9月21日、オリエンタルランドは、報道関係者向けに2018年度の東京ディズニーリゾート年間プログラムを発表しました。
2018年度は東京ディズニーランドが開園から35周年を迎えます。今回のアニバーサリーイベントは「Happiest Celebration!」をテーマに、リゾート全体がお祝いムード一色となります。
35周年イベント「Happiest Celebration!」のコンセプトアート ©Disney
それでは、オリエンタルランドから発表されたプレスリリースをもとに、舞浜新聞独自の視点で、東京ディズニーリゾートの将来像を読み解いていきたいと思います。
2017年度のスケジュールは、こちらをどうぞ。
東京ディズニーランド
まずは東京ディズニーランドから見ていきましょう。
2018年
- 4月15日~ デイパレード「ドリーミング・アップ!」(提供:NTTドコモ)
- 4月15日~ アトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」(提供:日本通運)リニューアル
- 6月7日~7月7日 ディズニー七夕デイズ
- 7月10日~ ナイトタイムスペクタキュラー「Celebrate! Tokyo Disneyland」
- 7月10日~ シアターオーリンズの新しいショー(名称未定)
- 7月10日~9月2日 ディズニー夏祭り
- 9月11日~10月31日 ディズニー・ハロウィーン
- 11月8日~12月25日 ディズニー・クリスマス
2019年
- 1月1日~1月6日 お正月のプログラム
- 1月11日~3月25日 “Happiest Celebration!”グランドフィナーレ
35周年のオープニングは、デイパレードとスモワ
東京ディズニーランドでは、35周年イベント「Happiest Celebration!」の開催に伴い、イースターイベントは行われません。これは、2013年に開催された30周年イベントのときと同様です。おそらく、ランドは周年イベント、シーはイースターを前面に出して、大々的にプロモーションを行うからでしょう。
本来、4月~6月の第1四半期は、東京ディズニーリゾートにとって、集客に苦しむ時期でした。4月は新年度・新学期を迎え、慌ただしい時期になります。5月の連休を除いては、6月の梅雨も含めて、どうしても客足は落ち込む傾向にあります。
そこで、春の集客策として打ち出されたのが「イースター」でした。元々はキリスト教の「復活祭」ですが、東京ディズニーリゾートでは春の来園動機にしたことで、少しずつ入園者数・売上高を伸ばしているのです。
史上初めて、期間限定パレードに協賛企業が付いた「うさたま大脱走!」イースターもすっかり日本で定着した。©Disney
今回は周年イベントが開催されるため、わざわざイースターイベントを行わなくても、第1四半期は十分な数字が取れる、と見通しているのでしょう。
35周年イベントのオープニングの目玉は、新しいデイパレード「ドリーミング・アップ!」と「イッツ・ア・スモールワールド」のリニューアルです。
新パレード「ドリーミング・アップ!」のコンセプトアート ©Disney
現在公演中のパレード「ハピネス・イズ・ヒア」も、2013年の30周年イベントからスタートしています。フロートの耐用年数や、スポンサーであるNTTドコモとの契約を考えると、この時期でのリニューアルは自然な流れでしょう。ハピネス・イズ・ヒアは、2018年4月9日で公演を終了する予定です。
デイパレード「ハピネス・イズ・ヒア」©Disney
個人的に注目したいのは2点あります。1点目は、公演中にフロートが停止して、キャラクターやダンサーがパフォーマンスをする「ショーモード」があるのか。2点目は、ダンサーなどの出演者数です。
現在公演されている「ハピネス・イズ・ヒア」は、30周年イベントのフィナーレ期間(2014年1月14日~3月20日)に限って、ショーモードを行いました。しかし、その前の「ジュビレーション!」は、周年イベントの期間中は、年間を通じて、ショーモードを行っていました。さらにさかのぼると、「ディズニー・ドリームス・オン・パレード」は、「ムービン・オン」にリニューアルされるまでの3年間、周年イベントが終了後も、ショーモードが行われていました。
