舞浜新聞

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東京ディズニーリゾートの2017年度スケジュールを読み解く

9月21日、オリエンタルランドは、報道関係者向けに2017年度の東京ディズニーリゾートのイベントスケジュールを発表しました。

 


今回はオリエンタルランドのプレスリリースをもとに、舞浜新聞独自の視点で、東京ディズニーリゾートの将来像を読み解いていきたいと思います。

 

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©Disney

 

2016年度のスケジュールについては、こちらをどうぞ。

 

東京ディズニーランド

まずはランドから見ていきましょう。

 

2017年

  • 4月4日~6月14日 ディズニー・イースター
  • 6月15日~7月7日 ディズニー七夕デイズ
  • 7月11日~8月31日 ディズニー夏祭り
  • 7月11日~ 「ドリームライツ」リニューアル
  • 9月8日~10月31日 ディズニー・ハロウィーン
  • 11月8日~12月25日 クリスマス・ファンタジー

2018年

  • 1月1日~1月5日 お正月のプログラム
  • 1 月11日~3月19日 アナとエルサのフローズンファンタジー

 

イースターでは、プレスリリースに「ディズニーの仲間たちと“うさたま”が登場するまったく新しいパレード」と書かれていますので、2014年~2016年に行われた「ヒッピティ・ホッピティ・スプリングタイム」ではなく、新パレードになると思われます。

 

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ヒッピティ・ホッピティ・スプリングタイム ©Disney

 

プレスリリースを読む限り、これまでのイースターのイメージを踏襲しつつ、新しい要素を取り入れるのではないでしょうか。

 

また、プレスリリースでは、「パーク内で初登場となる大人気のディズニー映画『ズートピア』の主人公ジュディ・ホップスやニック・ワイルドも新たに登場」とも書かれていますので、期待が高まりますね。

 

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上海や香港でも登場している、ジュディとニック。ウサギのジュディは、イースターのイメージにピッタリだ。©Disney

 

七夕デイズは2016年度と同様に、約2週間の開催となります。最近では七夕は、春のイースターと夏イベントのつなぎとして、梅雨の時期の貴重な集客材料になっています。グッズやレストランメニューの売り上げも上々のようですので、今後もこの流れは続くでしょう。

 

プログラム自体は、ミッキーとミニーによるグリーティング、ワールドバザールへの「ウィッシングプレイス」の設置といった、小粒なものに限られると思います。

 

夏イベントについては、プレスリリースに「水しぶきを浴びながら、ディズニーの仲間たちと一緒に踊って気分も舞い上がるショー」と書かれていますので、2014年から行われている、キャッスル・フォアコート周辺でのショーの形が、そのまま受け継がれるかもしれません。

 

ただ現段階では何とも言えませんね。すでにキャッスル・フォアコート周辺で行う散水ショーは、3年行われています。そろそろ抜本的なリニューアルが行われる気がしますが、プレスリリースを読む限り、そういったニュアンスは感じられませんね。

 

なお、夏イベント初日の7月11日から、夜のパレード「エレクトリカルパレード・ドリームライツ」がリニューアルされます。

 

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©Disney

 

今回のリニューアルで新しく登場するのは、以下の5つのフロートです。

  • 氷の城(アナとエルサ)
  • かぼちゃの馬車(シンデレラ)
  • ボールルーム(舞踏会)(プリンス・チャーミング)
  • 『美女と野獣』(ベル、ビーストで1台ずつ)

 

ドリームライツのリニューアルについては、すでに2016年8月に発表されています。

 

 

ドリームライツは、シー開園の2001年に公演が始まり、これまで3回(2007年3月・2011年7月・2015年7月)リニューアルされています。私自身、まさか4回目のリニューアルがあるとは、思ってもみませんでした。

 

