東京以外にも世界にはディズニーパークがいくつかあります。では、そんなディズニーパークのチケット料金はどうなっているのでしょうか。今回はアナハイム、オーランド、パリ、香港、そして東京について、1デーパスポート、マルチデーパスポート、年間パスポートの値段をそれぞれ比べてみました。
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1デーパスポートの場合
まずは1デーパスポート(1日券)から見てみましょう。
最近の為替相場は円安になっているため、どうしても東京のチケット料金が安くなっています。ただ、それを差し引いても、東京はほかのディズニーパークと比べて、チケット料金は安めに設定されています。これは東京がディズニー直営ではなく、オリエンタルランドによるフランチャイズ経営だからだと考えられます。
東京の場合、チケットの売り上げのほうが、ショップやレストランなどの売り上げよりも、ディズニー社へ支払うロイヤリティーが高く設定されている、と言われています。
そのため、安いチケット料金で客を集め、その分、グッズやレストランの食事などで多く消費してもらうことで、利益を上げようとしているのです。
オーランドには4つのテーマパークがありますが、マジックキングダムだけが料金が高く設定されています。これはファンタジーランドの再開発が終了したため、その分の付加価値を付けているのではないかと思われます。
パリの場合は、チケットの制度がちょっと複雑になっています。今回の料金比較では除外日がない「Billet SUPER MAGIC」の価格を使いましたが、通常チケットにはもう2つ、使えない日があるチケット「Billet MINI」「Billet MAGIC」があります。
Billet MINIは45ユーロ、Billet MAGICは55ユーロになっています。最近は円安・ユーロ高なので、パリのほうがちょっと割高ですが、東京と比べるとだいぶ値段は近いくらいですね。
マルチデーパスポートの場合
では、次に複数日有効のマルチデーパスポートを見ていきましょう。
やはりこちらも、最近の為替相場を反映して、どうしても東京のチケット料金が安くなっています*1。
東京の場合は1日券・2日券で2つのパーク(ランド・シー)を行き来することはできません。3日以上有効なチケットの場合でも、1日目・2日目は事前にパークを指定する必要があります*2。
1パークしかない香港は除いて、アナハイム・オーランド・パリは追加料金を払うと、1日券でも2つ以上のパークを行き来することができます。
オーランドは35ドルを払うと、4つのテーマパークすべてを自由に行き来することができます。アナハイムは54ドルを払うと、ディズニーランドとカリフォルニア・アドベンチャーの2つのパークを行き来することができます。オーランドに比べて、アナハイムのほうが追加料金が高いのは、2つのパークが隣り合わせになっているからでしょう。
パリの場合は15ユーロを追加で払うと、2つのパーク(ディズニーランド・スタジオパーク)を行き来することができるようになります。
年間パスポートの場合
では最後に年間パスポートはどうでしょうか。
まずはアナハイムから見ていきましょう。
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プレミアムは除外日なし、デラックスは除外日あり(50日間)となっています。除外日とは、パスポートが利用できない日のことです。アナハイムは2つのテーマパークがありますが、プレミアム・デラックスともに同じ日に2つのパークへ入園することができます。
プレミアムとデラックスで若干の違いはありますが、ショップやレストランの割引などのサービスを受けることができます。加えて、プレミアムは駐車料金が無料に。更新する場合は通常価格よりも安く買うことができます。
続いてオーランドはどうでしょうか。
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カリフォルニアとは違って、プレミアム・通常ともに除外日はありません。フロリダには4つのテーマパークがありますが、プレミアム・通常ともに同じ日に4つのパークへ入園することができます。
プレミアムと通常で若干の違いはありますが、ショップやレストランの割引などのサービスを受けることができます。駐車料金はプレミアム・通常ともに無料。プレミアムの場合、2つのウォーターパークなどにも入園することができます。更新する場合は通常価格よりも安く買うことができます。
実はアナハイムにある2つのテーマパーク、オーランドにある4つのテーマパークと2つのウォーターパークなどに一年間自由に入園できるという、まさに夢のような年間パスポートもあります。その名前は「ディズニー・プレミア・パスポート」です。
価格は3歳以上共通で1,029ドルとなっています。ちょっと敷居が高いですが、共通パスとしては決して高くない値段だと思います。
当然、除外日はありません。駐車料金の無料サービス、ショップ・レストラン・ホテル宿泊料金などの割引サービスを受けることができます。このパスポートはウェブで購入することはできず、パークの窓口などで直接購入する必要があります。
ではパリはどうでしょうか。
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ドリーム以外は除外日があります。ファンタジーは45日間、フランシリアンは85日間となっています。3つのパスに共通しているのは、ショップやレストラン、ホテルの宿泊料金の割引サービスです。ファンタジーとドリームはそれに加えて、駐車料金無料などのサービスを受けることができます。
「フランシリアン」は以前、海外からの観光客は購入することができませんでした。フランス国内限定のパスだったのですが、現在は購入することができるようになっています。ただし、購入日を含めて3日間は使用することができません。これはマルチデーパスポートの代わりに使うことを防ぐためでしょう。
最後に香港はどうでしょうか。
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プラチナ以外はすべて除外日が設定されています。香港の年間パスの大きな特徴は、なんといっても「ファストパス」通常は規定の時間まで、1人1枚までしか発行することはできません。しかし、ゴールドは最大2枚まで、プラチナは最大3枚まで、同時にファストパスを発行することができます。
香港の年間パスのもう一つの特徴は、年齢区分で料金が分かれていることです。これは東京も同じですね。大人以外にも、学生(12歳~25歳)、子供(3歳~11歳)、シニア(65歳以上)の区分があります。今回は大人料金のみ比較しました。
ランクによって変わりますが、ショーの優先入場、レストランやショップの割引、駐車料金の無料サービス、誕生日サービス、さらにはホテルの宿泊料金やホテル内レストランの割引サービスまで受けることができます。プラチナにいたっては、最大6枚まで10%引きでパスポートが買えたり、専用のホットラインで問い合わせをしたりすることもできるのです。まさに至れり尽くせりですね。
東京はこれからどうなるの?
最近の円安の影響を受けて、世界のディズニーパークの中で最もチケット料金が安くなっている東京ディズニーリゾート。しかし今後、物価のゆるやかな上昇が続くと思われますし、2017年4月からは消費税率も10%へ引き上げられます。
そうなると、東京ディズニーリゾートのチケットは今後、値上げされていく可能性は非常に高いでしょう。またパークの再開発や新規投資が落ち着けば「体験価値の向上」といった理由で、チケット料金が値上げされる可能性もあります。
チケット料金で稼ぐ米国などのパークとは違って、東京の場合は著しく料金を引き上げる、ということはしないと舞浜新聞は考えています。チケットを値上げして入園者数が減ってしまえば、物販で稼いでいる東京のパークにとって本末転倒になってしまうからです。
さて、今後東京ディズニーリゾートのチケット料金はどう変わっていくのか。注意深く見ていく必要がありそうですね。