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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



夏休み特集 上海ディズニーランドって何ができるの?

上海

中国・上海で建設が進められている「上海ディズニーランド」舞浜新聞でもこれまでに記事の中で取り上げてきました。

 

上海のパークが完成すると、中国は米国に次いで一つの国に二つのディズニーパークを抱えることになります。アジア市場を取り込みたいディズニーにとって、上海は新たなチャレンジになるでしょう。

 

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©Disney

 

さて、2015年末のオープンを目指して工事が行われている上海。今回は「一体何ができるの?」という素朴な疑問について、海外パークの現状や海外のディズニーサイトなどの情報をもとにしながら、ちょっと考えていきたいと思います。

 

今回の記事ではプレスリリースや海外のディズニーパークにあるアトラクション、海外のファンサイトの情報をもとに、舞浜新聞の推測・考察を含めてまとめています。

 

記事で書かれている情報は、実際のオープンまでに変更される可能性があります。エリア名やアトラクション名などは、カタカナ読みもしくは直訳で表記しています。

 

どこにできるの?

中国最大の都市である上海。日本からも直行便が出ており、世界中から多くの人々が訪れています。上海ディズニーランドはそんな大都市の一角で建設が進められています。

 

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地図中で赤く囲んだエリアが上海ディズニーランドやその周辺施設の建設が進んでいる場所。上海の浦東国際空港から約20km、タクシーで20分ほど。

 

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建設場所の上空から撮影したもの。ディズニーランドを中心にしてホテルやショッピングエリアも建設される。

 

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上海市政府が発表した上海ディズニーリゾートの計画全体図。かなり広大なエリアであることが分かる。

 

シンボルは何?

ディズニーパークには必ず中心となるシンボル、ランドマークがあります。東京の場合、ランドはシンデレラ城、シーはプロメテウス火山*1になります。では上海は何がシンボルになるのでしょうか。

 

上海には「Enchanted Storybook Castle(魔法がかかった物語の城)」が作られる予定です。これはこれまでのパークの中で、最大規模のお城になるそうです。

 

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©Disney

 

 

これまでのディズニーパークでは「シンデレラ」や「眠れる森の美女」といった特定の作品のプリンセスがテーマになった城が作られてきました。上海ではコンセプトとして「すべてのディズニープリンセスに会える」というのを掲げています。

 

最近のパークでは屋内型のプリンセスのグリーティング施設を新設する動きが目立っています。上海ではこのグリーティング機能をお城に持たせるのでしょう。

 

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©Disney

 

このほかにもプリンセスに変身できる「ビビディ・バビディ・ブティック」やウォークスルータイプの「ワンス・アポン・ア・タイム・アドベンチャー」、そして地下にはボートライドタイプの「ヴォヤッジ・トゥー・ザ・クリスタル・グロット」が建設される計画です。ヴォヤッジのほうはジャングルクルーズのファンタジーランド版といった感じでしょうか。

 

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©Disney

 

上海ではこの巨大なお城の周りに、様々なテーマランドが配置されます。では、どんなテーマランドがあるのでしょうか。 

 

どんなテーマランドがあるの?

上海には全部で7つのテーマランドが作られる予定です。 

  • ミッキー・アベニュー
  • ファンタジーランド
  • ガーデンズ・オブ・イマジネーション
  • トゥモローランド
  • トイ・ストーリー・ランド
  • トレジャー・コーヴ
  • アドベンチャー・アイル

 

ファンタジーランドやトゥモローランドは東京にもありますので、読者の皆さんにとってはなじみ深いと思います。問題はそれ以外のテーマランド。実は上海はこれまでのディズニーパークとは違って、かなりテーマランドの構成や配置を変えるのです。

 

大きな特徴は「メインストリートがない」ということ。ディズニーパークの場合はエントランスからランドマークに向けて、一本の道が通っています。これは映画で言えば「プロローグ」に当たります。

 

東京でもシンデレラ城に向かって歩いていくと、なんだかワクワクしますよね。ディズニーパークの場合、メインストリートはウォルト・ディズニーが幼いころ住んでいた街並みを再現しており、かなり重要な意味を持っています。

 

しかし、上海にはこういったメインストリートは作られません。その代わりに「ミッキー・アベニュー」が作られます。ここはレストランやショップなどが配置される予定です。

 

