舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



夏休み特集 5000億円の使い道を考えよう

USJのハリーポッターエリアオープンから、約3週間が経ちました。オープン当初の「徹夜組が多数」「当日の入場整理券は少ししかない」という情報が広がり、予想よりも出足が低いようです。しかし、それも人気の裏返し。お盆から夏休みの後半、そして秋の行楽シーズン、冬のクリスマスシーズンにかけて、今よりも入園者数を伸ばすだろうと思われます。

 

さて、そんなハリポタエリアのオープンに沸くUSJに対して、今一つ盛り上がりに欠けるのは東京ディズニーリゾートです。

 

今回の記事では今年4月に発表されたオリエンタルランドの中期経営計画、そして6月に行われた株主総会での質疑応答などの情報をもとに「5000億円の使い道」について舞浜新聞なりに考えてみたいと思います。

 

今回の記事では海外パークなどの現状をもとに、舞浜新聞が独自に推測・分析をした内容をまとめています。

 

総予算は「5000億円」

オリエンタルランドが4月に発表した「中期経営計画」これは2014年度~2016年度までの3年間、オリエンタルランドがどういった事業を行うのかについて、株主や投資家へ伝えるために出されます。

 

その中期計画の中で話題になったのが「今後10年間で5,000億円レベルの投資を行う」というもの。アトラクションなどの新規施設の導入がない年でも、オリエンタルランドは年間200億円レベルの設備投資を行っています。それを考えると、新規施設の導入や既存施設の改修などに使える資金は、10年間で3,000億円、つまり年間で300億円レベルになると思われます。

 

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世界最長のつり橋として知られる明石海峡大橋。この橋の建設費は5,000億円。それだけの投資をしようとしている。

 

それでも年間300億円レベルの設備投資というのは、かなり大規模なものです。例えば過去の大型投資を見てみると、以下のようになります。

 

  • スター・ツアーズ 約101億円*1
  • スプラッシュ・マウンテン(クリッターカントリー) 約285億円
  • トゥーンタウン 約112億円
  • プーさんのハニーハント 約110億円
  • タワー・オブ・テラー 約210億円
  • モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!” 約100億円
  • トイ・ストーリー・マニア! 約115億円

 

スター・ツアーズとモンスターズ・インクは松下電器(現在のパナソニック)、スプラッシュ・マウンテンは日産自動車、トゥーンタウンは講談社がスポンサーとして建設費の一部を負担したのに対して、それ以外のアトラクションはスポンサーなしで建設されました。つまり、今後10年間、スポンサーなしでこういった大型の設備投資を行うというのです。

 

USJのハリポタエリアの建設費は約450億円。USJ全体の売上高が1,000億円程度ですから、約半分になります。これを聞くとUSJにとって、ハリポタエリアがいかに大規模な投資だったか分かると思います。一方のオリエンタルランドの売上高はテーマパーク事業・ホテル事業などをすべて含めて約4700億円(2013年度)つまり5000億円は一年分の売上高を上回る投資ということなのです。

 

5000億円はどう使うの?

さて、問題はその5000億円の使い道。2014年8月現在、オリエンタルランドからは以下の投資計画が発表されています。

 

  • ワンス・アポン・ア・タイム 今年5月 約20億円
  • ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション 今年9月 約16億円
  • メディテレーニアンハーバー鑑賞環境改良 2015年度中 約25億円
  • マーメイドラグーンシアター リニューアル 2015年春 約40億円
  • エレクトリカルパレード・ドリームライツのリニューアル 2015年7月 約20億円
  • スティッチ・エンカウンター 2015年夏 約20億円
  • ハンガーステージ リニューアル 2016年春~夏 投資額未定

 

城ワンスはすでに公演が始まっていますし、ジャングルクルーズは今年9月にオープンが予定されています。すでに発表されているものを見ると、投資額が20億円前後の小粒な投資が目立つのが分かると思います。舞浜新聞ではこれらの投資は、あくまでも大規模なエリア開発が終わるまでの「つなぎ」だと考えています。また注目されがちなUSJに対抗して、話題づくりを狙ったものであると見ています。

 

大規模なエリア開発は、計画が発表されてから完成するまでに時間がかかります。また情報を常に集めている方ならともかく、一般の方はオープン直前になるまでこういった情報に触れる機会は少ないです。テレビや雑誌などで「もうすぐオープンしますよ!」と告知されて初めて、知るケースがほとんどだと思います。

