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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



オリエンタルランド 第54期 定時株主総会を振り返る

東京ディズニーリゾートの分析・考察 株主総会

最近は本業が忙しくて、どうも更新が遅れがちになっています。なるべく更新頻度が上がるように頑張っていきますので、引き続き舞浜新聞をよろしくお願いします。

 

さて、6月27日に幕張メッセでオリエンタルランドの株主総会が行われました。今年はアニバーサリーイベントの後ということで、入園者数・売上ともに落ち込むことが予想されています。また、7月15日には、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンに新しくハリーポッターのエリアもオープンします。東京ディズニーリゾートにとって今年は、ちょっと試練の年になりそうです。

 

そんな一年間を前にして開かれた総会。今回はそんな総会の質疑応答の中から、東京ディズニーリゾートの将来像について考えていきたいと思います。

 

今回の総会では、オリエンタルランドから具体的なパークの拡張計画や、サプライズはありませんでした。あくまでも昨年度の決算と同時に発表された「中期経営計画」をもとに、説明が行われました。

 

10年間で5000億円の投資

まずは「10年間で5000億円の投資」について。この5000億円はテーマパーク事業に投資すること、ランドはエリア一新、シーは拡張エリアの活用というのが、先日の中期計画のなかに盛り込まれました。今回の質疑応答では、それ以外にも「ゲストの年齢層変化への対応」「従業員が働くための機能向上」などが出ました。

 

ゲストへのサービスやホスピタリティの向上には、まずはキャストへの支援が不可欠。ランドの場合、主なバックステージの施設は開園当初から変わっていませんので、そこらへんにも手を付けるということでしょう。駐車場の立体化や移転で土地を確保すれば、当然バックステージ施設の移転や改築も必要になりますからね。

 

また「年間3000万人レベル」まで入園者数が増えれば、それだけ多くのキャストも必要になります。多くのキャストに対応したバックステージのあり方も重要になってくるでしょう。

 

ちょっと気になる発言もありました。ファンタジーランドに開園当初からあるアトラクションについて「現時点での新たなショー*1改善の計画はまだない」との発言があったのです。これについては、城ワンスなどで使われている花火打ち上げ場が屋上にある関係上、すぐに大規模な再開発は行われないという見方が当たったということでしょう。

 

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シンデレラ城周辺の航空写真。城両側の建物の屋上に、花火の打ち上げ場が設置されている。

 

ただ、スモールワールド周辺で再開発に向けた準備が進められるなど、ファンタジーランドに関しては予断を許さない状況です。

 

 

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スモールワールド周辺の航空写真。もしここに手を付けるとすれば、バックステージを含めたかなり大規模な再開発となる。

 

舞浜新聞では「マジックキングダムに導入した新ファンタジーランドを舞浜にも持ってくるのでは?」と考え、これまでの記事の中で言及してきたのですが、トゥーンタウンにメトロポリトゥーン・プラザ(青色の屋根)が完成するなど、どうも再開発の予兆は見られません。これについては、今後も取材を進めていく予定です。

 

 

東京ベイNKホールの跡地

昨年12月に第一生命から買収した東京ベイNKホールの跡地について。ホールは老朽化のため使えないこと、そして跡地は「ホテル用地」として申請・届出している場所であることが説明されました。

 

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解体工事に向けた準備が進められている旧NKホール

 

舞浜新聞では今年元日の特集記事で、NKホール跡地の利用方法について、いろいろと分析しました。

 

 

今回の株主総会で明確に「ホテル用地」と説明された以上、それ以外の用途は考えにくいと思われます。やはりアンバサダー、ミラコスタ、ランドホテルに次ぐ、第4のディズニーホテルの建設に踏み切るのか、それとも昨年3月に買収したブライトンホテルを建設するのか…。どちらにしろ、オフィシャルホテルにとっては目と鼻の先に強力なライバルが増えることになりそうです。

 

ただ、2020年の東京オリンピックを考えると、今後東京のホテルの客室は足りなくなるのでは?と指摘する声もあります。オリンピック会場からも近く、都心とのアクセスもいい舞浜地区に新しくホテルを作ることは、かなり有力ではないでしょうか。

 

新規事業はなに?

