舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



東洋経済「あこがれのディズニーホテルに行ってみた」を読んでみて

ディズニー関連の記事をウェブで探していたところ、東洋経済オンラインにこんな記事が載っていました。

 

 

東洋経済と言えば、雑誌版・オンライン版ともにディズニー関連の記事が多いことで知られています。私も以前、ディズニー特集が組まれた雑誌版を購入したことがあります。

 

週刊 東洋経済 2009年 12/5号 [雑誌]

週刊 東洋経済 2009年 12/5号 [雑誌]

 

今回は9月9日に掲載された「あこがれのディズニーホテルに行ってみた」の中で、私が気になった部分を紹介していきたいと思います。

 

この記事は東洋経済の山川清弘記者による、東京ディズニーランドホテルの吉岡滋泰総支配人へのインタビューです。

 

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パークにほど近い「東京ディズニーランドホテル」京葉線の車内からもその大きさがよく分かる。705ある客室数はディズニーホテルの中で最大。©Disney

 

連泊する宿泊者は全体の2割

Q:一般のホテルでは、昼は「起こさないでください」とプレートを下げて在室するケースもありますが、TDLホテルだと、ちょっと昼寝で寄ったりとか、変則的で神経を遣うのではないですか?

 

A:夏は稼働が100%に近いですが、1泊のお客様が多いので一斉に掃除して一斉に次のお客様を入れる感じです。その中に20%くらい連泊される方がいらっしゃるので、合間を見て掃除をする。ハウスキーピング課が部屋を管理していますが、ちょっと腕の見せ所ですね。

 

東京ディズニーリゾートには3つのディズニーホテルがありますが、どこもピーク時の客室稼働率は90%台になっています。これはほかのオフィシャルホテルや都内にあるシティホテルなどと比較すると、驚異的な数字です。

 

そんな高い客室稼働率を誇るランドホテルでも、連泊する客は全体の約2割。8割の宿泊客は1泊だけという事実には驚きです。「1泊2日で帰る」という、いかにも日本人らしいスタイルの方が多いということでしょう。もしくは「1泊はディズニーホテル、もう1泊は都内のホテル」のように、泊まり分けをしているのかもしれません。

 

人感センサーで見分ける「外出」 

Q:連泊だと、パークに行っている間を見計らってですね。お昼を食べてちょっと昼寝に戻ってくると、もう部屋がきれいになっているということですよね。

 

A:そうですね。私どもの部屋の特色として、人感センサーが設置されていまして、ステイゲスト(連泊)でセンサーがオフになっていれば、たぶん外出されたのだとわかります。ハウスキーパーがつねにチェックしています。

 

客室稼働率が高いということは、それだけ掃除が必要な客室も多いということ。人感センサーで客の在室をチェックしているのには驚きです。ほかのディズニーホテルでも導入されてるのかな?

 

ランドホテルにいるキャラクターといないキャラクター 

Q:フロントの近くにミッキーなどキャラクターのメダル作成機がありましたね。ディズニーのキャラでもこのホテルにいるキャラと、いないキャラがいるようですが、当たっていますか?

 

A:基本的には「ビッグ5」と言われる、ミッキー、ミニー、プルート、ドナルドダックに、グーフィーはいちばん多く見られると思います。それから、客室に「キャラクタールーム」というのがあって、たとえばシンデレラルームとか、白雪姫ルームに行くと、それぞれのお姫様のモチーフも見つけることができます。

 

ただやはり統一感は大事にしていて、たとえばモンスターズ・インクの隠れキャラクターは、今のところないですね。フロントで流すビデオ映画についても、ディズニー側と折衝して、使ってよいもの、ダメなものと、ちゃんとコントロールされています。

 

ロビーで子どもたちが見ている映画にまで、ディズニー側のチェックがあるのですね。しかも「ランドホテルはこれがOKで、これがNG」という線引きもきちんとされていることにビックリしました。

 

ディズニーホテルの宿泊者は首都圏が多い?

Q:ホテルに宿泊するくらいですから、客層は遠方の方が多いのでしょうか。

 

A:震災前は地方からのお客様が多かったのですが、パーク側の政策もあり、震災後は逆に関東圏の方の比率が高くなっています。「お泊りディズニー」と言って、東京周辺の方に対しても「こういう楽しみ方ができますよ」といったプログラムをいろいろ開発しています。

 

首都圏の客に向けた「お泊りディズニー」は聞いたことがあったのですが、地方よりも首都圏の客のほうが多いという事実には驚きです。北関東でもパークからは遠方ですので、十分宿泊の需要はあるということでしょう。

 

地方からの客は景気に左右されやすく、アニバーサリーといった周年イベントの年に多くなるなど波があります。もちろん、パークまでの交通費も高額になります。そういった「たまにしかこない客」よりも「1年に1回継続的に来てくれる客」にターゲットを絞って集客しているのかもしれません。

 

女子高生・女子大生は将来の大口顧客

Q:ディズニー・ファンには女性が多い気がしますが、おひとりさまの宿泊とかありますか?

 

A:ごくたまに。むしろ多いのは「女子会ブーム」に乗って、女子大生や若いOLの方でグループでのお泊まりが増えていますね。大人4人でも泊まれますので、そこはぜひ強調してください(笑)。

 

パークを楽しむのに、1~3月に学生向けの「キャンパスデーパスポート」がありますが、そのときはやはり女子高生、女子大生のお泊まりが多いですね。彼女たちは将来的には婚礼の対象になるので、「対応には非常に注意しなさい」とキャスト(従業員)に言っております。

 

「彼女たちは将来的には婚礼の対象になるので、「対応には非常に注意しなさい」とキャスト(従業員)に言っております」というコメントは、まさに目から鱗でした。確かに友人同士でディズニーホテルに泊まって良い思い出となれば、それがやがて「結婚式もディズニーホテルで」という潜在的な需要につながります。

 

2012年からは2日間有効の「キャンパスデーマルチパスポート」も期間限定で販売しています。特に客足が落ちる1月~3月では、進路が決まってまとまった休みができた高校生や、春休みに入る大学生はパークにとって絶好の客です。そんな客を確保して売り上げを伸ばすだけではなく、将来の婚礼需要まで考えているのには驚きです。

 

以上が私が気になったポイントです。東京ディズニーランドホテルの計画が発表された当時「ディズニーホテル同士も競争させる気なのか?」と思いましたが、アンバサダー・ミラコスタとともに順調に客足を伸ばしています。今後ますますパークから近いディズニーホテルの需要は伸びていきそうですね。