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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



【図解】ディズニーとオリエンタルランドの関係はどうなってるの?

東京ディズニーリゾートの分析・考察

8月9日、ディズニー公式のTwitterアカウントが発信した一つのつぶやきが、騒動を巻き起こしました。

 

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問題となったつぶやき。のちに削除されている。©Disney

 

8月9日といえば、長崎に原子爆弾が投下された悲しい日です。特に今年は投下から70年という節目の年だったために、同じ被爆地の広島とともに、長崎も注目されていました。

 

そんな8月9日に発信されたつぶやき。映画『ふしぎの国のアリス』では、 マッドハッターと三月うさぎの二人が「お誕生日じゃない日の歌」を歌いながらお茶会をしているシーンがあります。

 

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映画『ふしぎの国のアリス』のワンシーン。誕生日以外の364日をお祝いしている。©Disney

 

英語の場合は「Unbirthday」そのまま訳すと「お誕生日じゃない日」ですが、日本語版吹き替えですと「なんでもない日」と訳されています。

 

ディズニー公式Twitterアカウントでは、ディズニーの過去の作品の有名なシーンや台詞を不定期に発信していましたので、おそらく今回も、何気なくアリスの有名な一文を発信したのでしょう。

 

しかし、それが8月9日だったことから「原爆が投下された日なのに『おめでとう』とは不謹慎だ」として、騒動が大きくなりました。結果的につぶやきは削除、公式Twitterアカウントが謝罪する事態にまで発展しました。

 

 

この騒動については、Twitterやネットニュースを読んでいる方なら、すでによくご存じだと思います。私が一番気になったのが、今回の騒動で東京ディズニーリゾートのインフォメーションセンターに、かなりの苦情の電話が入ったということでした。

 

舞浜新聞では、東京ディズニーリゾートを運営しているのはオリエンタルランドであり、オリエンタルランドはディズニーとのライセンス契約でパークを運営している企業であること、そして、東京のパークはディズニー直営ではなく、いわばフランチャイズであることを書いてきました。

 

 

今回の騒動を見ていると、やはり多くの方は「ディズニー=ディズニーランド」と結び付けて考えているという印象を感じました。

 

さて、前置きが長くなってしまいました。今回はつぶやき騒動を起こしたディズニー公式Twitterアカウントを運営している「ウォルト・ディズニー・ジャパン」という会社、そしてディズニー本社とオリエンタルランドとの関係について、詳しく見ていきたいと思います。

 

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©Disney

 

ディズニーとオリエンタルランドの関係

まずは、こちらの図をご覧ください。

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これはウォルト・ディズニー・カンパニー(ディズニー社)とその子会社、そしてオリエンタルランドの関係を一枚の図にまとめたものです。

 

大きな図はこちらのリンクからどうぞ。

 

8月9日につぶやき騒動を起こしたのは、オリエンタルランドではなく「ウォルト・ディズニー・ジャパン」ディズニー社の日本法人です。

 

ウォルト・ディズニー・ジャパンは、日本でのディズニー映画の配給やソフト販売、ディズニーグッズ販売などのマーチャンダイジングを担当しています。

 

また日本のディズニーストアの運営や、ホテル会員権の「ディズニー・バケーション・クラブ」の販売・顧客サービス、衛星放送のディズニー・チャンネルの運営なども、ディズニー・ジャパンが担当しています。

 

最近ではLINEと手を組んで「ディズニー・ツムツム」を開発したり、ディズニーストアを大人の女性向けにリニューアルするなど、アメリカの本社からも一目置かれています。特にツムツムに関しては、海外のディズニーストアやディズニーパークでも販売され、人気を集めています。

 

8月に行われた「D23 Expo」ツムツムのぬいぐるみを使ったドレスが披露された。©Disney 

 

そんなディズニー・ジャパンですが、東京ディズニーリゾートの運営には一切関係していません。最近ではイベントなどでオリエンタルランドと連携する動きがみられますが、基本的にはほぼノータッチと言えるでしょう。