また、上海では、これまでのファンタジーランドを2つのエリアに分けています。

 

フロリダ・マジックキングダムでは隣接するトゥーンタウンと合わせてファンタジーランドの再開発が行われました。上海もその流れに乗って、ファミリー向けのファンタジーランドを強化するとみられます。城前は「ガーデンズ・オブ・イマジネーション」、城後は「ファンタジーランド」という分かれ方になります。

 

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城前にはこれまでのプラザとは違い「ガーデンズ・オブ・イマジネーション」としてかなり広大な敷地が確保されている。©Disney

 

「トレジャー・コーヴ」は上海オリジナルのテーマランドです。「カリブの海賊」をテーマにしており、オリジナルのアトラクションも設置されます。カリブの海賊は世界的に人気があるので、アドベンチャーランドから独立させたのかもしれません。

 

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「トレジャー・コーヴ」のコンセプトアート ©Disney

 

また上海には「アドベンチャー・アイル」が作られます。パリにも同じ名前のエリアがありますが、こちらはピーターパンのネバーランドをイメージしたエリアになっています。一方の上海ではアドベンチャーランドの代わりのエリアとなりそうです。ただし「ジャングルクルーズ」や「魅惑のチキルーム」といったおなじみのアトラクションは上海には作られません。

 

ちなみに、これまでのディズニーパークはエントランスから向かって左側にアドベンチャーランド、右側にトゥモローランドが配置されていました。しかし、上海はその逆。左側にはトゥモローランド、右側にはトレジャー・コーヴやアドベンチャー・アイルが作られる予定です。

 

どんなアトラクションができるの?

ミッキー・アベニュー

アトラクションはなく、ショップやレストランが設置されます。また、エリアのシンボルとして「ザ・カーセイ・サークル・シアター」をモデルにした建物が作られるという情報もあります。カリフォルニア・アドベンチャーには、かつて有名な映画館だったこの建物をモデルに作られたレストランがあります。それと同様の施設が上海でも作られるようです。

 

ファンタジーランド

アリス・イン・ワンダーランド・メイズ

パリにはオリジナルアトラクションとして「アリスの不思議なラビリンス」 が設置されています。これはウォークスルータイプの迷路のアトラクションです。上海では違う名前ですが「Maze(迷路)」という言葉が使われているため、同様のアトラクションになると思われます。


ハンドレッド・エーカー・ウッド

くまのプーさんが住む「Hundred Acre Wood(百エーカーの森)」をテーマにした小さい子供向けの遊び場所です。マジックキングダムにかつてあった「Pooh's Playful Spot」と同様のものが作られると思われます。

 

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ファンタジーランドの再開発のために閉鎖された「Pooh's Playful Spot」2005年~2010年まであった。©Disney


ハニー・ポット・スピン

ディズニーパークには映画『ふしぎの国のアリス』をテーマにした「コーヒーカップ」のアトラクションがあります。しかし、上海には同様のアトラクションは作られません。その代わりに上海ではプーさんのハニーポットが回転するアトラクションが作られます。


イッツ・ア・スモール・ワールド

世界各国のディズニーパークで親しまれているアトラクションですね。香港やカリフォルニアのスモールワールドでは、ディズニーやピクサーのキャラクター要素が取り入れられています。上海ではどんなスモールワールドになるのか、楽しみですね。

 

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香港のスモールワールド。パリのスモールワールドのデザインが不評だったことから、香港ではメアリー・ブレアのデザインに戻された。上海でもおそらくメアリーのデザインが使われると思われる。©Disney

 

ピーター・パン・フライト

東京では「ピーターパン空の旅」としておなじみのものですね。ただし上海では内容が一新されるという情報もあります。

 

セブン・ドワーフズ・マイン・トレイン

マジックキングダムのファンタジーランド再開発で初めて登場したアトラクションです。映画『白雪姫』に登場する7人の小人たちのトロッコがモデルになっており、左右に振り子のように揺れながら鉱山を駆け巡ります。オープン以来、家族連れに大人気のこのコースターが上海にも作られます。