ショーモードはダンサーやキャラクターの動きがより大きくなるため、華やかな印象を感じます。アニバーサリーイベントにふさわしい演出だと言えるでしょう。
その一方で、ショーモードを行う場合、ダンサーやパフォーマーは高い技能が求められるだけではなく、そのぶんの練習時間も必要になってきます。また、公演時間が通過型に比べて長くなることで、パレードルートにより多くのキャストが必要になってきます。2020年の大規模開発に向けて、できるだけ経費を抑えたいオリエンタルランドの経営姿勢とは、真逆の方向性だと言えるでしょう。
ただ、イースターやハロウィーン、クリスマスなどの期間限定パレードでは、ショーモードが行われています。2016年から行われている「ハロウィーン・ポップンライブ」のように、従来は3回だった停止を9回に増やし、1回あたりの停止時間を少なくすることで、ゲストが偏らないようにしている事例もあります。
停止回数の増加や、時間差をつけたフロートの運行など、実験的な要素が目立つ「ハロウィーン・ポップンライブ」©Disney
「ドリーミング・アップ!」にはショーモードが導入されるのか、導入されるとして周年イベント終盤の集客策として行われるのか、注目したいところです。
2点目は、ダンサーなどの出演者数です。過去3つのデイパレードを見ると、以下の通りになっています。
- ドリームス・オン・パレード(ムービン・オン含む)約200名
- ジュビレーション! 約160名
- ハピネス・イズ・ヒア 約130名
20周年イベントに合わせて導入されたドリームス・オン・パレードから、リニューアルを重ねるごとに、出演者数が減っているのです。
以下は2017年度の季節イベントパレードの出演者数です。
- うさたま大脱走! 約90名
- 燦水!サマービート 約65名
- ハロウィーン・ポップンライブ 約95名
- クリスマス・ストーリーズ 約110名
- フローズンファンタジー・パレード 約85名
こうして比べてみると、レギュラーのデイパレードが季節イベントのパレードよりも、少し豪華な程度まで削られてしまっていることが分かります。スポンサーであるNTTドコモとの契約も関係してくるかもしれませんが、ここはアニバーサリーイベントにふさわしいプログラムを期待したいですね。
新パレード「ドリーミング・アップ!」とともに、35周年イベントの目玉となっているのが、アトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」のリニューアルです。
「イッツ・ア・スモールワールド」のコンセプトアート ©Disney
工事期間は約1年間、日本通運がスポンサーになっていますので、周年イベントの幕開けにふさわしいアトラクションに仕上がっていると思います。プレスリリースには、以下のように書かれています。
『アナと雪の女王』のエルサ、アナ、オラフのほか、『ふしぎの国のアリス』や『シンデレラ』、『ピーター・パン』、『塔の上のラプンツェル』、『ムーラン』、『アラジン』、『ライオン・キング』などといった、世代を超えて愛され続けている様々なキャラクターが約40体加わることで、それぞれのシーンをより華やかに彩り、さらに幸せな船旅をお楽しみいただけます。
米カリフォルニアのディズニーランドと、香港ディズニーランドにあるスモールワールドには、すでにディズニーキャラクターたちの人形が導入されています。ただ、香港が2008年~、カリフォルニアは2009年~のため、「塔の上のラプンツェル」や「アナと雪の女王」は、東京が唯一の導入となります。
スモールワールドには、ファストパスが導入される予定です。以前、クリスマス期間限定の装飾が施された「ベリーメリーホリデー」が行われていたときも、ファストパスが導入されていたことがありました。混雑を緩和する意味で、ファストパス導入はうれしいですね。
ちなみに、プレスリリースには、「限定グッズやメニューを販売する特別なショップを東京ディズニーランドに期間限定でオープンします」という一文があります。メニューについては、プラザ周辺の臨時店舗、グッズについては今年7月にクローズした「ベビーマイン」が期間限定ショップになる可能性が高いですね。
七夕は1か月に延長!