 

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シーの大規模なエリア開発となった「トイ・ストーリー・マニア!」2009年5月に計画発表・2012年7月にオープン。つまりオープンまでに3年かかっている。©Disney

 

それを考えると、これらの小粒投資はあくまでも大規模な投資に向けた準備であると言えるでしょう。オリエンタルランドは中期計画で、5000億円の使い道について以下のように書いています。

 

  • ランド エリア一新などインパクトのある大規模開発 等
  • シー 拡張用エリアの活用などによる大規模開発 等
  • 共通 快適な環境づくりに向けた整備、大規模な更新改良、サポート機能を含めた運営基盤の更なる強化 等

 

では具体的にどんな使い道が考えられるのか。ちょっと見ていきましょう。

 

ランドの「5000億円の使い道」

ランドでは「エリア一新などインパクトのある大規模開発」と書かれています。これはこれまでのテーマランドを作り変えるくらいの大規模投資であると言っていいでしょう。では、具体的にどこに手を付けるのでしょうか。

 

舞浜新聞ではこれまで「USJのハリポタエリアに対抗するためには、ファンタジーランドの再開発が必要だ!」と書いてきました。その理由についてはここでは割愛しますが、東京ディズニーリゾートがハリーポッターに対抗できるものを考えると、やはり新しいプリンセスのアトラクションやグリーティング施設といった、ファミリー層の集客に力を発揮するものではないかと思うのです。

 

しかし、ここで問題が一つ。それはファンタジーランドの周りに土地がほとんどないことです。ファンタジーランドの再開発を行ったフロリダのマジックキングダムの場合、パーク周辺は林になっており、エリア拡張が簡単でした。しかし、舞浜の場合は裏側に管理施設が広がっているのです。

 

また7月にはトゥーンタウンのグッドタイム・カフェ前に屋根付きの広場「メトロポリトゥーン・プラザ」が完成しています。マジックキングダムがトゥーンタウンエリアにも手を付けたのを考えると、舞浜は当分、トゥーンタウンの再開発は行わないのでは?といった見方もできます。

 

ではファンタジーランドの再開発は無理なのか。実は見方を変えると、あながち不可能な話ではありません。

 

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これはファンタジーランドの上空から撮影した写真です。これを見るとライド型アトラクションと管理施設に手を付けると、土地をねん出できることが分かります。でも、ハニーハント、スモールワールド、ホーンテッド、カートゥーンスピンを壊したり移設したりしてまで、新しいアトラクションを作るのか?という疑問が出ます。

 

では、こちらはどうでしょうか。

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この写真はトゥーンタウンの西側から撮影したものです。実はカートゥーンスピンの裏側にはごみ処理施設があり、シーの拡張用地とも隣接しています。もしここを使うのであればファンタジーランドやトゥーンタウンの拡張にも活用できますし、土地が足りなければリゾートパーキングも用地として使えます。

 

ではこれらの土地に何を作るのか。マジックキングダムのファンタジーランドには新しい待ちシステム*2が導入された「空飛ぶダンボ」や『美女と野獣』『リトルマーメイド』をテーマにしたエリア、『塔の上のラプンツェル』をテーマにした休憩エリア、『白雪姫』の7人の小人のコースターなどが作られました。これらと同様の施設が東京でも作られる可能性はあります。

 

さらにこれまで東京にはなかったプリンセスのグリーティング施設導入も考えられます。

 

東京の場合、プリンセスのグリーティングはほとんどフリーグリーティングで、なかなか目当てのプリンセスに会えないというのが現状です。近年の猛暑や厳しい寒さを考えると、屋外のフリーグリーティングはゲスト・キャスト双方にとって負担が大きいと思われます。完全屋内型、ファストパスにも対応したプリンセスのグリーティング施設の建設は、かなり有力ではないでしょうか。

 

また今後の少子高齢化や夏の気温上昇を考えると、ゲストが休憩するためのエリアも必要になってくると思います。マジックキングダムに導入されたラプンツェルの休憩エリアと同様のものが東京に持ち込まれても、決して驚くことではありません。

 

