・グロットへの旅」というアトラクションに乗ったときでした。このアトラクションは、船に乗りながら、ディズニーの名作映画の場面を見て回るというものです。多くのファンの方は、これを見て「おとぎ話版のジャングルクルーズ」と揶揄していましたが、私は違うと思います。

 

f:id:Genppy:20160731094150j:plain

クリスタル・グロットへの旅 ©Disney

 

実はこのアトラクション、ジャングルクルーズとは違って、キャストが実際に船を操縦しているのです。これはまさしく、アナハイムのディズニーランドに開園当時からある「おとぎの国のカナルボート」のオマージュでしょう。

 

わざわざ上海にこのアトラクションを作ったということは、これまでのパークの歴史を踏まえて、新しいものを作っていく決意の表れのような気がするのです。

 

ディズニーにとって、中間所得層を多く抱える中国は、非常に魅力的な市場です。ここでの失敗は絶対に許されません。中国政府にとっても、海外で富を消費するよりかは、自国内でたくさん消費してもらう方が、経済が潤います。ディズニーランドには、絶対に集客で成功してもらわなくてはいけないのです。

 

パーク内には、いたるところに小さな緑地があります。また全体的に施設は余裕を持たせて配置されており、パーク周辺にも拡張用地がたくさん用意されています。今後、集客に成功して、パークの拡張を進めていけるのか。まずはお手並み拝見、といったところでしょうか。

 

f:id:Genppy:20160730144024j:plain

パーク内のいたるところに、こういったミニ緑地がある。©Disney

 

初めての春秋航空

今回は初めて、中国系のLCCである春秋航空を利用しました。羽田空港と上海の浦東空港を、以下の運行時間で週に4回結んでいます。

 

  • 羽田1:30発→浦東3:40着
  • 浦東19:05発→羽田23:00着

 

 

春秋航空を利用すると、出発日は丸一日遊ぶことができます。また帰国日も十分に上海市内を回ってから、空港に行って帰ることができるようになっています。

 

利用してみると、ほとんどが中国人の方で、日本人の方はごくわずかでした。羽田の出発は深夜の1時半なのですが、機内はおしゃべりが絶えず、少しにぎやかな様子でした。仮眠を取りたい方には、少し厳しいかもしれません。なおLCCですので、機内食や飲み物のサービスはありません。

 

春秋航空の場合、「一般クラス」の手荷物は15kgまで、「スプリングプラス」は25kgまで持ち込むことができます。ただ気を付けたいのは、この「15kg」というのは、貨物室に預ける荷物と、客室に持ち込む荷物を合わせた重量だという点です。

 

搭乗前のチェックインのときに、この重量は厳しく計られます。そのため、チェックインカウンターが混雑しやすく、私が行ったときも羽田・浦東ともに大行列でした。ただ、ノートパソコンが入っている場合は、少し猶予してくれるみたいです。超過した場合は別途料金を取られてしまいますので、利用される方は注意が必要だと思います。

 

余談なのですが、帰りの羽田便が遅延しました。しかし、遅延の連絡は電光掲示板と、空港のアナウンスのみ。搭乗ゲートのスタッフは一切、何も説明してくれませんでした。中国人の利用客の方も、かなり苛立っている様子だったのを、よく覚えています。

 

実際に出発したのは、定刻より2時間以上も遅れた、午後9時過ぎ。羽田に着いたころには、深夜2時を回っていました。「LCCだから仕方がない」「飛んだだけマシ」と言われるかもしれませんが、ちょっと対応には疑問が残りました。LCCを利用する場合には、このあたりのリスクを考える必要があると思います。

 

Googleが使えない?

中国本土では、情報検閲のために、Googleのサービスや、twitter、facebookといったSNSには接続できないようになっています。携帯電話会社が提供する海外パケットサービスや、レンタルWi-Fiなどは、この接続規制の影響を受けてしまいます。

 

今回私は、香港の通信網を経由するSIMカードをAmazonで購入しました。これを使えば、規制を受けることなく、日本と同じようにサービスを使うことができるようになります。

 

 

ちなみに、iPhone6Sや、中国の周波数に対応している一部のスマートフォンは、Amazonで売られている4G・LTE対応のSIMカードも使うことができます*1

 

 