オープニングと夏イベントをつなぐのは、6月7日から7月7日まで開催される、七夕イベント「ディズニー七夕デイズ」です。イベント開始当初は1週間程度だったのが、2週間に延長され、2016年以降は3週間に引き延ばされていました。それをさらに延長して、開催期間を1か月にするのは、正直に言って驚きました。
浴衣姿のゲストも目立つ「ディズニー七夕デイズ」©Disney
ただ、本来は3月~4月に行われるイースターを、6月まで引き延ばすこと自体が、不自然だったと言えるかもしれません。オリエンタルランドとしては、物販の数字も好調で、外国人ゲストの来園にもつながる七夕イベントを拡充させた方が、良い数字が出せると考えたのでしょう。
ただ、それならば、ウィッシング・プレイス(短冊を吊るす場所)だけではなく、七夕グリーティングや期間限定ショーなどにも、ぜひ力を入れていただきたいですね。
7月10日からは、シンデレラ城を舞台にした、新しいショー「Celebrate! Tokyo Disneyland」がスタートします。 プレスリリースには、以下のように書かれています。
キャッスルプロジェクションに、噴水や夜空いっぱいに広がる光の演出などの新たな効果を加えた、これまでにないスケール感をお楽しみいただける新しい夜のショーです。ミッキーマウスが登場するとプログラムがスタート。魔法にかかったシンデレラ城を舞台に、東京ディズニーランドの様々なエリアを巡る映像や音楽に乗せて、幻想的な世界をお届けします。
今年11月6日で公演が終了する「ワンス・アポン・ア・タイム」でも見られた、パイロ(花火)や光の演出に加えて、噴水も新しく加えられるようです。上海ディズニーランドの「イグナイト・ザ・ドリーム」とディズニーランド・パリの「ディズニー・イルミネーションズ」では、プロジェクション・マッピングと噴水を融合させた、豪華なショーを公演しています。おそらく、それに近いものになるのかもしれません。
ディズニーランド・パリ「ディズニー・イルミネーションズ」©Disney
「東京ディズニーランドの様々なエリアを巡る映像や音楽」という表現もありますので、アニバーサリーにふさわしい、東京オリジナルのショーになるでしょう。
同じく、7月10日からは、シアターオーリンズで新しいショー(名称未定)が始まります。現在公演中の「ミニー・オー!ミニー」は、2018年3月19日で公演を終了する予定です。
2004年4月から始まった「ミニー・オー!ミニー」14年の歴史に幕を下ろす。©Disney
ミニー・オー!ミニーの公演終了から4か月弱でのスタートですので、それほど大規模なリニューアル工事は行われないと思われます。終了時期は明らかになっていませんので、おそらくレギュラーショーとして、周年イベント終了後も、公演が続けられるでしょう。
プレスリリースには、「陽気な音楽に合わせて登場するディズニーの仲間たちとゲストが、一緒に盛り上がることのできるショー」という表現もありますので、アドベンチャーランドの雰囲気に合わせたショーが行われる可能性が高いでしょう。
ただ、一つ気がかりなのは、シアターオーリンズを提供していた「ニチレイフーズ」が、2007年からのスポンサー契約を打ち切ったことです。ミニー・オー!ミニーは、ニチレイのスポンサー就任に合わせて、演出の一部が変更されたり、コスチュームが新しくなったりと、目に見える形で恩恵がありました。スポンサーなしの状態が、新しいショーにどのように影響を与えるのかは、気になりますね。
さて、7月10日から9月2日までは、毎年恒例となった「ディズニー夏祭り」も開催されます。プレスリリースには、「ミッキーマウスをはじめとするディズニーの仲間たちが、和楽器でアレンジされたディズニーソングに乗せて大量の水しぶきを上げながら、35周年のお祭りムードを盛り上げます」という表現がありますし、2つの新ショーも行われますので、おそらく今年公演された「燦水!サマービート」が引き続き行われると思われます。
ただ、和のコンセプトを引き継いだ、新しいショーへリニューアルする可能性も、わずかではありますが残っています。そろそろ「夏祭り」というテーマも、ネタ切れのような印象を感じますので、周年イベント終了後、まったく新しいコンセプトが登場することを願ってやみません。
ハロウィーンはテーマを一新
9月11日から10月31日までは、「ディズニー・ハロウィーン」が開催されます。プレスリリースには、「イベントのテーマを一新し、みんなで盛り上がる、ディズニーならではのハロウィーンをお届けします」という一文がありますので、2016年・2017年のパレード「ハロウィーン・ポップンライブ」を、2018年では一新するということでしょう。
