東京ディズニーリゾートの夢と魔法を支えているのが「オフィシャルスポンサー」以前の記事でも紹介しましたが、施設の運営費や経費を負担する代わりに、広告宣伝へディズニーパークやキャラクターを使用できる制度です。
今回はオフィシャルスポンサーにまつわる、ちょっとしたエピソードをいくつか紹介します。夢と魔法は壊れるかもしれませんが…。
ホンダはなぜか、カリフォルニアと香港だけ
自動車メーカーのホンダはアメリカ・カリフォルニアと香港のディズニーランドでスポンサー契約を結んでいます。
東京の場合、2006年9月まで日産自動車がスポンサー契約を結んでいましたが、現在は車メーカーのスポンサーは不在。なぜホンダは東京でもスポンサー契約を結ばないのでしょうか?
日産が撤退したとき、「次はトヨタかホンダかな?」という噂もありましたが、音沙汰はありません。スバルがキャンペーンでディズニーキャラクターを使っているのも気になります。
香港ディズニーランドのアトラクション「オートピア」看板の下にホンダのロゴマークが描かれているのが分かる。©Disney
スポンサーがいる・いないは雲泥の差?
スポンサーがついているステージと、そうではないステージでは予算の桁が違うそうです。例えば、以前はほつれた衣装を丁寧に直して使っていたのが、スポンサーがついた途端、新しい衣装へ買い替えたという話もよく聞かれます。
ランドの「ミニー・オー!ミニー」は今年の4月に衣装が一新。10年目の衣装チェンジはスポンサーであるニチレイのおかげ?©Disney
東京ディズニーシーのドックサイド・ステージ。シーが開園当初、ここにはイスがなく、ゲストは地面に腰を下ろしてショーを見ていました。ここに、当時のそごう(現在は撤退)がスポンサーについたとき、観覧席が設けられたのは有名な話。
東京ディズニーシーの夜のハーバーショー「ファンタズミック!」このショーはNTTドコモが提供していますが、終演後にドコモのロゴマークが出ているのに気付いている人はいるでしょうか?
多額の製作費を出してもらいながら、終演から数分で消されてしまうロゴマーク。せめて、ランドのパレードと同じように、フロートを出すべきではないでしょうか?ドコモに失礼な気がします。
三井と三菱の戦い?
オリエンタルランドはもともと三井不動産と京成電鉄が作った会社。そのため、歴史的に見て三井グループと関係が深いのです。
必然的に三井住友銀行がスポンサーとして有力候補となりますが、ディズニーをイメージキャラクターとして長年使用しているのは三菱東京UFJ銀行。三井住友銀行は東京ディズニーランド内に行員がいる出張所まで設けていますが、スポンサーになれるのはいつの日のことやら…。
三井住友銀行の友人出張所はランドのみです。浦安市民であれば口座を作ることもできます。ただし通常の銀行口座と同じで、通帳のデザインもオリジナルではありません。
三井グループと関係が深いオリエンタルランド。三井不動産や三井ホーム、日本ユニシス、富士フイルムとはスポンサー契約を結んでいるのに、どうしてIHIやトヨタ自動車、三越伊勢丹の名前がないのでしょうか?
日通は宅配便をやっていない?
日本通運は長年スポンサーを務めており、ディズニーのペリカン便のテレビCMを見たことがある人も多いはず。実は日本通運、個人向けの宅配便事業は日本郵便に売却済み。ということは、引越し業者としては日本通運、個人向け宅配業者としては日本郵便とスポンサー契約を結ぶべきでは?
電化製品は「パナソニック」
東京のディズニーパークにある電球や蛍光灯をよく見ると、パナソニックのロゴマークが書いてあります。
これはもちろん、パナソニックがスポンサーだから。ディズニーホテルのテレビや空気清浄機までパナソニック製なのを見ると、かなり徹底されているようです。ただし、ディズニーリゾートラインの券売機や改札機は東芝製。これはパナソニックが製造していないというのもありますが、実は東芝は三井グループ。ここまで三井と接点が強いとは…。
スター・ツアーズの屋上に取り付けられているパラボナアンテナ。よく見るとパナソニックのロゴマークが書かれています。
©Disney
これは以前、スター・ツアーズのスポンサーをパナソニック(当時の松下電器)が務めていたから。スポンサーを降りた後もアンテナのロゴマークはそのまま。5月にはリニューアルオープンしましたが、アンテナは工事前と変わらずそのまま。スポンサーを降りた後も、経費を出していたからなのかな?