ストーリーブック・コート

キャラクターのグリーティング施設になります。


ソード・イン・ザ・ストーン

映画『王様の剣』がテーマになったアトラクションです。といっても、建物が作られるわけではなく、簡単に言うと「剣が刺さった岩」です。剣を引いたものは勇者とされます。


ザ・メニー・アドベンチャー・オブ・ウィニー・ザ・プー

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東京で言うと「プーさんのハニーハント」ですね。カリフォルニアやマジックキングダム、香港にもある「プーさんの冒険」が上海にも作られる予定です。

 

ガーデンズ・オブ・イマジネーション

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ダンボ・ザ・フライング・エレファント

東京でも「空飛ぶダンボ」としておなじみのものですね。

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ファンタジア・カルーセル

ディズニーパークにはカルーセル(メリーゴーランド)が設置されています。それぞれで扱っているテーマが異なり、「アーサー王と騎士ランスロット」「シンデレラ」「リトル・マーメイド」「アラジン」の4つに分けられます。

 

東京でもおなじみなのは「キャッスルカルーセル」シンデレラをテーマにしたカルーセルです。上海では映画『ファンタジア』をテーマにしたまったく新しいカルーセルになりそうです。

 

ミート・ミッキー・アンド・フレンズ

トゥーンタウンの「ミートミッキー」の代わりに作られるアトラクションです。「アンド・フレンズ」と書かれていますので、ミニーやドナルド、グーフィーなどのフレンズたちにも会えるということでしょう。


ストーリーブック・キャッスル・ステージ・スぺクタキュラー

東京で言うと「キャッスルフォアコート・ステージ」といったところでしょうか。城前にショーを行うステージが作られます。


ガーデン・オブ・ザ・トゥエルヴ・フレンズ

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桃が植えられ、十二支をもとにした12のディズニーキャラクターの壁画が設けられる予定です。中国らしさが感じられるエリアになりそうですね。

 

トゥモローランド

アリーナ・イー・ステージ

ショーを行うステージになります。


バズ・ライトイヤー・プラネット・レスキュー

東京やカリフォルニア、マジックキングダム*2、パリ、香港にもある「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」が上海にも作られます。ただし注目なのが「プラネット・レスキュー」と表記しているところ。新しい技術と上海オリジナルの要素が加わりそうですね。


ジェット・パックス

カリフォルニアとマジックキングダムにある「アストロ・オービター」や、パリと香港にある「オービトロン」、そして東京にある「スタージェット」と同様の空中旋回型アトラクションになると思われます。ただしテーマに関しては今のところ何とも言えません。スリルがあることには間違いなさそうです。


スティッチ・エンカウンター

パリ*3や香港にある「スティッチ・エンカウンター」東京でも2015年夏にキャプテンEO跡地にオープン予定です。上海にも同様のアトラクションが作られます。香港では時間帯によって広東語・英語・中国語の3つの言語で行われていますが、上海はどうなるでしょうか。


トロン・ライトサイクルズ・パワー・ラン

これは上海オリジナルのアトラクションです。上海には「スペースマウンテン」が作られません。その代わりの屋内型コースターが「トロン・ライトサイクルズ・パワー・ラン」になります。ライドは史上初のバイク型になるという話もありますので、これはかなりスリルがあるアトラクションになりそうですね。

 

トイ・ストーリー・ランド

レックスズ・レーサーズ

パリと香港にある「RCレーサー」が上海でも導入されます。名前は違いますが、パリや香港と同じものが導入されると思われます。


スリンキー・ドッグ・スピン

こちらもパリと香港に同名のアトラクションがありますので、それと同様のものが導入されると思われます。

 

トレジャー・コーヴ

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パイレーツ・オブ・カリビアン:バトル・フォー・サンケン・トレジャー

東京や海外のパークでもおなじみの「カリブの海賊」上海ではゲストがジャック・スパロウの部下となり、幽霊船のデイヴィ・ジョーンズと戦って、失われた宝物を求めて冒険するという設定のようです。

 

フロリダのハリウッドスタジオには2012年に「The Legend of Captain Jack Sparrow」がオープンしています。ここはウォークスルータイプになっているのですが、3Dプロジェクション・マッピングを使ったかなり斬新なアトラクションになっています。もしかすると、ここと同様の技術が上海でも導入される可能性は十分あります。

 