ハロウィーン・ポップンライブ ©Disney
ここ数年、ハロウィーンのパレードは3年間同じテーマが使われてきました。2年でリニューアルするということは、オリエンタルランドが、シーに比べてランドの集客が弱いと考えている可能性もあります。周年イベントに合わせてリニューアルするということは、9月・10月にいい数字を出して、第3四半期・第4四半期に向けて弾みをつけたい、と考えている証拠かもしれません。
「ディズニー・クリスマス」に名称を統一
11月8日から12月25日までは、「ディズニー・クリスマス」が開催されます。今回、開園以来続いてきた「クリスマス・ファンタジー」という名称を、初めてシーと統一することになりました。これはおそらく、テレビCMやポスターなどのプロモーション活動で、イベント名が異なると手間がかかるため、ランド・シー共通のグッズをより多く展開するため、だと思われます。「ランドらしさ」「シーらしさ」が失われることで、少し寂しさを感じますね。
プレスリリースには、以下のように書かれています。
2018年も“クリスマスのストーリーブック”をテーマに、パーク全体がクリスマスムードに包まれる、ファンタジックで楽しいクリスマスをお届けします。パレードルートでは、絵本の中から飛び出してきたクリスマスを楽しむディズニーの仲間たちの物語が描かれたパレードを公演。
「クリスマスのストーリーブック」という表現がありますので、2015年から公演されている「ディズニー・クリスマス・ストーリーズ」を、2018年も引き続き行うと思われます。クリスマス・ストーリーズの前に行われていた「ディズニー・サンタヴィレッジ・パレード」も4年間公演されましたので、クリスマス・ストーリーズも同様に4年間公演する可能性は高いでしょう。
ディズニー・クリスマス・ストーリーズ ©Disney
お正月については、例年通りのグリーティングになるでしょう。2019年は「亥(イノシシ)」ですので、ストレートにいくと、ライオン・キングのプンバァでしょうか。
35周年イベントの最後を飾るのが、1月11日から3月25日まで行われる「グランドフィナーレ」です。プレスリリースには、以下のように書かれています。
1年間ゲストの皆さまと生み出してきたたくさんのハピネスとともに、一層祝祭感にあふれる雰囲気に包まれます。グランドフィナーレ限定のグッズなども登場し、35周年の最後を盛り上げます。
期間限定のショーやパレードなどの記述は、一切ありません。30周年イベントのときは、限定コスチュームを着たミッキーマウスとのグリーティングと、デイパレード「ハピネス・イズ・ヒア」のショーモード程度でした。かつての周年イベントのように、豪華なショーを行うことは、費用対効果などを考えると、難しいのでしょう。
おそらく35周年イベントでも、グランドフィナーレ限定グッズの展開と、新パレード「ドリーミング・アップ!」の演出が少し変わる程度になると思われます。ただ、決算の目標値達成が難しくなった場合は、人気キャラクターとの期間限定のグリーティングや、何らかのテコ入れが行われる可能性もあります。
東京ディズニーシー
次は東京ディズニーシーを見ていきましょう。
2018年
- 3月27日~6月6日 ディズニー・イースター
- 4月15日~ 水上グリーティング(名称未定・2019年3月25日まで)
- 6月7日~7月7日 ディズニー七夕デイズ
- 7月10日~ 「ドックサイドステージ」の新規ショー(名称未定)
- 7月10日~9月2日 ディズニー・パイレーツ・サマー
- 9月11日~10月31日 ディズニー・ハロウィーン
- 11月8日~12月25日 ディズニー・クリスマス
2019年
- 1月1日~1月6日 お正月のプログラム
- 1月11日~3月25日 ディズニー/ピクサーのスペシャルイベント(名称未定)、ダッフィーのプログラム(名称未定)
イースターは3月27日スタート
春はすっかり恒例となった、イースターイベントが行われます。プレスリリースには、「華やかなコスチュームで着飾ったディズニーの仲間たちとおしゃれなファッションに身を包んだアーティストたちによる春の祭典を公演します」という表現もありますので、おそらく今年に引き続いて、「ファッショナブル・イースター」が公演されると思われます。
ファッショナブル・イースター ©Disney
イースターイベントは、これまで4月スタートでしたが、今回は3月からのスタートとなります。ランドの周年イベントを前に、春休みの多客期にシーの売り上げを上積みしておきたいのでしょう。
