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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



1周年記念特集 東京ディズニーリゾート30周年イベントを振り返る

東京ディズニーリゾートの分析・考察

東京ディズニーリゾートの30周年イベント「ザ・ハピネス・イヤー」の開催を控えた昨年(2013年)3月23日。この日、はてなブログ「舞浜新聞」は誕生しました。多くのディズニーファンの皆さんに支えられて、ここに創刊から1年を迎えることとなりました。本当にありがとうございます。

 

今回は「創刊1周年記念特集」と題して、3月20日まで一年間開催された東京ディズニーリゾートの30周年イベント「ザ・ハピネス・イヤー」を、舞浜新聞らしい視点で振り返ってみたいと思います。

 

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©Disney

 

期待しなかった30周年イベント

舞浜新聞では30周年イベントが始まる前に、一本の記事を書きました。それが「私が「ザ・ハピネス・イヤー」に期待しない3つの理由」今から思うと、なんて挑戦的なタイトルにしたものだと思います。

 

 

記事の内容を簡単にまとめると「新しい昼のパレード以外、目玉企画がない」「アニバーサリーのキャッスルショーがない」「ゲストに向けた企画がまったくない」という理由を挙げて、30周年イベントにはあまり期待できないということを書きました。この記事に関しては賛成・反対を含めて大きな反響をいただきました。

 

さて、30周年イベントが無事に終わったのですが、やはり舞浜新聞としては不満が大きく残りました。その一番の理由が「アニバーサリーイベントなのに、なにも特別なことがなかった」というものです。

 

「アニバーサリーらしさ」が一切なかった30周年 

これまでのアニバーサリーイベントでは、新しいアトラクションやショー、パレードが用意され「どんなワクワクが待っているんだろう」と胸を躍らせながらパークを訪れたものでした。しかし、今回の30周年イベントでは「アニバーサリーならではの特別なもの」は一切ありませんでした。

 

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ランド15周年に行われたデイパレード「ディズニー・カーニバル」このときは「王国史上最大のカーニバル」と題してアニバーサリーイベントが開催された。©Disney

 

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リゾート25周年に行われたステージショー「ミッキーのドリームカンパニー」このショー以降、閑散期にシーでステージショーが行われたことはない。©Disney

 

今回のイベントの目玉として導入された、新しいデイパレード「ハピネス・イズ・ヒア」イベント開始と同じ4月から公演が始まりましたが、もともとデイパレードは5年ごとの更新が決まっています。これはフロートの耐用年数が関係してくるからです。

 

しかもデイパレードにはNTTドコモがスポンサーとしてついています。アニバーサリーイベントの目玉としては、あまりにも貧弱でした。

 

アトラクションといえば「スターツアーズ」がリニューアルされただけ。確かに3Dの視覚効果が加わって面白くはなりましたが、目新しさには少し欠けました。

 

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スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー ©Disney

 

キャッスルショーも同様です。前回のアニバーサリーである25周年の場合、夏(スターライト・ドリームス)・クリスマス(ミッキーのジョリースノータイム)・閑散期(ドリームス・ウィズイン)の3回、シンデレラ城前でショーが行われました。しかし、30周年ではキャッスルショーは夏のみ。しかも前年に行われた「爽涼鼓舞」を若干手直しするだけの公演で、アニバーサリーならではのショーではありませんでした。

 

25周年イベントはリーマンショックが起きる前、長期的に景気が良くなっていた2008年に行われました。その頃と今とでは、経済状況やゲストがパークに求めるものは違うと思います。しかし、それでも「アニバーサリーらしさ」が全く感じられないパークに、私は不満と不安を感じたのです。

 

コストカットの影がちらつくパーク 

近年のパーク、特に2006年以降のパークはショーやパレードといったエンターテイメント・プログラムの予算を大きく削っています。そのことについては、舞浜新聞では何度も記事で取り上げ、読者の皆さんにお伝えしてきました。

 

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過去10年間のエンターテイメント・ショー製作費の推移。近年は経費削減傾向なのがよく分かる。2013年度は未発表のため空欄。

 

しかし、30周年イベントのように、せっかくのアニバーサリーなのに相変わらず経費削減・利益第一主義を強めるオリエンタルランドにはがっかりさせられました。ディズニーパークから「生の感動」をなくしてしまっては、ただの乗り物がある遊園地になってしまうのではないでしょうか。

