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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



「パーフェクト・クリスマス」は、本当にパーフェクトなのか?

東京ディズニーリゾートの分析・考察

11月9日から、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーではクリスマスのスペシャルイベントが行われています。今回は、東京ディズニーシーで新しく始まったハーバーショー「パーフェクト・クリスマス」について、舞浜新聞独自の視点で考えていきたいと思います。

 

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©Disney

 

本当に「パーフェクト」なの?

このショーはハーバー全体を使って、ディズニーの仲間たちが、それぞれのクリスマスを表現し合うショーになっています。ショーの流れを簡単にまとめると、こうなっています。

 

  1. ハーバーにディズニーの仲間たちが集まってくる。
  2. みんなでクリスマスのパーティーをすることに。
  3. ミッキー「クリスマスといえば、なんだろうね?」
  4. ドナルドが自分のイメージするクリスマスを言おうとするのだが、みんなに邪魔される。
  5. 仲間たちがイメージするものを言い合う。→ゴタゴタ
  6. サンタクロースが登場→ドナルド「クリスマスといえば、サンタクロースだよ!」
  7. みんなでクリスマスのお祝いをする。

 

パーフェクト・クリスマスでは、これまでパークで行われたショーの曲やシーンがいくつか使われています。これまでパークに通っていたファンが見ると、とても懐かしく感じるのではないかと思います。もちろん、頻繁にパークには来ないライトなファンが見ても、キャラクターの出演は多いですし、クリスマスの定番ソングも使われていますので、非常に楽しめるのではないかと思いました。

 

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©Disney

 

ストーリーについては、「どうして、ミッキーたちはハーバーに集まったの?」という、そもそもの舞台設定が抜けている気がします。しかし、それを差し引いても「みんなでクリスマスのお祝いをする」という、根本的な設定が明確なので、間延びすることなくショーが流れていました。

 

ショーではドナルドがクリスマスのイメージとして「サンタクロース」を挙げるのですが、これはおそらく2011年に行われたステージショー「クリスマス・ウィッシュ」のストーリーを意識しているのではないかと思います。

 

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2011年に行われたステージショー「クリスマス・ウィッシュ」©Disney

 

このショーでは、ドナルドは自分の願いとして「サンタクロースに会いたい!」と語っています。また、2010年の「クリスマス・ウィッシュ」では、サンタクロースがキーパーソンとして登場していました。このあたりも今回のサンタクロース登場と関係しているのではないかと思います。

 

出演者を見ていても、ミッキーとその仲間たちに加えて、ダッフィーとシェリーメイ、ジャスミンやアリエルといったプリンセスも出演しています。また、春の「ファッショナブル・イースター」、秋の「ザ・ヴィランズ・ワールド」に引き続いて、ダンサーの数も多く、コスチュームも豪華になっている印象がありました。

 

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ヴィランズを前面に押し出した「ザ・ヴィランズ・ワールド」©Disney

 

シーについては、レギュラーのハーバーショーである「レジェンド・オブ・ミシカ」が終演したため、そのぶん浮いた人員と予算を、期間限定のショーに回していると考えられます。「パーフェクト・クリスマス」についても、やはり豪華なプログラムに仕上がっていると感じました。

 

私は最初にショーの名前を聞いたとき「本当に『パーフェクト』と言えるの?」なんて思っていたのですが、その名前に恥じないショーになっていたと思います。

 

ザンビ前に集めるのは、いいの?

さて、その名前に恥じない「パーフェクト・クリスマス」ですが、少し気になるところもあります。それは、ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ前にある、ステージの使い方です。

 

今回のショーはハーバー全体を使うのですが、ミッキーが最初に来るのはザンビ前のステージ、そしてドナルドたちが船に乗り込むのは、ザンビ前のドックになっています。

 

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ドナルドはリドアイルから登場。ミッキー広場を回って、ザンビ前から船に乗る。©Disney

 

そのため、公演開始当初「ザンビ前にキャラがたくさん集まるから、おすすめ!」という情報が、一気に拡散しました。ザンビ前といえば、対岸にあるリドアイルや、ホテルミラコスタ前にあるピアッツァ・トポリーノ(ミッキー広場)と比べると、キャパシティは非常に小さくなっています。

 

パークによく通っている方や、パークに関する情報に敏感な方は、リドアイルやミッキー広場ではなく、このザンビ前を目指す方が多かったと思います。キャパシティが小さいため、座り見は少なく、後ろの立ち見にも多くのゲストが集中しました。座り見に関しては、ディズニーホテルの15分前入園を使わないと、かなり難しいという印象がありました。

 

ザンビの横にはゆるやかな階段と坂があり、こちらからでもショーを見ることができました。しかし、ステージやハーバーとの距離が離れてしまうため、少し無理がありました。また、今回はリドアイルやミッキー広場と同様に、ザンビ前でも「入れ替えはなし」事前に座り見の待機列が作られましたが、それでも動くゲストは限られます。

 

ザンビ前のステージを基準にして、今回のショーを組んだのは、おそらくハードリピーターをザンビ前に集めるためではないか、と舞浜新聞では考えています。

 

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©Disney

 

もしハードリピーターがザンビ前に集中すれば、それだけリドアイルやミッキー広場のキャパシティに余裕が生まれます。ミッキー広場に余裕が生まれれば、「たまたま通りがかったけど、ちょうどショーをやっているから見よう」「あんまり長時間、場所取りをするのは大変」といったゲストのニーズにこたえることができます。

 

ライトなファンからすると、ミッキー広場の座り見はハーバーの船の様子が見えないものの、ミッキーをはじめとするキャラクターやダンサーがたくさん登場しますので、決して満足度は低くありません。今回のショーでは、そういったゲストの分散化が考えられているのではないでしょうか。

 

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ミッキー広場では、ミッキーの靴下ダンスも見ることができる。キャラクターもまんべんなく登場するため、満足度は低くない。©Disney

 

ただ、あの狭いザンビ前にゲストを集めるのは、ちょっと疑問が残ります。座り見については入れ替えなし、待機列を作って空席を順番に案内、という運用を行いましたが、多くのゲストの不満が残りました。

 

入れ替えについては、待機場所に加えて、多くの誘導のキャストが必要になるため、オリエンタルランドとしてはやりたくないのでしょう。ただ、ゲストの満足度や安全性を考えると、来年以降の改善を期待したいところです。

 

キャッスルショーを意識してる?