2015年冬に開業予定の上海ディズニーランドでは、従来のファンタジーランドを「ファンタジーランド」と「ガーデンズ・オブ・イマジネーション」の2つのエリアに分けています。これと同じように東京でもエリアが分けられる可能性はあります。

 

では、ファンタジーランド以外はどうでしょうか。こちらの写真を見てください。

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これは「グランドサーキット・レースウェイ」の上空から撮影したものです。これを見ると、かなりの面積を占めているのが分かります。グランドサーキットの場合、トゥーンタウン公開前にコース変更がありましたが、基本的な部分は1983年の開園以来変わっていません。そろそろここに新しいアトラクションやエリアが建設されても、何ら不思議ではありません。

 

ディズニーはスターウォーズを手掛けたルーカス・フィルムを買収しており、スターウォーズの新作の制作も決まっています。ディズニーが映画宣伝の目的として、東京のトゥモローランドにスター・ウォーズの要素を導入する可能性は十分あるでしょう。

 

またトゥモローランドのテーマに合う「ソアリン」や「テストトラック」「ロックンローラー・コースター」などのアトラクションの導入も考えられます。また周辺の駐車場にまで用地を広げれば、「カーズランド」や「トイ・ストーリーランド」の導入も十分可能です。ただカーズランドについては、トゥモローランドよりもアドベンチャーランドのほうが合っているとは思いますが…。

 

トゥモローランドに関しては、レストラン施設のリニューアルも考えられます。シーに比べて、ランドのレストランはメニュー単価が低いのが特徴です。家族連れにとっては優しいのですが、オリエンタルランドとしてここは単価を上げたいところ。トゥモローランドにテーマ性のある新しいテーブルサービス型のレストランが導入される可能性はあります。

 

また1988年にオープンしたショーベースの建て替えや屋内劇場へのリニューアルも考えられます。夏は暑く、冬は寒いという環境的な理由に加えて、今後オリエンタルランドが拡充を予定している有料ショープログラムを行うには、ショーベースはあまりにも貧弱だと思うのです。香港の「ストーリーブック・シアター」のような施設が作られる可能性はあるでしょう。

 

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ランド開園5周年にオープンした「ショーベース」スポンサーである三井不動産はオリエンタルランドの大株主。©Disney

 

次はこちらです。

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これは上空からアメリカ河を撮影したものです。これを見ると、いかにアメリカ河が大きなスペースを占めているのかが分かると思います。

 

ディズニーランドはアメリカ文化の象徴であり、アメリカ河はそのシンボルともいえる場所です。ただ、場所の大きさに比べて、集客力が弱いエリアとも言えます。

 

一時期、海外のディズニーブログでは「アメリカ河をつぶしてカーズランドを作るのでは?」という噂が立ちました。可能性としては低いと思いますが、アメリカ河の再開発、もしくは周辺エリアに新しい施設を建設することは考えられるでしょう。

 

週刊ダイヤモンド*3の報道によると、オリエンタルランドが数年以内に本社機能を新浦安へ移転する計画を進めていることが明らかになりました。しかし、管理施設が広がっているエリアのうち、本社機能が占めている割合は実は少ないのです。

 

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バックステージの施設のうち、本社A館~D館と第2~4別館が占めているエリアは赤線で囲んだ場所。それ以外はフロート倉庫や物流施設などが占めている。

 

そうなると、隣接するワードローブビルやロジスティックセンター、リゾートパーキング第4にも手を付ける必要が出てきます。ただ、ここにそれだけの土地をねん出しても、新しいエリアやアトラクションを作るにはエントランスから遠すぎるでしょう。またアメリカ河にも手を付ける必要が出てきます。ここはバックステージ施設の配置見直しや集約のために使われるでしょう。

 

シーの「5000億円の使い道」

さて、ここまでランドで考えられる「5000億円の使い道」について考えてみました。次はシーについて見ていきましょう。

 

中期計画ではシーについて「拡張用エリアの活用などによる大規模開発」と書かれています。では「拡張用エリア」とは一体どこなのでしょうか。

 

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いずれもパークの西側から撮影したものです。上はロストリバーデルタとポートディスカバリーに挟まれた土地、下はミラコスタの横に広がる土地です。ミラコスタ横については、現在はハーバーショーで使われる船の管理などが行われています。

 