テーマパーク事業、ホテル事業に次ぐ新しい事業に関して、株主からは「キャンプ・ネポス」の話題が出ました。

 

かつて脱ディズニーを意識して始めた教育事業。当時の加賀見社長(現CEO)の肝いりで始めたものでしたが、結局思っていたような収益をあげれずに撤退…。オリエンタルランドにとってディズニーパークの運営やホテル事業以外で、大きな収益源となっている事業はありません。

 

舞浜新聞としては、ディズニーとのライセンス契約でパークを運営している企業である以上、それが限界ではないかと思っています。舞浜一極集中のリスクは当然ありますが、やはり本業に専念すべきだとは思うのですが…。

 

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イクスピアリで舞浜駅から一番近い場所に立地していた「キャンプ・ネポス」2008年5月に閉鎖後、長らく放置されていたが、今年8月に「カフェ・カイラ」のオープンが決まっている。

 

オリエンタルランドの上西社長は読売新聞のインタビュー*2の中で「テーマパーク事業、ホテル事業に並ぶ、新たな収益の柱を10年後までに作りたい」と明かしています。さて、どんな新しい事業を見せてくれるのか。舞浜新聞としては、かなりの難産になるのではないかと見ています。

 

キャストの雇用問題

キャストの雇用についても話題が出ました。人手不足はオリエンタルランドも認識しているようで、今後の動向を見ながら対応していくとのこと。もちろん、時給の引き上げも視野に入っているでしょう。

 

大規模なアルバイト面接会を行っているため「現場は人が足りないのでは?」という指摘もあるのですが、質疑応答では今のところ必要数は満たしているということでした。また、今後はバックステージの機械化・省力化、キャストの年齢層を広げる(おそらく高齢者の雇用でしょう)などにも目を向けていくようです。

 

2008年現在で、55歳以上のキャストは約400人が活躍しており*3、現在はその数が増えています。

 

キャストの待遇については昇給、賞与、優待、表彰などで楽しく働いてもらえるように仕組みを作っていること、アルバイトからテーマパーク社員、管理監督者への内部登用制度を設けていることなども説明されました。

 

また最近話題になっている「なのはなユニオン(オリエンタルランドユニオン)」についても触れられました。オリエンタルランドとしては委託管理を通じて業務を行っているので、偽装請負の事実はないとハッキリ否定していました。また、よく言われる「ブラック企業」と同じようなことをオリエンタルランドがしているのではないか?という指摘に対しては「断固としてない、とお約束できる」と明確な発言がありました。

 

ワンス・アポン・ア・タイム

5月にスタートしたキャッスル・プロジェクション「ワンス・アポン・ア・タイム」オリエンタルランドとしても、集客の目玉として相当な期待をしていたようです。ただ、開始当初のワールドバザール前やパートナーズ像前での混乱は反省材料とのこと。混雑緩和のために1日2回公演にしているものの、それに加えて一気に退園するゲストの流れが出ないように閉園を遅らせる「スロークローズ」を実施しているという話も出ました。

 

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城ワンスを見たいゲストがパークにとどまったために入場制限の解除ができず「当日券の販売終了」という事態にまで発展した。今後も入場制限、当日券の販売終了といったことが起きる可能性は高い。©Disney

 

城ワンスに関してはゲストの滞在時間の延長、宿泊需要の掘り起こし、そして閉園間際のショップ売上の向上などが開催の狙いとして考えられます。公式の閉園時刻は「22時」なのですが、ショップに関しては「22時30分まで営業」とアナウンスされています。「慌てずにゆっくり(買い物でもして)帰ってくださいね」というオリエンタルランドからのメッセージでしょう。

 

またSNSを中心に広がった「城ワンスは期間限定のショー」という誤った情報についても、オリエンタルランドとして把握していることが明かされました。これについては「集客アップのために世論誘導したんじゃないの?」という声も聞かれるのですが、質疑応答の中で「レギュラーショーであると強くメッセージを出す」という発言もありましたので、おそらく邪推でしょう。

 

アナと雪の女王

大ヒットで日本でも社会現象にまでなった「アナと雪の女王」これに関して舞浜新聞では、質問が出ても「現時点で決まっていることはありません」といったお茶を濁す発言で終わるのかな、と思っていました。しかし「人気があるので早期にこれを題材にし、何ができるのかを検討する。その結果、いつ導入するのかは決まり次第発表する。ご期待下さい」というかなり前向きな発言が飛び出しました。

 

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城ワンスで登場するエルサとオラフ ©Disney

 

米国のパークではアナとエルサのグリーティングが導入されたり、パレードに2人が登場したりするなど、パーク内での露出が増えています。近いうちに、東京でもアナとエルサに会えるのかもしれませんね。

 

さて、大きな発表やサプライズがなかった今回の株主総会。しかし、オリエンタルランドとしても現時点で言える範囲で株主からの質問に答えていた印象を受けました。日本経済新聞のインタビュー*4の中で上西社長は「14年度中に何らかのことを発表する」と発言しています。

 

さて、私たちゲストが驚くような発表は、いつあるのか。今後もオリエンタルランドの動向に注目していきます。

*1:ここでいう「ショー」とは、アトラクションの中身のことを指しています。

*2:2014年7月12日付・朝刊8面

*3:東京ディズニーリゾートで活躍するシニア世代 <その1>~定年後、思い切ってキャストに応募~ - 日経BP セカンドステージ

*4:2014年7月6日付朝刊「(そこが知りたい)10年で5000億円投資、狙いは オリエンタルランド社長 上西京一郎氏」