新型コロナウイルスの感染者数がだんだんと減ってきて、街には少しずつ人が戻り始めています。東京ディズニーリゾートをはじめとする国内のレジャー施設にも、賑わいが戻りつつありますね。ただ、コロナ禍以前のように、気軽にチケットを買って行く…という状況は、まだまだ難しそうです。
さて、今回は舞浜から少し足を延ばして、三重県にある「志摩スペイン村」に行ってきました。「名前は聞いたことあるけど、行ったことない」「どんな場所なの?」と気になっている方のために、少しご紹介したいと思います。
目次
志摩スペイン村って、どこにあるの?
志摩スペイン村は、三重県志摩市にあります。海や山に囲まれた「伊勢志摩国立公園」の中に位置しており、自然豊かな場所となっています。志摩スペイン村というのは、近畿日本鉄道(近鉄)が開発したリゾートエリアの総称で、この中にはテーマパーク「パルケエスパーニャ」、「ホテル 志摩スペイン村」、「ホテル シーズン・イン・アミーゴス」、「ひまわりの湯」の4施設があります。
中核となっているパルケエスパーニャが開業したのは、1994年4月22日。その後、アトラクションの追加やショーなどのリニューアルを経て、今年で開業27年を迎えました。現在では地元のファミリー層をはじめ、修学旅行生など多くの人が訪れています。
電車の場合、大阪・京都からだと2時間半、名古屋からだと2時間程度で最寄りの鵜方駅に行くことができます。車の場合は、大阪からだと3時間ほど、京都・名古屋からだと2時間半ほど。東京など首都圏からの場合は、名古屋駅まで東海道新幹線で向かい、名古屋から近鉄特急に乗って行く…という方法が一番楽だと思います。
海外旅行気分が味わえる!
志摩スペイン村は、その名前の通り、スペインの風景が園内で再現されています。建物や銅像などは完成度が高く、海外旅行へ行った気分を味わうことができますね。仮装やコスプレを着用した入園も通年で認められており、異国情緒あふれる背景を生かして、写真撮影を楽しむ方も多くみられます。
私が感動したのは、園内にある「ハビエル城博物館」です。日本にキリスト教を伝道したフランシスコ・ザビエルの生家「ハビエル城」を再現した建物で、実物と同じサイズで精巧に造られています。館内ではスペインの歴史や文化が紹介されているのですが、内容の充実度はテーマパークの建物とは思えないほど。ここだけでも一見の価値はあります。
アトラクションやショーも充実
パルケエスパーニャでは、アトラクションやショーも充実しています。
屋内型の「スチームコースター アイアンブル」、ガリオン船に乗って旅をする「ドンキホーテ冒険の旅」などがあるのですが、中でも一番人気なのが吊り下げ式のコースター「ピレネー」です。このアトラクションは、インバーテッド(吊り下げ型)コースターで、日本国内では最長・最速・最高高度(45メートル)を誇っています。私も実際に乗ったのですが、自然豊かな景色を楽しめるだけではなく、スリル満点ですので、ジェットコースター好きの方にはたまらないライドだと思いました。ぜひ、多くの方に体験していただきたいですね。
ショーでおすすめしたいのが、スペイン人パフォーマーによる「フラメンコショー」です。フラメンコとは、スペインの南部、アンダルシア地方で生まれた伝統的な踊りで、2010年にはユネスコの無形文化遺産に指定されました。ここは入園料とは別に一人400円(当日予約)が必要なのですが、その価格以上の体験を味わうことができます。日本でここまでレベルの高いフラメンコを見ることができるのは、おそらくパルケエスパーニャだけでしょう。
もちろん、キャラクターたちのパレードやショーもあります。パルケエスパーニャには、スペインの文学作品『ドン・キホーテ』をベースにした動物のキャラクターがいます。キャラクターミュージカル「パティオ デル カント~ダルシネアの秘密の花園~」や、パルケエスパーニャパレード「エスパーニャカーニバル “アデランテ”」では、ダンサーだけではなく、キャラクターたちの愛らしい動きも楽しむことができますよ。
レストランの食事もレベルが高い!
