舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



ディズニーファン 2017年11月号増刊を読み解く

10月2日、講談社から『ディズニーファン』11月号増刊が発売されました。内容は東京ディズニーリゾートのハロウィーンイベントが中心だったのですが、この中に「東京ディズニーリゾート未来予想図」と題した記事も掲載されました。

 

 

今回はディズニーファンに掲載された記事をもとに、東京ディズニーリゾートの将来像について、少し読み解いていきたいと思います。

 

おことわり:『ディズニーファン』2017年11月号増刊は、すでに発売から1か月が経ち、東京ディズニーリゾートのハロウィーンイベントも終了していることから、本ブログでは記事内容の一部を紹介しています。

 

新しいコンセプトアートはなかったものの…

11月号増刊では、来年2018年4月から開催される、東京ディズニーリゾート35周年イベントに加えて、現在進められているパーク開発工事について取り上げられました。

 

記事では、これまでオリエンタルランドから発表されたコンセプトアートや、建築模型の写真をもとに、オリエンタルランドの久保哲也 広報部長へのインタビューを交えながら、パークがどのように生まれ変わるのかが、詳しく紹介されています。

 

今回が「初出し」となるアートはなかったのですが、久保部長の発言からは、パーク開発計画の詳細がうかがえました。それでは、新しく明らかになった情報を見ていきましょう。

 

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©Disney

 

ソアリンは「東京オリジナル」?

まずは、2019年度にシーにオープン予定の「ソアリン(仮称)」についてです。

 

このアトラクションは、すでにエプコット(フロリダ)、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー、そして上海ディズニーランドでも導入されており、多くのゲストで賑わっています。

 

記事では、久保部長から「内観・外観・プレショーエリアは、東京ディズニーシーならではの設定」という発言が出ています。これまでのプレスリリースでは、東京オリジナルのシーンが追加されることは明らかになっていましたが、アトラクションのプレショーも東京オリジナルになることが明らかになりました。

 

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ソアリン(仮称)のコンセプトアート(オリエンタルランドのプレスリリースより引用)

 

カリフォルニアとフロリダのソアリンは、ゲストが遊覧飛行を楽しむストーリーになっています。一方、上海のソアリンは、不思議な力で空を旅するという、少しファンタジー色が強いものに変わっています。

 

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上海ディズニーランド「ソアリン:オーバー・ザ・ホライズン」これまでのソアリンと比べて、ファンタジー色が強くなっている。©Disney

 

個人的には、上海と同じようなものが導入されるのかな?と思っていました。しかし、東京オリジナルということは、アトラクションが設置されるメディテレーニアンハーバーの世界観に合わせた、まったく新しいタイプのソアリンが生まれる可能性が高いでしょう。

 

もしかすると、近くにあるアトラクション「フォートレス・エクスプロレーション」の設定の核になっている「S.E.A.」(Society of Explorers and Adventures)とも関連を持たせた設定が作られるかもしれません。このあたりは、ちょっと期待したいですね。

 

ガストンズ・タバーン(名称未定)は「200席」

2020年春のオープンを目指して、ランドでは大規模開発が進められています。開発計画の中で、大きな目玉となるのが映画『美女と野獣』をテーマにしたエリアです。

 

ここには、世界で東京だけのライドアトラクションに加えて、レストランやショップも導入される予定です。

 

昨年(2016年)の『ディズニーファン』9月号の中で、オリエンタルランドの上西京一郎社長から、美女と野獣エリアに導入されるレストランについて、「ガストンをテーマにした、座席数の多いレストラン」という発言が出ていました。今回の記事では、レストランの座席数が「200席」になることが、初めて明らかになりました。

 

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新しく導入されるレストランのコンセプトアート(オリエンタルランドのプレスリリースより引用)

 

以下は、東京ディズニーランドにあるレストランの座席数をまとめた一覧表です。

 

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同規模のレストランを見てみると、テーブルサービスでは「ブルーバイユー・レストラン」、カウンターサービスでは「キャプテンフックス・ギャレー」となります。

 

新規導入のレストランが、ほかと比べて、それほど席数が多くないことが分かると思います。カウンターサービスのため、回転率は高いと思いますが、どれだけ食事難民の解消につながるのかは、不透明だと言えるでしょう。

 

アメリカ・フロリダのマジック・キングダムでは、ガストンをテーマにしたレストラン「ガストンズ・タバーン」がすでに導入されています。記事では久保 広報部長から「ガストンがもてなす、素朴なタバーン(酒場)」という発言も出ていますので、こちらはアメリカのものを、ほぼそのままの形で導入するかもしれません。

 

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米フロリダのマジック・キングダムにある、美女と野獣エリア。左手に見えるのが「ガストンズ・タバーン」だ。 ©Disney

 

ショップは「3つ」

オリエンタルランドからこれまで発表されたプレスリリースでは、ランドの美女と野獣エリアに導入されるショップは「1施設」となっていました。

 

しかし、今回の記事では「趣の異なる3つのショップ」という紹介が付け足されています。フロリダのマジック・キングダムでは、美女と野獣エリア内には「ボンジュール!ヴィレッジ・ギフト」の1店舗しかありませんので、1つの店舗を3つのテーマに分けて、それぞれグッズを並べる可能性もあります。

 

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新しく導入されるショップのコンセプトアート(オリエンタルランドのプレスリリースより引用)

 

ただ、東京は海外のパークと比べて、グッズがとても充実しています。物販収入を伸ばすために、フロリダのショップよりも面積を大きくする可能性は高いでしょう。

 

ポップコーン専門ショップは、バケットが自由に選べる

トゥモローランドには、映画『ベイマックス』をテーマにしたアトラクションに加えて、東京では初めてとなる、ポップコーンの専門ショップが導入される予定です。

 

これまで、ショップのコンセプトアートは発表されていましたが、今回の記事では、久保部長から「好きなフレーバーとポップコーンバケットを組み合わせて購入できる」ことが明らかになりました。

 

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新しいポップコーン専門ショップのコンセプトアート(オリエンタルランドのプレスリリースより引用)

 

今はポップコーンのワゴンによって、取り扱っているバケットが異なります。「このバケットが欲しいけど、違う味が食べたいな」という場合は、パーク内のショップ、もしくは「ボン・ヴォヤージュ」で、ポップコーン引換券付きのバケットを購入する必要がありました。

 

新しくオープンするポップコーン専門ショップでは、店頭で好きな組み合わせを選ぶことができるため、よりスムーズに買うことができるようです。ただし、ポップコーン目当てのゲストが、このショップに集中する可能性もありますね。

 

おわりに

東京ディズニーリゾートでは、パークの開発工事が急ピッチで進められています。すでに年間3,000万人レベルのゲストがパークに押し寄せており、施設の拡張は急務だと言えるでしょう。

 

来年2018年には、ランド35周年イベントが予定されています。工事中のランドは、シーと比べて、どうしてもキャパシティ(収容能力)が低下してしまいます。オリエンタルランド内部でも、顧客満足度を維持しながら、どのように入園者数をコントロールしていくのか、議論が行われていると思います。

 

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11月2日に発表された、ランド35周年イベントのキャラクター・コスチューム。新ナイトパレード導入を発表した、USJへの対抗策だろう。©Disney

 

シーのソアリン(仮称)は2019年度、ランドの美女と野獣エリアは、2020年春のオープンを予定しています。もしかすると、東京オリンピック・パラリンピックが終わる夏以降、舞浜でも、また新たな変化が起きるかもしれませんね。

 

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