オリエンタルランドとしては、大規模な投資につながる新パレード導入には、消極的なのかもしれません。今後、パークへの投資が落ち着けば、新パレードという選択肢もあるのかもしれません。ただ、多くのゲストが支持している「ドリームライツ」を終わらせることに、抵抗感が出てくる可能性もあります。

 

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香港の夜のパレード「ディズニー・ペイント・ザ・ナイト」ファンの間では「このフロートが、東京にも導入されるのでは?」という噂も。©Disney

 

スポンサーを務めている日本ユニシスの動向も含めて、今後のオリエンタルランドの出方が気になるところです。

 

ハロウィーンについては、2016年に新しく始まったパレード「ハロウィーン・ポップンライブ」を、そのまま継続すると思われます。ヴィランズを前面に押し出すシーと比べて、ランドでは小さな子でも楽しめる要素を打ち出していくのでしょう。 

 

クリスマスについても、ハロウィーンと同様に、2015年から行われているパレード「ディズニー・クリスマス・ストーリーズ」が、そのまま行われると思われます。プレスリリースにも「クリスマスのストーリーブック」と明記されています。

 

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ディズニー・クリスマス・ストーリーズ ©Disney

 

お正月については、例年通りのグリーティングになるでしょう。1月~3月の閑散期では、2015年から行われているスペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」が開催されます。

 

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©Disney

 

プレスリリースでは、「アナとエルサたちが繰り広げる映画の世界観をお楽しみいただけるパレード」「全編を通して『アナと雪の女王』のシーンで構成される期間限定のキャッスルプロジェクション」と書かれていますので、基本的には2017年1月~3月に行われるプログラムが、そのままの形で継続になると思われます。

 

2017年1月~3月には、キャッスルプロジェクション「フローズン・フォーエバー」が新しく導入されることが発表されています。

 

 

現段階ではなんとも言えませんが、このショーの完成度によって、集客力を発揮するかどうかが、変わってくるでしょう。

 

アナ雪については、当初シーへのテーマエリア建設が決まっていましたが、先送りとなっています。今後のゲストの動向によっては、ランドの周辺用地を使って、アナ雪エリアが建設される可能性も出てくるでしょう。

 

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オリエンタルランドが発表していた「アナ雪エリア」のコンセプトアート。シーでの建設は白紙撤回されたが、エリアの計画自体は残っている。©Disney

 

東京ディズニーシー

次はシーを見ていきましょう。

 

2017年

  • 4月4日~6月14日 ディズニー・イースター
  • 春 アトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」オープン、「タートル・トーク」リニューアル
  • 6月15日~7月7日 ディズニー七夕デイズ
  • 7月11日~8月31日 スペシャルイベント(名称未定)
  • 7月11日~2018年3月19日 「ドックサイドステージ」の新規ショー(名称未定)
  • 9月8日~10月31日 ディズニー・ハロウィーン
  • 11月8日~12月25日 クリスマス・ウィッシュ

2018年

  • 1月1日~1月5日 お正月のプログラム
  • 1 月11日~3月19日 スペシャルイベント(名称未定)、ダッフィーのプログラム(名称未定)

 

2016年は15周年イベントのために、イースターイベントは行われませんでした。2017年は久しぶりにシーに、イースターが帰ってきます。

 

プレスリリースを読む限り、「春らしい華やかでおしゃれなイースター」「ミッキーマウスをはじめとするディズニーの仲間たちが自慢のイースターファッションを披露」と書かれていますので、2015年に行われた「ファッショナブル・イースター」が、一部リニューアルされて、行われる可能性は高いでしょう。

 

「ファッショナブル・イースター」については、出演者たちのアドリブも見ものでした。東京ディズニーリゾートにとって、集客に苦戦するのが、新年度が始まる4月から、梅雨の6月にかけての時期です。オリエンタルランドとしても、ゲストの支持を集めるプログラムを、そのまま持ってくるのではないでしょうか。

 

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ゲストの支持も高い「ファッショナブル・イースター」再演となるかどうか。©Disney