また、VPNサービスといって、中国以外のサーバーを経由することで、接続規制を回避できるものもあります。ただし、接続が不安定になったり、突然接続が切れたりしてしまうこともあります*2

 

 

最近ではこのVPNに対応した、レンタルWi-Fi端末などもあるようです。通常のプランよりも少し割高になっていますが、このあたりのサービスもうまく活用したいですね。

 

 

おわりに

開園直後のメディアの報道を見て、上海ディズニーランドへ行くのを迷っている方も多いと思います。私も実際に行くまで、楽しみな気持ちよりも、不安な気持ちの方が大きかったです。

 

f:id:Genppy:20160730133638j:plain

©Disney

 

しかし、実際に訪れてみると、そこまで酷い状況ではありませんでした。もちろん中国本土であることは考えなくてはいけませんが、香港ディズニーランドと同じ感覚で楽しむことができると思います。

 

上海にはオリジナルのアトラクションがいくつかあります。もちろん、ここでしか楽しめないショーやパレードもたくさんあります。上海には東京や大阪、名古屋に加えて、地方空港からも航空便が多く就航しています。

 

メディアの報道に惑わされずに、ぜひ一度、上海ディズニーランドを訪れていただきたいと思います。

 

f:id:Genppy:20160731090808j:plain

©Disney

 

よもやま話

上海の場合、ファストパスはアトラクションごとではなく、テーマランドにあるキオスクで発行します。おそらく、今後のアトラクション増設や、ウォルト・ディズニー・ワールドのようなマジックバンドシステムの導入を考えているのかもしれません。

 

今回はディズニー直営ホテルではなく、上海市内にある「ドーセット上海」に宿泊しました。ビジネス客向けのホテルですが、サービスもよく、快適に過ごせました。ただ、やっぱりパークへ行く電車の時間がもったいなかったですね。

 

 

今回の旅では、上海の地下鉄を活用しました。駅でチャージ式の「交通カード」を買えば、いちいち切符を買わなくても乗り降りができるので、とても便利でした。交通カードの場合は、空港と市内を結ぶリニアの運賃割引や、乗り継ぎ割引も受けることができます。

 

 

上海の地下鉄は時間に正確で、車内もきれいになっていますので、日本の地下鉄と同じ感覚で利用することができます。ただ、ラッシュ時は乗る人と降りる人で押し合いになりますので、注意が必要ですね。

 

中国へ行って気になるのが、飲み物だと思います。パーク内には水飲み場がありますが、できれば避けた方がいいと思います。飲み物も、氷なしで頼むようにしましょう。

 

また、パーク内のペットボトル飲料は、市内と比べてかなり高くなっています。できれば、上海市内にあるコンビニか、パーク最寄りの地下鉄駅にあるファミリーマートで買うようにしましょう。

 

f:id:Genppy:20160731192910j:plain

パーク内で売られている「涵養泉」は天然のミネラルウォーターで10元。同じメーカーの「侊悦」は水道水を浄化したもので、コンビニで買うと2元。

 

上海のパークではお土産袋は有料(1枚1元)です。もし取り分けるために、たくさん袋が必要な場合は、その分だけ買うこともできますよ。

 

f:id:Genppy:20160819194455j:plain

グランド・オープニングのデザインになっているお土産袋。表面はミッキー、裏面はミニーが描かれている。©Disney

 

帰りの飛行機に乗るため、浦東空港へ向かうときに、初めてリニアモーターカーに乗りました。こちらでは「マグレブ」と呼ばれています。最高時速430km、空港までわずか8分で到着してしまいます。あまりの速さにビックリしてしまいました。

 

f:id:Genppy:20160801153909j:plain

上海市内と浦東空港を結ぶリニア。時間帯によって300km/h運行と430km/h運行に分かれている。

 

帰国日の翌日は仕事でしたので、羽田空港の中にある「ファーストキャビン」に泊まりました。カプセルホテルなのですが、大浴場もあって、すごく快適でした。ただ到着時間が遅いと、電車・ターミナル連絡バスともに終わっていますので、国際線ビルから第1ビルまで、タクシーで移動しなくてはいけません。

 

*1:中国の4G・LTEは独自の周波数を使っているため、対応しているスマートフォンは日本国内でほとんど売られていません。

*2:中国国内のホテルによっては、無料Wi-FiでVPNサービスを提供しているところもあります。