 

さらに私が不安を覚えたのは、閑散期に始まったハピネス・イズ・ヒアの停止バージョンとグリーティングです。これまで1月~3月の閑散期、いわゆるゲストの来園が落ち込む時期には、キャッスルショーなどの特別なプログラムを用意して集客する方法を取っていました。

 

しかし30周年ではキャッスルショーはなし。その代わり、閑散期限定でハピネス・イズ・ヒアをパレードルートで停止させたり、これまでパーク内では行っていなかった30周年のコスチューム、いわゆる「金コス」を着たミッキーとミニーのグリーティングを行ったりしたのです。

 

これまでのアニバーサリーでは、パレードの停止(ショーモード)は期間中ずっと行っていました。特別なコスチュームを着たキャラクターのグリーティングも同様です。そんな2つを閑散期を狙って行ったということは、それだけオリエンタルランドがこの2つに集客力があるということに気付いている証拠だと思います。

 

ゲストの来園が落ち込む閑散期を狙って、この2つを行う。ディズニーファンを狙った、あまりにも姑息なやり方ではないでしょうか。これでは足元を見ていると思われても仕方がありません。

 

「アニバーサリーだからゲストは期待感を持ってやってくる」「だから適当にパークに変化を持たせれば、ゲストは満足するだろう」「どうせ予算をかけなくてもゲストは来るだろう」今のオリエンタルランドのやり方を見ていると、こう思えて仕方がないのです。

 

経費削減が悪いとは言いません。オリエンタルランドが営利企業である以上、利益を出さなくては意味がないからです。しかし、ここまで露骨に経費削減・利益第一主義を打ち出されてしまっては、私たちゲスト、パークファンは何を期待すればいいのでしょうか。ただパスポートを買って、グッズを買って、レストランで食事をすれば、それでいいのでしょうか。なんだか涙が出てきそうです。

 

経営は絶好調なオリエンタルランド 

東京ディズニーリゾートの2013年度の入園者数は、ついに3000万人(ランド・シー合算)の大台を突破する見込みです。オリエンタルランドの決算も売上高・利益が過去最高を更新する予想です。経費削減を強めるパーク。多くのゲストで賑わうパーク。そして大きな利益を上げるオリエンタルランド。もはや現状にノーを突きつける人は誰もいないでしょう。だって儲かっているのですから。

 

テーマパークでは「周年の呪い」といって、アニバーサリーの翌年は客足が落ち込む傾向があります。これは来園の先取りなどで、予定を前倒しして訪れる人が多くなるためです。東京ディズニーリゾートは、まさにこれからこの「周年の呪い」に突入しようとしています。しかし、そんな呪いを打ち破るために何かをするのかと思いきや、どうもそうではないようです。

 

アトラクションのリニューアルに関しても、20億円程度の小粒なもの。エンタメも初のキャッスル・プロジェクションとなる「ワンス・アポン・ア・タイム」のみで、それ以外はまだ発表されていません。シーのハーバーショー「レジェンド・オブ・ミシカ」にいたっては、今年の9月で終演が決まっています。

 

後継ショーについてはいまだに何も発表がなく、一部では「シー15周年の2016年までハーバーショーは廃止では?」という声も聞かれます。

 

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いまだに後継となるショーの発表がない「レジェンド・オブ・ミシカ」スポンサーである講談社は長引く出版不況に苦しんでいる。スポンサー撤退も十分考えられる。©Disney

 

また、シンデレラ城を使った結婚式のために、城前にステージを組むことができず、キャッスルショーの開催は今後なくなるでは?という話もあります。今後「ワンス・アポン・ア・タイム」も始まりますので、場合によっては夏もステージを組めなくなる・組まなくなる可能性はかなり高いでしょう。

 

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シンデレラ城とランドホテルを使って行われる「ディズニー・ロイヤルドリーム・ウェディング」50名で770万円とかなり高額だ。©Disney 

 

こうして記事を書いていると、現状のパークに対して不満だらけになってしまいます。果たして、オリエンタルランドは一体何を考えているのか。そしてパークの未来は明るいのか。これについては、タイムマシンにでも乗って、未来の私に聞いてみるしかなさそうです。未来の私に「30周年と言えば?」と聞いたら、一体どんな答えが返ってくるのでしょうね。

 

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©Disney