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舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



東京ディズニーリゾートの「年越し特別営業」を考える

いよいよ8月12日から東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの年越し特別営業チケットの抽選申し込みが始まりました。昨年の年越しと同じく、今年も「カウントダウンイベント」ではなく「年越し特別営業」となっています。

 

「これから応募するよ」という方も多いかもしれません。今回の記事は「お盆特別特集」ということで、東京ディズニーリゾートの年越し特別営業について考えていきたいと思います。

 

「年越し特別営業」とは?

東京ディズニーリゾートでは、ランド・シーともに12月31日から1月1日にかけて終夜営業を行います。しかし、この終夜営業の時間帯は通常のチケット(1デーパスポートや年間パスポートなど)を使って入園することはできません。専用のチケットが必要となります。

 

この専用チケットは事前に郵便はがきもしくはインターネットによる申し込みで、応募多数の場合は抽選となります。公式ファンクラブ「ファンダフル・ディズニー」の会員の方は、別に申し込み枠があります。

 

もしこれに外れてしまっても、12月31日から1月1日にかけて、ディズニーホテルもしくはオフィシャルホテルに宿泊する方は専用チケットを購入することができます。事実上の「入園保証」ですね。ただ首都圏やその近くに住んでいる方にとっては「抽選が外れたから今年は行かない」という方も多いと思います。

 

実は2010年の年越しまでランドは「カウントダウン・パーティー」、シーは「ニューイヤーズ・イヴ・セレブレーション」というスペシャルイベント扱いでした。しかし、2011年の年越しから「年越し特別営業」に、またこれまでは「カウントダウンパスポート」と呼ばれていた専用チケットが「ニューイヤーズ・イヴ・パスポート」にそれぞれ変更されたのです。

 

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2010年の年越しまではスペシャルイベント扱いだった。©Disney

 

舞浜新聞では2010年までの年越しイベントを「カウントダウン」、2011年以降の年越しイベントを「(年越し)特別営業」と表記します。 

  

なぜカウントダウンが特別営業になったの?

2010年までの年越しイベントではランドではスペシャルパレード、シーではスペシャルショーが年越しの瞬間に行われていました。それ以外にも、パークのあちらこちらでカウントダウンの特別公演が行われていました。それが2011年の年越しイベントから、そのような特別公演は一切廃止されてしまったのです。

 

2011年以降はショー・パレードに関しては特別営業時間帯に行われるものもありますが、基本的に通常のパークで行われているプログラムがそのまま実施されます。もちろんアトラクションも通常通り運営されます。

 

唯一の例外は年越しの花火でしょうか。蛍の光の合唱とともに、年越しの花火が夜空に上がるのはなんとも幻想的です。通常のパークの花火とは違って、規模が大きいのも特徴です。

 

では、どうして2011年から特別営業に変わってしまったのか。オリエンタルランドからは変更の理由について、正式には発表されていません。ただ、オリエンタルランドの年越しに対する姿勢を知ることができる資料は存在します。

 

一つ目の資料は2011年6月23日に日本経済新聞へ掲載された「東京ディズニーランド・シー、年越しパレード中止」という記事です。

 

オリエンタルランドは23日、東京ディズニーランド・シー(千葉県浦安市)での今年の年越し営業について、カウントダウンのパレードなどを取りやめると発表した。

 

年越し営業の専用チケットは販売枚数が少なく、定員増を求める要望が強いため、パレードなどをやめて販売枚数を前年より5割弱増やす。事前応募による抽選で販売する年越し専用チケットは、2010年は2パークで計6万5000人限定だった。パレードを見学できる人数に絞るため、通常営業の定員より大幅に少ない。今年は9万5000人分に増やす。

 

価格は1人8000円で、12月31日午後8時から翌1月1日午前6時までパーク内に滞在できる。カウントダウンの花火は実施する。

 

この記事の要点は以下のように整理されます。

  • これまでのカウントダウンは、パレードやショーを見学できる人数に絞ってチケットを販売していた。
  • カウントダウンのチケットを買いたいゲストは多かったが、定員から対応できなかった。

  • 2011年の年越しはパレードやショーをやめる代わりに、より多くチケットを販売することにした。

 