ロストリバーデルタ南側の土地については、開園以来空き地になっていますので、ここに何らかのエリアやアトラクションが作られると思います。ただロストリバーデルタやポートディスカバリーのテーマに合ったものを作るのか、それともまったく新しいエリアを作るのかによって、かなり変わってくると思います。

 

異国情緒漂う香港の「ミスティック・ポイント」か、家族連れに力を発揮する「トイ・ストーリーランド」か、上海に導入予定の海賊をテーマにした「トレジャー・コーヴ」か、それとも東京独自のエリアを開発するのか…。これについてはまったく予想ができません。あくまでも妄想ですが、映画『アナと雪の女王』をテーマにしたエリア建設も面白そうですね。 

 

ちなみに、ミラコスタに隣接する土地にホテルの客室を増室する案も考えられます。パーク直結型ホテルとして、平日・休日を問わず大人気のミラコスタ。オリエンタルランドが高い客室稼働率を改善するために、増室に踏み切る可能性は、わずかですがあると思います。 

 

シーに隣接する土地のうち、利用が考えられるものを2つ挙げました。これ以外にも、リゾートラインの軌道と道路を挟んで向かい側に広がるリゾートパーキングを活用する案も考えられます。ただランドとは違ってシーは未利用地がまだありますので、そこまで大規模にエリアを広げるということはしないと思います。 

 

舞浜地区の「5000億円の使い道」

ここまででシーの拡張について見てきました。ここからはランド・シー以外で舞浜地区で5000億円がどのように使われるのかについて、いろいろ考えてみましょう。

 

まずは再びオリエンタルランドの中期計画を見てみましょう。ランド・シー以外の投資は以下のように書かれています。

 

  • 快適な環境づくりに向けた整備
  • 大規模な更新改良
  • サポート機能を含めた運営基盤の更なる強化

 

どのようにでも解釈できるように、わざとぼかした表現になっているのが分かると思います。まずは「快適な環境づくりに向けた整備」について。これは混雑や夏の暑さ・冬の寒さ対策に加えて、今後増加が見込まれるシニアゲストを想定したものだと思います。具体的には休憩エリアやゆっくり過ごせるレストラン、冷暖房完備の屋内型施設でしょうか。

 

二つ目の「大規模な更新改良」について。これはあまり従来と変わらないでしょう。記事の冒頭でも書きましたが、アトラクションなどの新規施設の導入がない年でも、オリエンタルランドは年間200億円レベルの設備投資を行っています。これは設備の更新・改良に使われていると思われます。5000億円もこれまでと同様に、施設の更新・改良の投資は惜しまないということでしょう。

 

最後の「サポート機能を含めた運営基盤の更なる強化」について。真っ先に考えられるのが「バックステージ施設の更新・改良」でしょうか。ランド開園からすでに30年以上が経過しています。舞浜の土地は限られているため、老朽化した施設を集約・更新して新しく土地をねん出するのでしょう。同時に増えるゲストに対応するために、物流施設やキャストが利用する施設も見直されると思います。

 

さて、中期計画には3つだけ書かれていたのですが、それ以外にも舞浜地区での5000億円の使い道はまだまだあります。

 

まずはオリエンタルランドが昨年12月に第一生命から取得した東京ベイNKホールの跡地について。先日の株主総会ではホールは老朽化のため使えないこと、そして跡地は「ホテル用地」として申請・届出している場所であることが説明されました。

 

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オリエンタルランドが昨年12月に第一生命から取得した土地。建物や電気配線は撤去されたうえで、更地として2016年4月に引き渡される予定となっている。

 

問題はどんなホテルを作るのか。やはりアンバサダー、ミラコスタ、ランドホテルに次ぐ、第4のディズニーホテルの建設に踏み切るのか、それとも昨年3月に買収したブライトンホテルを建設するのか…。どちらにしろ、オフィシャルホテルにとっては目と鼻の先に強力なライバルが増えることになりそうですね。

 

またディズニーバケーションクラブのヴィラを建設して、販売するという選択肢もあります。ただ、これに関してはオリエンタルランドがバケーションクラブの販売協力にあまり積極的ではないこと、ヴィラを建設するよりもホテルとして運営したほうが儲かることなどから可能性としては低いと思われます。また日本人の旅行スタイルが長期滞在ではないことも、その理由として挙げられます。

 