エクスプローラー・キャノンズ

東京の「ビーバーブラザーズのカヌー探険」と同じように、入り江を船で探検するアトラクションだと思われます。上海にはアメリカ河がない代わりに、こちらで船旅が楽しめそうですね。

 

スタント・シアター

「カリブの海賊」をテーマにした本格的なスタントショーが行われる施設です。ジャック・スパロウも出演するショー、どんなものになるのか非常に楽しみですね。

 

アドベンチャー・アイル

キャンプ・ディスカバリー・チャレンジ・トレイル

カリフォルニアにある「レッドウッド・クリーク・チャレンジ・トレイル」と同様のアトラクションが作られると思われます。ここは「カールじいさんの空飛ぶ家」をテーマにした子供向けのアスレチックになっています。「ハンドレッド・エーカー・ウッド」と同じく、小さい子供向けの遊び場所になりそうです。

 

ローリング・ラピッズ

フロリダのアニマルキングダムにある「カリ・リバー・ラピッド」と同様のアトラクションになると思われます。これは丸いボートに乗って激流を下るアトラクション。私も乗ったことがありますが、かなりびしょ濡れになるスリリングなものです。ただし上海には恐竜の要素が加わるようです。


ソアリング・オーバー・ザ・ホライズン

カリフォルニアとフロリダで導入されている「ソアリン」これが上海にも導入されます。問題は「どんなテーマを設定するのか」カリフォルニアとフロリダはリニューアルに向けて動き始めていますので、そのリニューアル版と同じものが上海にも導入されると思われます。

 

さて、米国パークのように単に遊覧飛行を楽しむアトラクションになるのか。それともテーマをひとひねりするのか。アドベンチャー・アイルにソアリンが含まれているのもかなり気になりますね。

 

ショップやレストランは何ができるの?

アトラクションと同様に楽しみなのがショップやレストラン。もちろん上海にも多くのお店が登場する予定です。

 

ショップで注目すべきは、やはり東京でもすっかりおなじみの「ビビディ・バビディ・ブティック」東京の場合はランドホテルの中にありますが、上海ではキャッスルの中に作られる予定です。

 

また「レミーズ・パティスリー」や「タングルドゥ・ツリー・ターバン」といったオリジナルレストランも作られます。「レミーズ・パティスリー」は映画『レミーのおいしいレストラン』がテーマになったお菓子屋さん、「タングルドゥ・ツリー・ターバン」は映画『塔の上のラプンツェル』がテーマになったバーです。これを聞いただけでも、どんなレストランになるのかワクワクしますね。

 

舞浜新聞として気になるのが「クラブ33」が作られるという情報があることです。カリフォルニアと東京には、非公開の会員向けレストラン「クラブ33」があります。それ以外のディズニーパークにはありません。上海にも接待用として同様のレストランが作られるのか、ちょっと気になりますね。

 

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ショッピングエリアの計画図とされるもの。パーク内に「Club 33」という言葉が書かれている。©Disney

 

パークの周りには何ができるの?

ディズニーランドの周りにはショッピングエリアに加えて、2つの直営ホテルが建設されます。

 

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パーク近くで建設中の2つの直営ホテル。下のホテルは「トイ・ストーリー」をテーマにしたホテルだと言われている。©Disney

 

ショッピングエリアには1200席のブロードウェイ型劇場「ウォルト・ディズニー・シアター」が作られる予定です。ここではミュージカル「ライオン・キング」が上演されることが正式に発表されています。

 

またイギリスのバリュー・リテールと提携した高級アウトレットモールも建設される予定です。ただしアウトレットモールは2015年秋オープン予定ですので、パークよりも先となりそうです。

 

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さらに地下鉄11号線の延伸も決まっています。羅山路駅からパーク直結の新駅まで結ばれ、パーク開園に合わせて開業する予定です。上海市街地とも結ばれますので、空港やその周辺からもアクセスがよくなりそうです。またディズニーデザインの列車も導入される予定です。

 

将来的には地下鉄2号線の支線として24号線を新駅まで延伸する計画や、市内にある虹橋国際空港と郊外の浦東国際空港を結ぶ高速鉄道を整備して、ディズニーリゾートの近くに駅を設ける計画もあります。

 

これからどうなるの?東京への影響は? 