さて、テーマパークと言えば、気になるのが「食事」ですよね。レジャー施設や遊園地の食事は、どうしても満足度が下がってしまいがち…。しかし、パルケエスパーニャにあるレストランでは、本格的なスペイン料理や三重県の郷土料理を味わうことができるのです。
本場のスペイン料理を楽しみたい方は、園内の「アルハンブラ」や、ホテル志摩スペイン村内にある「ヒラソル」がおすすめです。また、日本料理の「的矢」では、志摩の郷土料理である「てこね寿司」も提供されていますよ。
もちろん、気軽に利用できるフードコートや、お手頃なファーストフードも充実しています。食べ歩きメニューもありますので、スペインの風景をバックに記念撮影…というのもいいですね。
伊勢・志摩に行くなら「まわりゃんせ」
志摩スペイン村やその周辺の観光施設を回る方におすすめしたいのが、近鉄が販売しているきっぷ「伊勢・鳥羽・志摩スーパーパスポート“まわりゃんせ”」です。
「まわりゃんせ」は4日間有効のフリーきっぷで、以下の内容が含まれています。
- 近鉄電車 出発駅からフリー区間(松阪~賢島間)までの往復乗車券
- 近鉄電車 出発駅からフリー区間(松阪~賢島間)までの往復特急券
- 近鉄電車 フリー区間(松阪~賢島間)乗り放題*1
- 現地のバス・船乗り放題
- 志摩スペイン村など、23の観光施設に入場・入館可能
- 伊勢神宮内宮シャトルバス「パールシャトル」乗車券(1回分・事前予約制)
- パスポート提示による優待・割引サービス
- 指定ホテルから自宅までの手荷物無料配送(佐川急便)
(公式ウェブサイトから引用)
例えば、名古屋駅から志摩スペイン村に行って、ホテル志摩スペイン村に宿泊、翌日は鳥羽水族館や船で鳥羽湾めぐりを楽しむコースの場合を考えてみましょう。
- 近鉄名古屋駅→鵜方駅 乗車券2,010円・特急券1,640円
- 鵜方駅→志摩スペイン村 バス390円
- 志摩スペイン村 一日券5,400円
- 志摩スペイン村→鵜方駅 バス390円
- 鵜方駅→鳥羽駅 乗車券440円・特急券520円
- 鳥羽水族館 2,500円
- 鳥羽湾めぐりとイルカ島 1,900円
- 鳥羽駅→近鉄名古屋駅 乗車券1,750円・特急券1,340円
- 手荷物配送 約1,900円(三重→東京)
この場合、近鉄の乗車券・特急券・施設利用料を合計すると、20,180円になります。実は「まわりゃんせ」を使えば、大人(中学生以上)はたった9,900円でいいのです。もちろん、フリー区間内は4日間有効ですので、松阪や伊勢神宮、賢島などを観光すると、さらにお得になります。
なお、以前はフリー区間内で使える特急券引換券は、4枚使い切ると駅の窓口でさらに4枚もらうことができたのですが、現在はそのサービスはありません。ただ、出発駅とフリー区間の駅までの往復特急券は別に付いていますので、使い切って困る…ということはないと思います。
なお、2013年3月から運行している特急「しまかぜ」には、特別車両料金を支払えば乗ることができます。また、アーバンライナーのデラックス席なども、別途料金を支払えば利用できます。
近鉄の観光特急しまかぜ
「お得みたいだけど、近くに近鉄の駅がないよ」「近所に旅行代理店があったけど、なくなっちゃった」という方も多いと思います。実は2021年6月から、インターネットでも「まわりゃんせ」を購入することができるようになりました。送料520円がかかりますが、それ以外の手数料は一切ありません。窓口で販売されているものと、同じきっぷを買うことができます。
大阪・京都・名古屋などの駅で特急券を引き換えるときは、「特急券引換券」と書かれたきっぷを、窓口で提示しましょう。発車時刻や降車駅などを伝えてください。帰りの場合も同様です。松阪~賢島のフリー区間で特急に乗る場合は、青いパスポートを窓口で提示して、乗車駅・降車駅、希望の座席などを伝えるだけで大丈夫です。ミシン線が入っていますが、自分で切り離してしまうと無効になります。必ず駅員さんに切ってもらいましょう。
なお、近鉄の特急は全車指定席です。自由席はありません。乗車前に必ず駅の窓口で特急券を発券してから、乗車しましょう。どうしても間に合わない場合は、車内で引き換えることもできますが、座席の指定はできません。
バスに乗る場合は、降車のときに青いパスポートを運転手さんに見せれば大丈夫です。また、施設への入場は、青いパスポートを提示するだけでOK。窓口で別のチケットに引き換えてもらう必要はありません。
ちなみに、近鉄では「志摩スペイン村 パルケエスパーニャ・フリーきっぷ」(大人8,500円)も販売しています。スペイン村だけに行くという方は、こちらも検討してみてください。また、往復特急券やフリー区間用の特急券が含まれていない「まわりゃんせ(往復乗車券タイプ)」もあります。
11月末までが勝負!
実は志摩スペイン村は、12月から冬季営業に入ります。ショーやパレードは、11月30日でいったんお休みになってしまうものも…。ただ、ゴールデンウィークや夏休み期間中は、夜間営業も行われるため、多くの人で賑わいます。また、キャラクターたちの誕生日には、地元のファンをはじめ、多くの人がお祝いに駆け付けます。
ぜひ一度、自然豊かな志摩スペイン村を訪れてみてはいかがでしょうか。新たな発見があると思いますよ。
今回の記事は、個人的な所感をまとめたものです。近畿日本鉄道・志摩スペイン村からの利益供与、ならびに広告料等は一切受け取っておりません。
参考リンク
*1:フリー区間用の特急券引換券が4枚付いています。