舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



東京ディズニーランド「ワンマンズ・ドリームⅡ」の休演で思うこと

今日は12月27日金曜日。今日で仕事納め、明日から年末年始のお休みに入る方も多いのではないでしょうか。舞浜新聞では年末年始も休まず、ブログ・twitter・facebookを更新していきますので、よろしくお願いします。

 

さて、今回の記事では今年10月に東京ディズニーランドで起きた「ある事件」について、ちょっと考えてみたいと思います。

 

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©Disney

 

今年10月17日~10月28日、ランドのショーベースで行われているショー「ワンマンズ・ドリームⅡ-ザ・マジック・リブズ・オン」が休演となりました*1。理由は「出演者(ダンサー)の体調不良」私はこれを聞いたとき「ついにショーベースでも起こってしまったか」と心の中で呟いてしまいました。

 

出演者の体調不良を理由とした休演は、東京ディズニーリゾートでは決して珍しいことではないのです。例えば2009年8月のこと。このときは新型インフルエンザが大流行して、大騒ぎになりました。

 

舞浜も例外ではなく、シーの「ビックバンドビート」の出演者が新型インフルエンザに感染して、休演となってしまったのです。このとき、ブロードウェイ・ミュージックシアターでは、企業による貸し切り向けのプログラム「ショータイム・フレンズ」を代替ショーとして開催しました。

 

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ブロードウェイ・ミュージックシアターで行われる「ショータイム・フレンズ」写真は今年(2013年)3月に行われたキリンビバレッジのパーク・ファン・パーティーのときのもの。©Disney

 

ビックバンドビート以外にも、ミニー・オー!ミニーやポリネシアンテラスレストラン、ザ・ダイヤモンドホースシューなどでも、過去に出演者の体調不良を理由に休演したことがあります。しかし、今回のショーベースの休演には、色々と複雑な事情がありそうなのです。

 

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昨年ダンサーのけがが相次ぎ休演となった「ミニー・オー!ミニー」ファンからは「何か呪われているのでは?」との声も。©Disney

 

まず一つ目は、休演が「10月17日から」になっている点。この前日16日の朝に台風26号が関東地方に最接近しました。伊豆大島で大きな被害が出たのは、記憶に新しいと思います。

 

そんな台風最接近の翌日からだったため、休演決定当初は「台風で舞台装置が故障したのでは?」という声がありました。しかし、ショーベースではすぐに代替ショーが行われていましたので、この可能性は低いでしょう。

 

二つ目は台風に関連して「外国人ダンサーたちがストライキを起こしたのではないか?」というもの。これに関しては、一部で噂として伝えられましたが真偽は不明です。台風が接近している最中、危険なのに出勤を強要された外国人ダンサーたちが、抗議の意味でストライキを起こした、というのであれば確かに納得できます。

 

三つ目はオリエンタルランドからの発表通り、出演者による体調不良だというもの。これに関しては、休演前からダンサーの数が減り、少ない人数で回していたという証言があります。

 

ただし、ショーベースのように一日4~5回公演する舞台で、アンダースタディ(いわゆる代役)がいないはずはありません。ここに今回の問題の本質があると思うのです。

 

舞浜新聞では東京ディズニーリゾートが近年、経費削減を続けていることを報じてきました。特にパレードやショーといったエンターテイメント・プログラムの製作費は目に見えて削減されています。ここで「ステージのダンサー・キャラクターの人件費削減のために、数を減らしているのではないか?」と推測できるのです。

 

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過去10年間のエンターテイメント・ショー製作費のグラフ。近年は目に見えて削減傾向が続いている。

 

少ない人数で現場を回すことができれば効率的ですし、人件費も低く抑えることができます。企業経営では常識です。それがショーベースでも行われているのではないでしょうか。

 

代役はしょせん代役。本人が出演しているとき、会社にとって代役は無駄な存在。人件費削減のために代役を減らした結果、出演者が体調不良になったときにステージを回せなくなってしまい、やむを得ず休演に…。こう邪推してしまうのです。

 

ショーベースだけが例外ではありません。同様のことは今後も、ほかのステージでも十分起こりえます。最近では特に少ない人数・同じ人間でショーやパレードを行うことも珍しくありません。

 

夢が壊れる話になりますが、キャラクターも同じキャラクターが長い距離を移動したり、多くのシフトをこなしている現状もあります。特にディズニーパークでは、ショーやパレードに出演するキャラクターがグリーティングも担当するため、より負担が大きくなっている可能性もあります。

 

上記以外にも、出演者たちでインフルエンザや風疹・麻疹のような集団感染があった、食中毒が起きた、重要なポジションの出演者が体調不良になった、出演者の稽古が間に合わなかったなどの理由も考えられますが、どれもあくまで推測にすぎません。

 

ワンマンズ・ドリームⅡが休演の間、ショーベースでは企業の貸し切り向けプログラム「タイムオフ」が代替ショーとして行われました。普段はなかなか見ることのできないショーだったため、多くのパークファンが喜びました。

 

しかし、私はものすごく不安な気持ちになりました。今後こういったことがないように、オリエンタルランドには出演者たちの体調管理に十分配慮してほしいと思います。

 

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ミッキーのキレキレダンスでも話題になった「タイムオフ」あくまでも企業向けのパーティープログラムである。©Disney

*1:その後、12月1日にも休演となっています。