駐車場の立体化は地味ですが注目すべきですね。駐車場の立体化で空いた土地はパークの拡張用地として利用できます。事実、東京ディズニーランドホテルは、もともと駐車場だった土地に作られました。広大なランド駐車場やリゾートパーキングの立体化は5000億円の使い道として十分考えられます。

 

妄想が膨らむ「5000億円の使い道」

5000億円という膨大な金額を考えると、まるでどんなことでもできそうな気がしてします。ここまで書いてきたようなもの以外でも、最近は経費削減で元気がないショーやパレードといったエンターテイメント・プログラムへの投資や、最近販売を強化しているバケーション・パッケージの利用客を対象としたショップや鑑賞エリアの建設も考えられます。

 

また最近増えている外国人ゲストに向けたサービス強化も考えられます。現在、外国人ゲストとキャストとの意思疎通は「指さし会話帳」で行っています。実はディズニーパークでは世界観を守るために、あまり多くの言語で案内表示を作ることができません。そこでタブレット端末で外国人ゲストを支援する案が考えられます。

 

さらにオーランドのウォルト・ディズニー・ワールドで導入されている「マジックバンド」の導入も考えられます。これはリストバンドにパークチケットやホテルのルームキーなどを組み込んだもので、これでファストパスの事前予約なども行うことができます。 

 

では、これら5000億円の投資を私たちが体験できるのはいつになるのでしょうか。「アニュアルレポート2014」にはこのように書かれています。

 

なお、2つのテーマパークへの大規模投資が本格化する時期は、2018年3月期以降を予定しています。 

 

これが何を意味しているのか。2018年3月期は2017年度のこと。つまり2017年度以降に投資を行うのでしょうか。それとも、2017年度から随時、新しいエリアがオープンしていくのでしょうか。これについては、現段階では何とも言えません。

 

ただ「5000億円」というのは、今後10年間の設備投資の合計金額です。つまり、今後数年間で一気にパークが新しくなるというわけではありません。

 

4月28日の日経新聞の記事によると「14、15年度は東京ディズニーランドを中心にアトラクションやサービス施設を拡充する方針」「東京ディズニーシーも16年度以降に施設の更新・改良に取り組む」と報じられています。また中期計画説明会の質疑応答では「次の中計期間(2017年度~2019年度)あるいは2020年オリンピック開催時点までには実現できているものがあるというスケジュールを考えている」という発言がありました。

 

以下は今年から、オリエンタルランドが「ありたい姿」を掲げた2023年までの年表です。こうしてみると、ランド・シーそれぞれのアニバーサリーイヤーの谷間があり、2020年には東京オリンピックも行われます。アニバーサリーイヤーの谷間の年、ゲストの来園者数が落ち込む年を狙って新エリアをオープンさせるのではないかと舞浜新聞は考えています。

 

  • 2014年 大規模開発の計画(一部)を発表?
  • 2015年
  • 2016年 シー15周年
  • 2017年 
  • 2018年 ランド35周年
  • 2019年
  • 2020年 東京オリンピック
  • 2021年 シー20周年
  • 2022年
  • 2023年 ランド40周年 「ありたい姿」目標年

 

問題はそのタイミング。東京五輪で訪れる多くの外国人観光客を考えるのであれば、2020年までにランド・シーの拡張を終える必要があります。それにこだわらないのであれば2022年までに拡張を終えると思われます。

 

先月29日に行われた第1四半期決算の電話説明会の中で、オリエンタルランドの片山雄一常務は「今年度中には5000億円の投資の内容の一部についてお伝えする方向で進めている」と語っています。また上西京一郎社長は日本経済新聞のインタビュー*4の中で「14年度中に何らかのことを発表する」と発言しています。 

 

今年度中には5000億円の使い道の一部が発表されそうです。果報は寝て待て。オリエンタルランドにはUSJのハリポタエリアに負けないような、すばらしい発表を期待しています。 

*1:1989年7月のオープン当時。

*2:ゲストにはポケベルのような機械が渡され、時間になると呼び出し音が鳴る仕組みです。呼び出されるまでは、待機場所で自由に遊ぶことができます。

*3:2014年8月9日・16日合併号より。

*4:2014年7月6日付朝刊「(そこが知りたい)10年で5000億円投資、狙いは オリエンタルランド社長 上西京一郎氏」