 

「ニモ&フレンズ・シーライダー」のオープンと、「タートル・トーク」のリニューアル時期も、2017年春となっています。おそらくオープン時期はずらすかもしれません。

 

 

「ニモ&フレンズ・シーライダー」については、「ストームライダー」の施設を、そのまま流用する形でつくられます。「タートル・トーク」とともに、家族連れの集客に力を発揮するでしょう。もちろん、映画『ファインディング・ニモ』シリーズとの相乗効果も期待できそうです。

 

七夕については、おそらく2016年度と同様のプログラムになると思われます。ランドと同様に、春のイースターと夏イベントをつなぐ、貴重な集客材料になるでしょう。

 

さて、気になるのが夏イベントです。現段階では「名称未定」となっていますが、プレスリリースにはこう書かれています。

 

2017年7月1日(土)に最新作『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が公開されるにあたり、ディズニー映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の世界を舞台にしたスペシャルイベントを新たに開催します。

 

メディテレーニアンハーバーでは、ジャックスパロウや海賊たちが大量の水しぶきとともに繰り広げるハーバーショーを公演するほか、海賊たちによるアトモスフィア・エンターテイメントが繰り広げられます。

 

海賊をイメージしたグッズやメニューも登場し、パークの装飾も『パイレーツ・オブ・カリビアン』の世界に様変わりします。

 

7月1日に『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が公開になるのに合わせて、シーでは、海賊をテーマにした夏イベントが行われるようです。これは期待できそうですね。最近ではパークと映画との連携が進んでいます。今後もこういった動きが続くといいですね。

 

ちなみに、東京ディズニーランドでは、2011年度の夏に「海賊」をテーマにしたイベントの開催が予定されていました。

 

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オリエンタルランドが、2010年10月21日に配信したプレスリリースより引用。「テーマは"海賊"」という一文が目を引く。

 

しかし、3月に発生した東日本大震災によって、イベントは中止されてしまいました。今回は満を持して、シーでの開催となりそうです。

 

また、夏イベントの初日である7月11日~2018年3月19日までの期間限定で、ドックサイドステージで新しくショーが公演されます。

 

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ドックサイドステージで行われている「テーブル・イズ・ウェイティング」2017年3月17日での終演が決まっている。©Disney

 

現段階では名称未定となっていますが、プレスリリースには「ミッキーマウスをはじめとするディズニーの仲間たちが繰り広げる新しいグリーティングショー」と書かれていますので、過去にハーバーで行われた「ミート&スマイル」のようなショーになるかもしれません。

 

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ミート&スマイル ©Disney

 

ハロウィーンは、プレスリリースを読む限り、2016年と同様に、ディズニー・ヴィランズを前面に打ち出したものになると思われます。ハーバーショー「ザ・ヴィランズ・ワールド」も、一部リニューアルされる形で継続されるでしょう。

 

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ザ・ヴィランズ・ワールド ~ウィッシュ・アンド・ディザイア~ ©Disney

 

クリスマスについても、ハロウィーンと同様に、基本的には2016年と同様のプログラムになると思われます。ただ、昼のショー「パーフェクト・クリスマス」はいいとして、夜のショー「カラー・オブ・クリスマス」のリニューアルは急務だといえるでしょう。

 

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カラー・オブ・クリスマス ©Disney

 

「カラー・オブ・クリスマス」は2012年から始まりました。「ファンタズミック!」で使われている、ソーサラーズ・ハット(三角帽子)のバージをそのまま使っているため、よく「斜めのクリスマスツリー」と言われることが多いです。そろそろマンネリ感も出てきていますので、抜本的なてこ入れを望みたいですね。

 

前年踏襲のハロウィーンとクリスマスの後は、お正月プログラムです。こちらも、例年通り、グリーティングのみになるでしょう。

 

問題は1月~3月の閑散期。プレスリリースにはこう書かれています。

 

