まずはこの記事から。
以前から愛読しているTDR三昧さん。東京ディズニーリゾートに関する的確な記事は、私も楽しく読ませてもらっています。更新があまりされていなかったので、近頃はチェックしていませんでした。
最近になって東京ディズニーリゾートのエンターテイメント予算削減について調べていたところ、前出の記事と出会いました。この記事が書かれたのは今から7年前。7年前と言えば、東京ディズニーシーの5周年イベントが開催されていたころです。
なぜ、そんな昔の記事を私が引っぱり出してきたのか。それは、今の東京ディズニーリゾートの現状を見事に言い当てているからです。記事の内容を要約すると「顧客が求めるのをただ追いかけるのではダメ。企業は社会的な役割や責任を果たすべきで、ディズニーランドにもそれがあるはず」というもの。
東京ディズニーリゾートを訪れる多くのゲストは、ディズニーパークに何を求めているのでしょうか。アトラクション?グッズ? レストランの食事?それともショーやパレード?それは分かりません。
では「オリエンタルランドはゲストに何を提供したいのですか?」という質問はどうでしょうか。
今のオリエンタルランドは「ゲストが求めるものはこれかな?」「ゲストの満足度を下げないようにコストを削ろう」というように、ゲスト中心に立っている気がします。私は別にそれでもいいと思うのです。だってお金を払うのはゲストですから。でも「オリエンタルランドがしたいことは何だろう?」と考えたとき、その答えがどうも見えてこないのです。
アトラクションは一度作ってしまえば、あとは維持管理をするだけです。減価償却に時間もかかりますし、スポンサーもつきやすいでしょう。人気アトラクションになれば、それだけでパークの集客力となります。
一方、期間限定のショーやパレード、アトモスフィアは減価償却も短く、集客力にはならないかもしれません。それならディズニーパークではやる価値はないのでしょうか。
東京の場合、海外のパークと比べてリピーター率が高く、スペシャルイベントによって集客することが多いと聞いたことがあります。海外はアトラクションの新設と更新によって、ゲストの数を伸ばしていると聞きます。
単に東京が海外のパークと同じように、スペシャルイベントからアトラクションによる集客にシフトした、と説明するのは簡単です。でも、東京には東京にしかできないこと、東京でしか体験できないことをやってほしいのです。
©Disney
パーク内の清掃をするカストーディアル・キャスト。彼らが水たまりの水を使って描く絵は「カストーディアルアート」と呼ばれています。元々これは東京が発祥なのです。今では海外のパークでも行われています。
ゲストのためではなく、オリエンタルランドがゲストに提供したいことを考えてほしいのです。これからの東京ディズニーリゾートがさらなる発展を遂げることを、私は心の底から願っています。