舞浜新聞では上海ディズニーランドについて、中国国内や東南アジアからの客を取られることから、東京にとってかなり影響があるのではないかと考えてきました。

 

オリエンタルランドとしては、少子高齢化で先細りする日本国内からよりも、より多くの外国人観光客に訪れてほしいと考えています。しかし、東京から目と鼻の先である上海にディズニーパークができると、かなり難しいのではないかと思うのです。

 

もちろん開園当初は敷地面積が狭く、アトラクションの数も少ないため、短期的に見ると影響は小さいかもしれません。しかし、上海のパーク周辺には拡張用地として広大な土地が確保されています。第2パークや第3パークの建設計画もありますので、集客に成功すればアジア最大のディズニーリゾートになることも決して夢物語ではありません。

 

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上海ディズニーリゾートの全体計画図。ランドの周りには拡張用地が広がっており、第2・第3パークの建設も十分考えられる。またパーク直結型ホテルの建設用地も確保されている。

 

ディズニー本社としても、今後大きな成長が見込まれる中国市場、アジア市場を取り込むためには上海の成功、そして香港のさらなる成長が必要不可欠であると考えていると思います。

 

もちろん、大人の女性に支持されている東京の重要性は変わりません。しかし、フランチャイズ経営である東京のパークと、直営の上海・香港のパークとは、やはり優先度が違ってくるのではないでしょうか。

 

さらに上海ディズニーランドはこれまでのディズニーパークと構造がかなり異なっています。一つ目は「ハブ・スポーク構造を採用していないこと」従来のパークであれば中心にシンボルがあり、エントランスからそこまでにつながる道があり、そしてそのシンボルから様々なテーマエリアへとつながる道がありました。

 

しかし、上海の場合、メインストリートもなければ、ハブもありません。城前にはガーデンズ・オブ・イマジネーションが一つのエリアとして設けられます。

 

もう一つは「パークの周りに鉄道が走っていないこと」これについては法律上の関係で導入が難しかった東京を除いて、すべての海外パークで導入されています。しかし、上海にはディズニーランド鉄道はありません。これも鉄道好きだったウォルトの遺志を受け継いで作られていたものですが、上海には導入されないのです。

 

これらを考えると、上海のパークはディズニーにとって実験場であり、今後のディズニーパークを作るうえでの試金石ではないかと思うのです。マジックキングダムのコピーを作れば、おそらく成功するでしょう。かつての東京がそうでしたから。しかし、それをディズニーがやらなかったということは、やはりそれだけ上海に期待をしている証拠だと思うのです。

 

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東京・香港・上海それぞれの面積を同じ縮尺で比較したもの。上海ディズニーリゾートの敷地がいかに広大かがよく分かる。

 

オリエンタルランドが今後10年間で5000億円もの大規模な投資計画を発表した翌日、上海市政府は上海ディズニーリゾートに50億元(約830億円)を追加投資することを発表*4しました。当初予定していた投資額は290億元(約4800億円)ですから、かなりの上積みです。追加投資によって収容能力をこれまでの計画から3割増やして、年間1000万人近くにする見通しです。

 

私はこの一報を聞いたとき「上海政府はオリエンタルランドをかなり意識しているのかもしれない」と感じました。それはオリエンタルランドの発表の翌日というタイミングで追加投資を発表したことです。偶然にしてはあまりにも出来過ぎています。もしかすると、ディズニーパークをめぐって、日本と中国の戦いは始まっているのかもしれません。

 

成長著しい中国。「バブル崩壊が近いのでは?」という声も多く聞かれますが、中間層の増加はかつての日本と同じように進んでいます。さて、東京ディズニーリゾートは上海に勝てるのでしょうか。海外のディズニーファンが「東京に行きたい!」と思えるようなものを提供できなければ、おそらく上海に負けるでしょう。それだけ事態は深刻なのです。

 

参考リンク

*1:公式ではエントランスにある「アクアスフィア」がシンボルとされています。ここではパークの中心となるランドマークとして挙げました。

*2:マジックキングダムでは「バズ・ライトイヤーのスペースレンジャー・スピン」と表記されています。

*3:パリでは「スティッチ・ライブ!」と表記されています。

*4:2014年4月29日・日本経済新聞「上海ディズニーリゾートが830億円の追加投資」