シーでも35周年イベントに合わせて、1年間の期間限定で水上グリーティングが行われます。プレスリリースには、以下のように書かれています。
メディテレーニアンハーバーでは、35周年の特別なコスチュームを着たミッキーマウスをはじめとするディズニーの仲間たちとダッフィー&フレンズが船に乗って登場し、35周年のテーマソングにあわせてゲストにご挨拶をします。
30周年イベントで行われた水上グリーティング「ハピネスグリーティング・オン・ザ・シー」のときも、ミッキーやミニーに加えて、ダッフィー・シェリーメイが出演していました。おそらく、今回はジェラトーニやステラ・ルーも一緒に出演すると思われます。どんな演出があるのか、注目したいですね。
幅広い層から人気を集めるダッフィーフレンズ。ステラ・ルーも、登場から半年足らずで一気に浸透した。©Disney
2018年も夏は「パイレーツ」
シーもランドと同様に、これまでの3週間から1週間延長して、「ディズニー七夕デイズ」を開催します。ぜひ、期間限定のショーやエンターテイメント・プログラムにも、力を入れてほしいですね。
ディズニー七夕デイズ ©Disney
7月10日からは、ドックサイドステージで新しいショー(名称未定)が始まります。現在公演中の「ステップ・トゥ・シャイン」は、当初からの予定通り、2018年3月19日で公演を終了する予定です。
「ステップ・トゥ・シャイン」は、新しくダッフィーフレンズの仲間入りをした、ステラ・ルーの顔見世興行という意味合いが強かったので、新ショーへの置き換えは自然な流れだと思います。プレスリリースには、以下のように書かれています。
ミッキーマウスとディズニーの仲間たちが、エリアのテーマであるニューヨークの雰囲気をお楽しみいただける新しいショーを繰り広げます。
終了時期は書かれていませんので、おそらくレギュラーショーとして公演が行われると思われます。かつて、同じエリアの「ウォーターフロントパーク」の特設ステージで行われていたような、質の高いショーが戻ってくることを期待したいですね。
また、7月10日から9月2日までは、今年も開催された「ディズニー・パイレーツ・サマー」が行われます。今年のイベントは、ディズニー映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の新作公開に合わせたものでしたが、大人のファンを中心に、多くの人で賑わいました。おそらく2018年も、子ども向けのランド、大人向けのシーというすみ分けでいくのでしょう。
ハロウィーンは「ヴィランズ」
9月11日から10月31日までは、ランドと同じく、シーでも「ディズニー・ハロウィーン」が開催されます。プレスリリースには、以下のように書かれています。
東京ディズニーシーでは、ディズニーヴィランズによる“クールで妖しいハロウィーン”を2018年も開催します。メディテレーニアンハーバーでは、ミッキーマウスをはじめとするディズニーの仲間たちとヴィランズが妖しくも華やかで美しいハーバショーを公演し、ヴィランズ流にハロウィーンを盛大にお祝いします。また人気アトラクション「タワー・オブ・テラー」は、ハロウィーン期間限定のスペシャルバージョンでお楽しみいただけます。
2015年から公演が始まった「ザ・ヴィランズ・ワールド」は、シー15周年イベントを挟んで、今年で3年目を迎えます。プレスリリースを読む限り、ヴィランズを前面に打ち出すようですので、ハーバーショーも継続する可能性が高いでしょう。
ザ・ヴィランズ・ワールド ©Disney
いわゆる「手下グリ」と呼ばれる、ヴィランズの手下たちが出演するアトモスフィアショーは、従来のパークファンではない方たちにも、高い人気を誇っています。オリエンタルランドとしては、ランドとのすみ分けや、新しいファンの獲得を考えると、ヴィランズは捨てられなかったのかもしれません。
さて、今回のプレスリリースで驚きだったのが、「タワー・オブ・テラー」に、ハロウィーン期間限定のスペシャルバージョンが追加されるということです。2012年からは1月~3月の閑散期プログラムとして、「Level 13」という副題で、より激しい動きをするスペシャルバージョンを導入しています。
「タワー・オブ・テラー」はホラーテイストが強いアトラクションですので、この時期にスペシャルバージョンが導入されることは、とても期待できます。ただでさえ、ハロウィーンの時期は混雑しますので、ファストパスも争奪戦になるでしょう。
クリスマスはハーバーショーを変更?