 

では、ディズニー・ジャパン以外のディズニー社の子会社と、オリエンタルランドの関係はどうなのでしょうか。

 

ライセンス契約「エンタープライゼズ・インク」

オリエンタルランドはディズニーとのライセンス契約をもとに、東京ディズニーリゾートを運営しています。

 

そのライセンス契約は、ディズニーの著作権や商標権を一手に管理している「ディズニー・エンタープライゼズ・インク」と結ばれています。オリエンタルランドが発行している「有価証券報告書」にも明記されています。

 

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オリエンタルランドが発行している有価証券報告書。「経営上の重要な契約等」にきちんと書かれている。

 

オリエンタルランドはこの契約によって、ディズニーが持つ著作権や商標権の使用が認められているのです。もちろん、その使用の対価として、年間200億円ほどのライセンス料を支払っています。

 

お目付け役「アトラクションズ・ジャパン」

アメリカのディズニーパークは、ディズニー社のパーク・リゾート担当子会社「ウォルト・ディズニー・パーク&リゾーツ」が運営しています。それ以外のパリ、香港、ハワイ・アウラニも、経営はディズニー社の資本が入った会社ですが、運営はパーク&リゾーツが担当しています。

 

東京ディズニーリゾートの場合、運営はオリエンタルランドですが、事実上のお目付け役として「ウォルト・ディズニー・アトラクションズ・ジャパン」という会社が作られています。

 

この会社はパーク&リゾーツの子会社で、本社は浦安市舞浜、オリエンタルランドの本社内にあります。この会社がパーク&リゾーツとオリエンタルランドの間に入って、調整を行ったり、運営に関する助言や、ライセンスの使用などについて承認を行ったりしているのです。

 

技術者集団「イマジニアリング」

さて、ここまでディズニーとオリエンタルランドの関係について、経営・運営面から見てきました。最後にディズニー社の子会社の中で、特にオリエンタルランドと関係が深い会社を一つ、ご紹介したいと思います。

 

それは「ウォルト・ディズニー・イマジニアリング」イマジニアとはディズニーによる造語で、イマジネーション(Imagination)とエンジニア(Engineer)を組み合わせたものです。美術や芸術、建築分野の技術者集団で、ディズニー社を陰で支える心臓部ともいえる会社です。

 

 

東京ディズニーリゾートの場合、アトラクションやパレード・ショーなどのエンターテイメント・プログラムは、オリエンタルランドとイマジニアリングが共同で開発しています。

 

イマジニアリングでは、最新の科学技術を、いかにディズニーの夢と魔法に仕上げるのか、日々研究が進められています。東京の場合、以前はイマジニアリングが主導していましたが、現在ではオリエンタルランドが果たす役割も大きくなってきているようです。

 

今後はどうなる?

ディズニーとオリエンタルランドの関係は、子会社一つ取ってみても、非常に複雑になっていることが分かると思います。特に東京ディズニーリゾートの場合は、世界で唯一、ディズニーと一切の資本関係のない会社が運営しているのです。

 

さて、最近では日本のスターバックスやバーバリーが、ライセンス契約ではなく、本社の直営に切り替わるということがありました。

 

 

特にバーバリーについては、ライセンス契約を結んでいた三陽商会が、低価格帯の「ブルーレーベル」などを投入して売り上げを伸ばしていたものの、本社は「ブランドの安売りだ」として、あまりよく思っていなかったこともありました。

 

 

ディズニーとオリエンタルランドのライセンス契約は、東京ディズニーシーが開園した2001年から45年間、つまり2046年に契約の満了を迎えます。

 

そのとき、ディズニーは東京ディズニーリゾートをどうするのでしょうか。オリエンタルランドを「大切なパートナー」として、契約を続けるのか、それとも我が物にしようと直営化に踏み切るのか…。あんまり変なことを考えると、鬼に笑われそうですね。

 

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©Disney

 

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