ランドは最大7万人、シーは最大5万人が収容定員と言われています*1

 

2010年のカウントダウンはランド・シー合わせて6万5,000人分のチケットが販売されたということは、収容定員の約半分。これがパレードやショーを安全に鑑賞できる人数の限界だったと思われます。それを9万5,000人分まで増やすということは、これまでと同様のプログラムの実施は難しい。だからこそオリエンタルランドはカウントダウンを特別営業に切り替えたのだと考えることができます。

 

二つ目の資料は昨年(2012年)に行われたオリエンタルランド株主総会での質疑応答です。

 

2012年6月28日 第52期定時株主総会 質疑応答

質問:カウントダウンイベントは再開するのか?

 

回答:昨年度と内容を大きく変更した。毎年、シンデレラ城前での押し合いや走りこみが発生していたが、対策がうまくいかなかった。ゲストの安全を確保するため、また多くのゲストに「素のパーク」を楽しんでもらうように変えた。詳しくはまだ決まっていないが、今後2~3年は続けないと分からない。スペシャルパレードはもうやらないと決まっているわけではないが、ゲストの安全・安心を心がけていく。(砂山起一副社長・テーマパーク統括本部長(当時))

 

ここでオリエンタルランドの砂山副社長(当時)はカウントダウンイベント中止の理由として「ゲストの安全確保のため」「本来のパークを楽しんでもらうため」の2つの理由を挙げています。実際パーク内での入園ダッシュやゲストの押し合いは起きていました。

 

また、カウントダウンイベントでは入園と同時に多くのゲストがパレードやショーの場所取りをするため、パーク内の移動が困難になります。通常のパークでは場所取りが禁止される場所でも、それが許可されてしまうのですから当然と言えば当然でしょう。これでは本来のパークではありません。

 

一部では「東日本大震災による影響では?」といった声も聞かれます。確かに震災によってランド・シーともに休園を余儀なくされました。損失も大きかったため、固定費の大きいカウントダウンイベントを中止したのでは?といった考え方です。

 

確かにそれもあるかもしれません。ただ、日経の記事や株主総会での質疑応答では、震災に関する言及は一切ありません。

 

むしろ震災から3か月あまりで「カウントダウン中止」と発表していることが気になります。事前にカウントダウンの中止は決まっていたのか、それとも震災対応で決めたのか。判断が難しいですね。

 

ただ、2011年の12月はまだまだ避難所や仮設住宅に住んでいる方が多かったです。復興はおろか、復旧すら満足にいっていない状態でした。それは東京ディズニーリゾートがある浦安市も同様です。電力需給も決して安定していなかったこの時期に、1日限りとはいえ大規模なイベントを開催するのは難しかったと思われます。被災者の方から見れば「ばか騒ぎ」「電力の無駄遣い」ですからね。

 

カウントダウンの問題点とは?

ここまでで、これまでのカウントダウンイベントにはいくつかの問題があったことを指摘してきました。実はこれ以外にもカウントダウンには様々な問題がありました。その問題について詳しく見ていくことにしましょう。

 

  • パークにより早く入園するために、パーク外で徹夜待ちをするゲストが多数いた。その列はまるでテント村のよう。現場のキャストもどの列が先頭なのか判別がつかず、誘導で混乱。クレームの嵐に。ちなみに徹夜待ちは看板も出されており、明確に禁止されている。それでも待つゲストがいる以上、安全確保のためキャストは動かざるを得ない。
  • より見やすい場所を確保するために、開園とともにダッシュするゲストが続出。もちろんパーク内はダッシュ禁止。

  • パーク内は人、人、人…。通常のパークではパレードルートとその周辺(ランド)、ハーバーとその周辺(シー)のみレジャーシートによる場所取りが許され、それ以外は立ち見エリアや歩道になるのだが、カウントダウンは違う。ほんの少しの歩道を残して、ほとんどのエリアがショー鑑賞エリアとなる。これではトイレに行くのも一苦労。こんな状況で大地震が起きたらと思うと…、ゾッとする。

  • 最近はキャストが起こすようになったが、以前はカウントダウン終了後にパーク内で仮眠をするゲストが多くいた。これはカウントダウンの特別チケットは元日の夜まで有効だったから。レストランも同様。寝袋で寝るゲストはまるで「冷凍マグロ」のよう。

 

さて2014年以降はどうなるの?