11月8日から12月25日までは、「ディズニー・クリスマス」が開催されます。これまでは「ハーバーサイド・クリスマス(2002年~2009年)」「クリスマス・ウィッシュ(2010年~2017年)」と、ランドとは違う名称でしたが、2018年から初めてランドと同じ名称に統一されます。
プレスリリースには、「新たなテーマ」という表現しかありませんので、2015年~2017年のショー「パーフェクト・クリスマス」に代わる、新しいハーバーショーが導入されると思われます。問題は、2012年から行われている夜のショー「カラー・オブ・クリスマス」をどうするか、という点です。ファンの間では「傾いたクリスマスツリー」などと揶揄されていますが、2018年に新しいショーへ置き換えるのか、注目したいところです。
お正月については、例年通りのグリーティングになるでしょう。1月~3月の閑散期は、2018年と同様にピクサーのスペシャルイベント(名称未定)が開催される予定です。ダッフィーのプログラムと合わせて、2018年のイベント内容を見てみないことには、2019年の見通しを立てるのは難しいですね。
全体を振り返ってみて
2018年はランド35周年イベントが前面に打ち出されています。目玉としては、デイパレード、スモールワールド、キャッスル・プロジェクション、シアターオーリンズの新しいショーの4つでしょうか。それ以外は、ハロウィーンの新パレードのみで、季節イベントは基本的に前年踏襲となっています。
©Disney
スモールワールドはどうしても、集客の目玉としては、少し弱い気もします。キャッスル・プロジェクションやシアターオーリンズの新しいショーの完成度によって、今後のランドの方向性が決まると言っても、過言ではないと思います。
もし仮に、新規導入のショーが貧弱だった場合は、東京ディズニーリゾートに対する顧客満足度の低下を招きかねません。ひいては、ゲストからのキャッシュフローに頼る、2020年春完成予定のファンタジーランド大規模開発に、暗い影を落とす可能性すらあります。
2013年の30周年イベントは、エンターテイメント・プログラムも貧弱で、物販重視・利益重視の周年イベントという印象が強く残っています。2018年の35周年イベントがどれだけのものになるのか。期待半分・不安半分で2018年を待ちたいと思います。
今年4月18日に公開された、開幕準備のコンセプトアート ©Disney
おまけ
上海ディズニーランドを皮切りに、海外のディズニーパークで導入が進んでいる「ニュールック」のミッキーマウスとミニーマウス。これまでのフェイスと比べると、少し白目が大きく、瞳が下に寄っているのが分かります。
上海ディズニーランド「ゴールデン・フェアリーテイル・ファンファーレ」©Disney
カリフォルニア、フロリダ、パリ、ハワイ(アウラニ)、クルーズライン、そして今年1月には香港ディズニーランドでも、ニュールックのミッキーとミニーが登場しています。
これまでのフェイスとニュールックが混在しているのは、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド、そしてニュールックが一切登場していないのは、東京ディズニーリゾートだけとなりました。
個人的には、シー15周年イベントが終わる今年3月~4月のタイミングに合わせて、東京でもニュールックを導入するのかも、と考えていたのですが、実際はそのままでした。
ウォルト・ディズニー・ワールドの場合は、グリーティングだけでもかなりの数になりますので、今すぐの全面切り替えはないと思います。ただ、東京がこのまま海外パークとミッキーの顔が違う、というのも不自然でしょう。もしかすると、ここが2018年の一番のサプライズになるかもしれませんね。
©Disney