パーフェクト・クリスマスを見ていると、かつてランドのキャッスルフォアコート・ステージで行われていたショーを思い出す方も多いのではないでしょうか。

 

キャッスルショーは2013年の「爽涼鼓舞」以来、行われていません。これはおそらく、2014年から始まったキャッスル・プロジェクション「ワンス・アポン・ア・タイム」の影響だと思われます。

 

城ワンスで使われている照明やプロジェクターは、かつてキャッスルショーで使っていた照明類の場所に取り付けられています。また、城前にステージを組んでしまうと、プロジェクションを調整しなければいけなくなります。そのため、昼・夜関係なく、かつてのようにキャッスルショーを行うことは難しくなっているのです。

 

加えて、キャッスルショーはキャパシティが小さく、「爽涼鼓舞」などの座席は抽選で決めていました。ゲストのニーズが大きすぎて、それにこたえられなくなっていたのです。また、マニアしか受けないキャッスルショーは、人件費などのコストも大きく、天候に左右されやすいという問題もありました。そのため、経費削減の一環として、キャッスルショーが削られてしまった、という見方をすることもできます。

 

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東京ディズニーリゾートのエンターテイメント・ショー製作費の推移。近年は人件費の圧縮などで、ランド単体の頃と同じ水準まで削減が進んでいる。

 

シーのパーフェクト・クリスマスを見ていると、かつてのキャッスルショーのように、キャラクターがたくさん出演し、ダンサーの数も多く、コスチュームも豪華に見えます。オリエンタルランドとしては、キャパシティが大きいシーのハーバーで、かつてのキャッスルショーのようなショーをやりたい、という思いがあったのかもしれません。

 

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©Disney

 

シーのハーバーであれば、キャッスルショーのように豪華な舞台装置やステージ、パイロなどの派手な演出も少なくて済みます。キャラクター、ダンサー、音楽、そしてストーリー…。パーフェクト・クリスマスを見ていると、限られた予算の中で、より多くのゲストにレベルの高いショーを提供したい、というオリエンタルランドの思いも透けて見える気がするのです。

 

ただ、一つだけ残念なのが「夜公演がない」という点でしょうか。かつてのキャッスルショーの醍醐味といえば、昼公演と夜公演の違いを楽しむことでした。とくに夜公演は照明に照らされて、なんとも幻想的な雰囲気でショーが進んでいったものです。

 

シーでもかつて「ポルトパラディーゾ・ウォーターカーニバル エテールノ」の夜公演を、ハーバーと陸上エリアで行ったことがあります。技術的には不可能ではないと思いますが、キャパシティの問題や、コストの問題が関わってくると思われます。これについては、あくまでもファンの願望にとどめておく方が良さそうです。

 

シー15周年に向けた準備?

パーフェクト・クリスマスでは、これまでパークで行われたショーの曲やシーンがいくつか使われてる、というのは、先ほど書いた通りです。

 

おそらく来年、2016年にもパーフェクト・クリスマスはそのまま行われる可能性が高いです。2016年には、シー15周年イベントが行われる予定です。そんなシーのアニバーサリーに向けて、このショーで過去のショーの一部を取り入れたのではないか、そんな見方をすることができるのです。

 

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2016年4月から始まるシー15周年イベント「ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ」©Disney

 

パーフェクト・クリスマスでは、そもそもどうしてミッキーたちがハーバーに集まったのか、その理由は明確には語られていません。では「15周年のクリスマスをお祝いするために、ハーバーに集まった」とすれば、どうでしょうか?

 

これ以上考えてしまうと、もはや妄想の域になってしまうと思います。ただ、かつてのショーの要素を入れているということは、やはりアニバーサリーを意識している気がするのです。

 

パーフェクト・クリスマスのキャラクターたちを見ていると、すべてリボンをどこかに身に着けています。シー15周年では、キャラクターそれぞれにクリスタルの色が割り当てられる予定です。来年のショーのコスチュームが、クリスタルの色を意識したものに変わったら…なんて考えてみると、ちょっと面白いですね。

 

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©Disney

 

「パーフェクト」を超えられるの?

私が一番気になっているのは、今後オリエンタルランドが、パーフェクト・クリスマスを超えるショーを作れるのか、という点です。

 

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©Disney

 

ウォルト・ディズニーはパークについて「永遠に完成しない。世界に想像力がある限り、成長し続けるだろう」と語っています。ウォルトなら、成長を止めてしまう「パーフェクト(完璧)」という言葉は、もしかすると嫌がったかもしれません。

 

果たして、今後東京ディズニーシーのハーバーショーは、どう変わっていくのか。来年2016年には、シー15周年イベントに合わせて、期間限定のハーバーショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」が始まる予定です。オリエンタルランドが「パーフェクト」を超えてくれることを願っています。

 

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シー15周年イベントに合わせて導入される「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」のコンセプトアート ©Disney