2013年の年越しは、昨年と同様にカウントダウンではなく「年越し特別営業」ということがオリエンタルランドから発表されています。私としては今後もカウントダウンイベントの復活、つまりスペシャルパレードやショーの開催は行われないと考えています。

 

よほどゲストの数が減った、需要がなくなった、チケットを捌ききれなくなったなどの状況にならない限り、オリエンタルランドがテコ入れを行う可能性は非常に低いと思われます。

 

砂山副社長(当時)は2012年の株主総会で「2~3年は続けてみないと分からない」と語っていました。「2014年の年越しからカウントダウンが復活するのでは?」という見方もできますが、過去2回の特別営業では何も問題は起きていませんし、むしろ成功しているといえるでしょう。

 

実際、特別営業に切り替わって、本来のパークの姿を取り戻したと思います。入園待ちのゲストによるテント村、クレームの嵐、危険な開園ダッシュ…。いずれも特別営業では解消されました。チケットの販売数も増えましたので、ディズニーホテルやオフィシャルホテルの稼働率、旅行会社の売り上げも上昇したでしょう。

 

パーク内のゲストの移動がスムーズになったので、ショップやレストランの売り上げも上がったと思われます。年越しの花火についても、鑑賞に関して大きなトラブルや事故も発生していません。

 

今後も特別営業のチケットは抽選制、周辺ホテル宿泊者には優先販売、アトラクション・ショー・パレードは通常通り、もしくは特別営業時間帯にも実施、といった形が続くと思われます。人件費などの固定費が大きいスペシャルパレードやショーの廃止は、コスト削減を続けるオリエンタルランドの経営姿勢とも合致しますからね。

 

昔からのパークファンの方の中には「カウントダウンがないパークはパークじゃない」と思う方もいるかもしれません。しかし、ここまで考えてきたように、カウントダウンには様々な問題がありました。その中にはオリエンタルランドや現場のキャストの皆さんでも解決できないものも含まれていました。

 

2014年に再びカウントダウンイベントを復活させても、問題を蒸し返すだけだと思います。私としても寂しい気持ちでいっぱいですが、割り切って考えるしかないと思います。 

 

それでもカウントダウンイベントをやるのなら…

ここで終わってしまっては、ただのファンサイトやブログと同じになってしまいます。舞浜新聞として、ではカウントダウンイベントを復活させるにはどうすればいいのか、その対策について最後に考えたいと思います。以下は舞浜新聞が考える対策です。

 

特別チケットを17,000~18,000円程度まで値上げする

2011年4月にパークチケットは値上げされています。過去のカウントダウンでは、通常チケットの値上げに合わせて特別チケットの価格も引き上げられてきました。

 

2010年のカウントダウンでは1人15,000円(ランド・シー共通)でしたので、値上げは避けられないでしょう。18,000円といえば歌舞伎座の一等席チケットが買える値段。さて、どれだけのゲストがこの値段を払ってでも、厳寒の中パークで年を越したいと思うでしょうか?

 

プレビューナイトを実施してゲストの分散化を図る

2006年と2007年には、ランドでカウントダウンイベント本番前に特別チケットを販売して、実際のイベントとほぼ同様のものを開催したことがあります。これを復活させるのです。

 

コストはかかりますが、本番前のリハーサルもできますし、ゲストはスペシャルパレードを事前に見ることができます。このときはランドだけでしたが、シーでも開催する必要がありますね。でも本当は年を越していないのに、パレードだけ見るのも寂しくないですか?

 

あれ?なんだかカウントダウンイベントに対して否定的になってしまいました。さて、オリエンタルランドが2014年の年越しについて、今後どういった発表をするのか。期待して待つことにしましょう。でも、鬼に笑われそうですね。

*1:ちなみに、東日本大震災が発生した2011年3月11日は、ランド・シー合わせて約7万人のゲストがいました。当日は金曜日でしたので、通常の平日よりも多かったと思われます。