ディズニー/ピクサー映画の世界をテーマにした新しいスペシャルイベントを開催します。

 

さまざまなディズニー/ピクサー映画に登場する大人気のキャラクターたちが、ショーやグリーティングを繰り広げるほか、新たにディズニー/ピクサー映画のグッズやメニューなども登場します。

 

この一文には、正直言って驚きました。シーで、ピクサーのキャラクターが主役になったスペシャルイベントが開催されるのは、初めてとなります。おそらく、春にオープンする「ニモ&フレンズ・シーライダー」と「タートル・トーク」との相乗効果に加えて、家族連れの集客も考えているのでしょう。

 

現段階ではまだ何とも言えませんが、ダッフィーのプログラム(名称未定)を含めて、完成度の高いプログラムを期待したいですね。

 

全体を振り返ってみて

まだクリスマスイベントも始まっていない、この時期に発表された2017年度のスケジュール。

 

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©Disney

 

読み解いていくと分かる通り、「ドリームライツ」のリニューアルぐらいしか、目玉要素がないランドと比べると、新アトラクションや新イベントなど、シーへのテコ入れが目立つことがよく分かります。

 

それだけオリエンタルランドが、周年イベント明けのシーに、ゲストを呼び込みたいと考えているのでしょう。

 

もちろん、2017年度から本格化するであろう、ランドの『美女と野獣』エリア開発工事を考えて、できるだけシーへ誘導したいという考えもあるかもしれません。

 

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オリエンタルランドからの発表をもとに、舞浜新聞が目視で作成した地図。開発エリアが広大なことがよく分かる。

 

オリエンタルランドにとっては、入園者数や売り上げ、ゲスト満足度を維持させつつ、2020年を見据えたパークの開発を続けなくてはいけないという、厳しい状況が続きます。ライバルであるUSJの動向も含めて、今後も東京ディズニーリゾートの動きを注視していく必要がありそうです。 

 

おまけ

さて、ここからは舞浜新聞の推測(というか妄想)です。

 

海外のパークやリゾートを見ていると、2016年6月に開園した上海ディズニーランドを皮切りに、ミッキーマウスとミニーマウスの顔が変化しています。

 

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上海ディズニーランドのミッキーとミニー。今のフェイスと比べて、白目が大きく、瞳が下に寄っているのが分かる。©Disney

 

今のところ、上海に加えて、アナハイム(グリーティングとショー)、オーランド(ショーのみ)、パリ(ショーのみ)、アウラニ(グリーティングとショー)、クルーズライン(グリーティングとショー)で、新しいフェイスのミッキーとミニーが登場しています。

 

新フェイスのミッキーとミニーが一切登場していないのは、香港と東京だけなのです。香港では、すでに新フェイスの導入に向けて、準備が進んでいるという情報があります。では、東京はどうでしょうか。

 

「上海だけフェイスが違う」ということであれば、ディズニー社が進めるローカル化では?ということで、話が終わるでしょう。しかし、全社規模で新フェイスの導入が進んでいるということは、おそらく東京での導入も、時間の問題だといえるのです。

 

もちろん、これまでもミッキーとミニーのフェイスは、時代に合わせて変化してきました。ただ、20年以上も親しまれたフェイスを変えることに、抵抗感や反発を覚えるゲストは少なくないと思います。

 

特に東京の場合は、「フェアリーテイル・ウェディング」というアキレス腱を抱えています。舞浜で結婚式を挙げる方は、ほとんどがディズニーの熱烈なファンばかりです。「ミッキーの顔が違う!」「私の知ってるミニーちゃんじゃない!」と、クレームの嵐になる危険性もあるのです。

 

果たしてどうなるのでしょうか。切り替えのタイミングとすれば、シー15周年イベント終了の翌日、2017年3月18日か、新年度が始まる4月という選択肢が考えられます。年間パスポートの現行デザインが「3月17日まで」というのも気になりますね。

 

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©Disney